2021年おすすめ新譜アルバムVol. 31: Cal Wayne「3Pac」
新譜アルバム紹介Vol. 31です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパーのCal Wayneがリリースした「3Pac」です。
Cal Wayneはテキサス出身のラッパーです。Killa Cal WayneやCalwayneなどの名義でクレジットされることもあります。
10年代前半に登場。Lil KekeやM.U.G.などの作品への参加や12年のミックステープ「Take Me As I Am」の発表などを経て、14年にはアルバム「God Don't Make Mistakes」などリリース。その後16年作「Ghetto Superstar」、18年作「Ghetto」とアルバムリリースを重ねているほか、シングルも数曲発表するなど精力的に活動しています。
荒っぽい発声でソウルフルにラップする、いかにもテキサスらしいラッパーです。J-Dawgあたりに通じる魅力があります。サウンド的には基本はソウルフルでGな路線が中心ですが、時々トラップもやります。
今作はタイトルにまず目が行くと思いますが、ちゃんとそういう曲もあるもののそこまで引っ張られすぎないテキサスG作品です。G好きの方は是非。
1. 3Pac
某ラッパーの某曲をネタ使いした出オチみたいな曲。
あの不穏なピアノループに現行の鳴りのドラムを絡め、フロウも某ラッパーに寄せたようなフロウを使った好曲です。フックもそのまんま。
いかにもテキサスGらしいメロウ曲。
ゆるめのGファンク系のビートに乗り、フックではヘタウマな歌も披露する良曲です。JeffDadeanのヌルリとしたラップも良い味を出しています。
男性シンガーの14 gramsをフィーチャー。
爽やかでスムースなメロウ路線の曲です。14 gramsのオートチューン歌フックが心地良く、Cal Wayneのラップとも好相性。
5. Can't Keep Running Feat. Kokaine Jeff Wayne & J-Dawg
南部G印のソウルフル曲。
歌声もサンプリングしたいなたいサウンドで、いなたいマイクリレーが楽しめます。J-Dawgのぶちかまし系ヴァースがベスト。
6. Top Of My Game Feat. Bigg Third & Fontenot
Cal Wayneがフックで熱唱するソウルフルな曲。
90~00年代のテキサスG直系のいなたいビートで、好き者の方にはたまらないと思います。客演ラッパー二人もいかにもなテキサス感が漂っています。
まだ途中なのにラストに入っていそうな大型マイクリレー。
The Mekanixが関わった哀愁ピアノが効いたビートに、次々とラッパーが登場する好曲です。フックも担当するTrae Tha Truthがやはり頭一つ抜けた印象。
8. My City Feat. BlameItOnTheDJ
熱さを感じさせるファンキー路線。
ホーンやカッティングギターを使ったビートで、詰め込み気味のフロウも織り交ぜて力強くラップした曲です。UGKなどのネームドロップにもニヤリ。
12. Never Been
ポロポロとしたギターが目立つメロウ曲。
ラップも歌心のあるゆるいスタイルに挑んだ、エモーショナルな良曲です。切ないメロを歌うフックが印象的。
13. Animosity
某ラッパーのヴァースを丸ごとサンプリングした疑似共演曲。
オルガンが効いたテキサス流儀の哀愁ビートで、力強いラップを乗せた良曲です。某ラッパーのヴァースも違和感なく乗っており、その存在感に圧倒されます。今作のベストトラック。
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