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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 25: Oddisee「To What End」

新譜アルバム紹介Vol. 25です。

今回紹介するのは、DCのラッパー兼プロデューサーのOddiseeがリリースした「To What End」です。

OddiseeはDC生まれでメリーランド育ちのラッパー兼プロデューサーです。

1990年代後半に登場。DJ Jazzy JeffやLittle Brotherなどの作品への参加を経て、2005年にはミックステープ「Instrumental Mixtape Volume One」を発表します。その後も2008年のアルバム「101」や、所属するラップグループのDiamond Districtでの2009年のアルバム「In The Ruff」など多くの作品をリリース。以降もJoey Bada$$作品への参加やソロ・グループでのリリースなど、精力的に活動しています。

どちらかといえばプロデューサー寄りのアーティストで、暖かいブーンバップから出発して徐々にソウルやジャズに接近するような作風の変化をしています。ハウスなどの要素を取り入れることもあります。ラッパーとしては癖の少ない堅実なスタイルです。

今作はブーンバップというよりも、ヒップホップ経由のファンクやソウルにラップを乗せたような曲が目立つ作品です。生演奏と思しきソウルフルな気持ち良さが詰まった良作に仕上がっています。


2. How Far

ギターをパーカッシヴに鳴らしたファンク。

ベースやホーンなども生演奏っぽいグルーヴがあり、コーラスを入れたフックもあり非ヒップホップ寄りの印象です。Oddiseeの堅実なラップもばっちり。


3. Many Hats

スペイシーなシンセを使ったメロウ曲。

クールなキーボードやストリングスが効いたビートや、ソウルフルな歌フックが心地良い良曲です。G好きの方も是非。


4. Already Knew

Chance the Rapperが出てきそうなハッピーなムードの曲。

自由に入ってくるピアノやギターが印象的なビートで、キレのあるラップを聴かせる佳曲です。ゴスペルっぽい匂いがするオルガンに悶絶必至。


5. Choices (feat. BeMyFiasco, Kay Young & Phonte)

Foreign Exchange周辺に寄せたようなソウルフルヒップホップ。

エレピや生っぽい質感のドラムを用いた明るいサウンドで、それぞれの持ち味が噛み合った好曲です。Phonteはラップで参加。


6. Try Again

軽快なダンサブル&スムース路線。

メロウなエレピに艶やかなベースが絡むビートには、少しJon Batisteあたりにも通じるようなセンスがあります。歌フックも抜群の気持ち良さ。


7. Ghetto to Meadow (feat. Freeway)

今作のハイライトの一つ。

ジャジーなベースやドラムが印象的な非ヒップホップ寄りのサウンドで、Freewayの暑苦しいラップを迎えた良曲です。声を加工したラップのフックも楽しく聴けます。


11. Work to Do (feat. Bilal)

BilalがPrince直系の歌声を聴かせるクールな曲。

Oddiseeのヴァースは出番が少なく、Bilalを主役に立てたような印象の曲です。ネオソウル好きの方にはたまらないと思います。


15. The Way (feat. Haile Supreme & Saint Ezekiel)

哀愁漂うノスタルジックなメロウ路線。

とろけるエレピや小気味良いギターを使ったビートで、落ち着いたラップやソウルフルな歌が堪能できる佳曲です。声ネタも絶妙。


16. Race

弾けるようなドラムが目立つヒップホップ寄りの曲。

美しいピアノやストリングスが沁みる上品なサウンドで、フックには歌を配した力強くエモーショナルな曲です。アウトロではギターとシンセのソロも。

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