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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 28: Bruiser Wolf「My Story Got Stories」

新譜アルバム紹介Vol. 28です。

今回紹介するのは、デトロイトのラッパーのBruiser Wolfがリリースした「My Story Got Stories」です。

Bruiser Wolfはデトロイト出身のラッパーで、Danny BrownのレーベルのBruiser Brigadeに所属しています。

2010年代前半に本格的な活動を開始。2014年にはミックステープ「D.O.P.E. (Do Our People Exist)」を発表します。その後Fat Rayとの共演などを経て、2019年頃にBruiser Brigadeに加入。2021年には1stアルバム「Dope Game Stupid」をリリースします。その後はDanny BrownやJ.U.SといったBruiser Brigade作品を中心に客演で活躍。まだEPやアルバムなどの数は少ない新進アーティストです。

高めの声質でSuga FreeやE-40を思わせるオフビートフロウを使うラッパーです。サウンド的にはブーンバップ文脈のソウルフルなものが中心。ラップスタイルはかなり癖が強いですが、刺さる人は確実にいると思います。

今作はソウルフレイバーが充満する暖かいサウンドで、その強烈なラップが楽しめる快作に仕上がっています。


1. Let The Young Boys Eat

Harry Fraudプロデュース。

歌声も使った早回しサンプリングのループで引っ張り、ドラムは控えめなGriseldaやJay Worthyがやりそうなビートです。後半でのBruiser Wolfのゆるい歌には飄々とした味があります。


2. 2 Bad (feat. Danny Brown & ZelooperZ)

大ネタ使いのラフな曲。

ここでもドラムはかなり軽めです。ZelooperZとDanny Brownと客演二人もかなり曲者ですが、主役が一番アクの強いラップを披露しています。


5. Holla At Ya Mans

Raphy制作のソウルフル路線。

歌声も込みで執拗にループしたシンプルなビートで、Bruiser Wolfの怪フロウが光る好曲です。サンプルとの掛け合いがキャッチー。


8. I Was Taught To (feat. Trinidad James)

現行ミシガンのノリを取り入れた曲。

ブリブリのベースと808が効いたドロドロファンキー路線です。Trinidad Jamesのワイルドなラップとの絡みも美味。


9. G'z & Hustlaz (feat. Fat Ray)

今作のハイライトの一つ。

大ネタを使ったソウルフルなビートに、力強い低音のFat Rayと軽妙な高音のBruiser Wolfの対照的なラップが乗る佳曲です。プロデュースはRaphy。

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