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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 112: MOUNT WESTMORE「SNOOP CUBE 40 $HORT」

新譜アルバム紹介Vol. 112です。

今回紹介するのは、西海岸のラップグループのMOUNT WESTMOREがリリースした「SNOOP CUBE 40 $HORT」です。

MOUNT WESTMOREは、西海岸のSnoop DoggとIce Cube、ベイのE-40とToo $hortが組んだラップグループです。

Snoop Doggは1990年代前半、ほかのメンバーは1980年代に登場。メンバー全員が揃う機会は結成以前にはありませんでしたが、Too $hortの1990年作「Short Dog's in the House」収録の「Ain't Nothin' but a Word to Me」へのIce Cubeの客演などメンバー同士でたびたび共演してきました。グループとしては2020年に結成し、今年アルバム「BAD MFs」を今作の前にリリースしています。

Snoop Doggについてはこちら、E-40についてはこちら、Too $hortについてはこちらを。Ice Cubeは太い声で無骨なラップを聴かせるラッパーです。

今作は現行シーンに寄せすぎない、Gファンクやハイフィなど西海岸ヒップホップの伝統に沿ったサウンドが堪能できる作品です。4人のラップも貫禄たっぷり。ウェッサイ好きの方ならたまらないであろう良作に仕上がっています。


1. California

Rick Rockプロデュース。

ブリブリのベースが効いたエレクトロファンク路線です。フックではE-40の名曲「Yay Area」オマージュも飛び出します。


2. Motto

引き続きRick Rock制作。

ミニマルなベースのループが印象的な、Gファンクとハイフィの中間のような曲です。E-40のキレキレのラップがハイライト。


3. Big Subwoofer

低速化ヴォイスをフックで用いたテキサス風味の曲。

ビートもボコボコと鳴る低音や軽めの808を用いたバウンシーなもので、南部っぽい匂いがします。しかし全員のラップも見事に適応。


4. Too Big Feat. P-LO

Dr. Dreがイントロに登場。

フックでラップするだけではなくプロデュースもP-LOです。「Boyz-N-The-Hood」ドラムも飛び出すラチェット路線の佳曲。


5. Activated

トークボックスが絡むGファンク路線。

ブリブリのベースや弾けるようなスネア、メロウなエレピを使ったウェッサイ感100%な曲です。Ice Cube主導。


6. Have A Nice Day

Dem JointzとJenn Emをフィーチャー。

プロデュースはDem JointzとFredWreckのAftermathコンビで、Anderson .Paak作品に入っていそうなソウルフルな曲に仕上がっています。フックでのPファンク系の濃い歌も強烈。


8. Free Game

E-40のトリッキーなラップが引っ張るハイフィ路線。

カウベルが印象的なスカスカのビートで、4人のラップ力が堪能できる好曲です。連呼フックがキャッチー。


11. Do My Best

Soopaflyプロデュース。

ブリブリのベースや弾けるスネアが効いたGファンクです。サックスにちょっとKamasi Washingtonっぽい味も(もしかして本人?)。


13. Tribal

E-40が目立つダイナミックなGファンク。

プロデュースはJelly Rollで、オルガンや生っぽいベースを使って躍動感のあるビートに仕上げています。Ice Cubeの鬼気迫るパワフルなラップも見事。

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