おすすめ旧譜アルバムVol. 62: Messy Marv「Bandannas, Tattoos & Tongue Rings」
旧譜紹介Vol. 62です。
今回紹介するのは、ベイのラッパーのMessy Marvによる05年のアルバム「Bandannas, Tattoos & Tongue Rings」です。
Messy Marvはベイ出身のラッパーです。
90年代半ば頃に登場。96年には1stアルバム「Messy Situationz」をリリースします。その後98年にSan Quinnとのタッグ作「Explosive Mode」、99年にソロ作「Death on a Bitch」をリリース。00年代に入ると制作ペースが急激に加速し、01年のソロ作「Still Explosive」を皮切りに30枚以上のアルバムやミックステープを発表します。10年代に入ると若干ペースが落ちますが、それでも一年に一枚以上のペースでリリースしています。また、コンピレーションのリリースやほかのラッパーのアルバムのエグゼクティヴプロデュースなどでも活躍。Cashlord MessやThe Boy Boyといった変名でのリリースも多く、ベイ屈指の多作なアーティストです。
少し濁った声質で凄みを効かせたフロウを使う、Gな魅力を持ったラッパーです。サウンド的にはベイでの時代のトレンドを汲みつつも、メロウを得意としており強力なGセンスを持っています。G好きの間では高い人気があるラッパーです。
本作はハイフィ全盛期の05年リリースながら、その路線はほぼなくメロウやバンギンに振り切ったGな傑作です。G好きの方は是非。
2. 2 To The Neck
Dr. Dre「2001」系のハードなファンク。
クールなエレピと乾いたドラム、細かく刻むギターが印象的な曲です。Messy Marvの力強いラップが迫力たっぷり。
3. I'm Too Thowed
ゆるい一面を見せるメロウ路線。
メロウなエレピやビリビリくるシンセベースが効いたビートで、50 Cent風の歌フックを聴かせる良曲です。ヴァースでの凄みのあるラップとのコントラストが良いです。
6. Still Ballin' Feat. Clover Geez
本作のベストトラック。
ピアノやフルートを使ったGセンスが滲み出る哀愁ビートと、ソウルフルでやるせない男性シンガーの歌フックに悶絶必至な名曲です。Lil Flipも好演。
7. Momma
哀愁路線が続きます。
イントロから男性シンガーが歌い倒してのけぞります。ストリングスやギターが印象的な切ないビートで聴かせる力強いラップに、オヤGの方は泣き崩れるはず。
8. Sexy Thang Feat. Suga Free
軽快なブギー風味の曲。
ブリブリのシンセベースとメロウなピアノが効いたウェッサイ印のビートで、Suga Freeの高音オフビート技巧派ラップと絡む好曲です。Suga Freeファンの方は是非。
10. That Thurr Feat. Rich The Factor
Sean Tプロデュース。
チロチロとした音が妖しく鳴る鬼渋ファンキー路線です。フックでの叫ぶような発声も決まっています。
12. U Ain't The Only 1 Feat. Dead Prez
ブルージーなギターが印象的な哀愁路線。
生っぽい質感のドラムやピアノも絶妙な渋味たっぷりのビートで、タイトなDead Prezと絡む良曲です。フックでは男性シンガーがソウルフルに歌います。
13. Let It B Known Feat. Guce
Obie Triceへのディス曲。
冷たいピアノが目立つバンギン路線の曲です。Guceと共に聴かせる凄みのあるラップが素晴らしく、固有名詞がよく出てくるディス曲ならではの楽しさもあります。
16. Neva B Right Feat. E-40 & Yukmouth
男性シンガーがフックをソウルフルに歌い倒す哀愁路線。
ブリブリのシンセベースやストリングスが効いたGファンク系の曲です。トリッキーなE-40、チンピラ感強めなYukmouthも強力なヴァースを披露しています。
17. Get On My Hype
Droop-Eプロデュース。
大振りなシンセと圧の強いキック、リヴァーブがかったクラップが印象的なハイフィです。ボーナストラック的位置付け。
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