2023年おすすめ新譜アルバムVol. 37: October London「The Rebirth of Marvin」
新譜アルバム紹介Vol. 37です。
今回紹介するのは、西海岸のシンガーのOctober Londonがリリースした「The Rebirth of Marvin」です。
October Londonは西海岸を拠点に活動するシンガーです。
2010年代前半に登場。初期はSam London名義で活動し、2013年にはEP「The Introduction」をリリースします。その後October Londonに改名し、2016年にはアルバム「Color Blind: Love」をリリース。以降はDoggy StyleにDeath RowとSnoop Doggのレーベルを渡り歩きながら、2022年作「Please Leave a Message」など多くのアルバムやEPを発表しています。
Marvin GayeやSam Cookeを思わせる、ソウルフルでシルキー、情熱的な歌声を聴かせるシンガーです。サウンド的にはオーガニックな正統派ソウルからディスコ、モダンなヒップホップ要素のあるものなど柔軟に取り入れます。
今作はタイトル通りのMarvin Gaye愛が詰まった、徹底的に1970年代っぽい空気に染まったソウル作品です。Silk Sonicファンの方も是非。
イントロの語りからたまりません。
暖かいギターや丁寧なコーラスが印象的なサウンドで、その紳士的な歌声をゆったりと聴かせる良曲です。完璧。
ちょっとヒップホップっぽいドラムを使った曲。
音の質感やムードは1970年代ソウル直系ですが、フックでの歌の譜割りが三連フロウだったりと現代的な要素もあります。今作のハイライトの一つ。
5. Mulholland Drive (with Latoiya Williams)
Soopaflyプロデュース。
しかしGファンク系のサウンドではなく、今作にぴったりの1970年代ソウル風味の曲です。Latoiya Williamsの浮遊感のある歌声も見事。
歌にラップのようなニュアンスもある曲。
ですが、基本的にはMarvin Gaye直系の歌い方です。クールな歌の裏でじんわりと熱を帯びるトランペットやギターが絶妙。
Snoop Doggがラップではなく語りで参加。
Silk Sonicがやりそうなスウィートソウル路線で、Snoop Doggの脱力感のある語りもBootsy Collinsのように響きます。今作のハイライトの一つ。
2分28秒あるのでインタールードという感じでもない曲。
メロウなエレピやパーカッションが心地良いサウンドで、美しい誠実な歌声を聴かせる好曲です。ラップっぽさのあるフックもばっちり。
11. You Look Better
低音の語りを随所でフィーチャー。
October Londonの歌も低めの発声にトライしており、少しシリアスなムードが漂っています。ソウル愛濃厚。
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