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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 88: Peezy「Only Built 4 Diamond Links」

新譜アルバム紹介Vol. 88です。

今回紹介するのは、デトロイトのラッパーのPeezyがリリースした「Only Built 4 Diamond Links」です。

Peezyはデトロイト出身のラッパーです。Babyface Rayも所属するコレクティブ、Team Eastsideのメンバーとしても知られています。

2010年代前半に登場。コレクティヴでの作品のリリースや客演などで活動し、2014年にはミックステープ「Mud Muzik」を発表します。その後もミックステープを多く発表し、2017年にはPhilthy Richとのタッグ作「East Side」をリリース。以降も2018年の「No Hooks」や2021年の「Free Rio」などミックステープやアルバムをいくつかリリースしているほか、Babyface RayRalfy the Plugの作品に参加するなど精力的に活動しています。

太くどっしりとした声質で冷徹なラップを聴かせる、現行ミシガンらしいラップスタイルの持ち主です。サウンド面もバンギンやメロウといった現行ミシガンの王道路線が中心。G好きの方にはたまらないと思います。

今作はシリアスなものをメインにメロウも少し交えた、ミシガンらしいGセンスが詰まった好作に仕上がっています。


1. Intro (Only Built 4 Diamond Links)

ドロッとしたベースにいきなり掴まれます。

控えめなドラムや冷たいピアノがベースのドロドロ感を引き出したビートで、淡々とハードなラップを聴かせる好曲です。フックなしでラップが堪能できます。


5. Shoot Outs Out The Lamb

今作のハイライトの一つ。

緊張感の漂うピアノや民謡のようなコーラスを使ったバンギン路線です。やたら手数の多いキックが静かな迫力を生んでいます。


9. Shopping Spree

Helluvaプロデュース。

2000年代シカゴG某曲(と同ネタ?)をサンプリングしたメロウ路線です。清涼感のある女声シンガーの歌フックに悶絶必至。


10. Wedding Ring

泣きのラップを聴かせる哀愁路線。

もの悲しいピアノにトラップ的なドラムを合わせたビートで、オートチューンも使った切ないラップが光る佳曲です。Babyface Rayファンの方も是非。


13. Murder 4 Hire

高音シンセをループしたGなメロウ。

808の手数は多いですが、現行よりもどこか2000年代っぽい匂いがする曲です。フックなしでやや地味な曲ですがG好きの方にはたまらないと思います。


14. Cruise

SpaceTheWizard制作の哀愁メロウ。

切ないストリングスやピアノのループに、ボコボコとした低音が絡むディープな曲です。ここでのPeezyの泣きのラップもBabyface Rayに通じる良さがあります。


16. Can't Explain Feat. Mozzy

再びHelluvaプロデュース。

ブヨブヨのベースやメロウなエレピを使ったGファンク系の哀愁曲です。MozzyのGなラップとも抜群の相性。


19. I'll Wait

現行ミシガンらしい緊張感のあるバンギン。

シリアスなストリングスと細かいドラムが、ギスギスした空気を醸し出したハードな曲です。Peezyのラップにも凄味があります。


20. Don't Call Me Twin

FKi 1stも関わった曲。

スペイシーなシンセを細かく刻み、手数の多い808と合わせたバンギン路線です。キックの連打が強烈。

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