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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 12: EBK Jaaybo「Rrari 4Eva」

新譜アルバム紹介Vol. 12です。

今回紹介するのは、ベイのラッパーのEBK Jaayboがリリースした「Rrari 4Eva」です。

ジャケ

EBK Jaayboはベイ出身のラッパーです。

2010年代後半に登場。MBNelと組んだ2019年の「Real Facts」などシングルの発表を重ねた後、2021年にはアルバム「2021」をリリースしています。同年には2作目となる「Letter 4 The Streets」をリリース。まだ作品数は少ないものの、じわじわと評価を高めている新進ラッパーです。

Keak Da Sneakタイプのダミ声でオフビート気味のフロウを使い、ヒリヒリとした緊張感や哀愁を漂わせるラッパーです。路線的には現行ベイらしいバンギンやメロウなどですが、奇妙なビートやXXXTentacion「17」経由っぽいエモーショナルなものを好んで使います。

今作は哀愁メロウも奇怪なバンギンもバランス良く取り入れた、オヤGの方にも少し変わったヒップホップが好きな方にもおすすめできる快作に仕上がっています。


1. Free Mad Maxx

早回しサンプリングが印象的な哀愁路線。

現行ベイ流儀のシャープなスネアロールやダーティな低音、そしてEBK Jaayboの癖の強いラップが「普通の良い曲」になること拒む良曲です。切なくもハード。


2. All I Know

R&Bと思しきネタを思いっきりロウパスでカットした曲。

この曲もメロウな路線ですが、現行ベイらしい攻撃的なドラムが合わさって殺伐とした魅力を生み出しています。悲しげなピアノも絶妙。


3. Thinking of Someone Else Feat. Bankroll Raedoe

少しFrank Ocean似のシンガー、Bankroll Raedoeがフックを歌う哀愁メロウ。

切ないギターや早回しされた歌のサンプリングが効いたビートで、EBK Jaayboの呟くようなラップと悩ましい歌の絡みが味わえる佳曲です。今作のハイライトの一つ。


7. I Am Nightingale

ブリブリのシンセベースが効いたバンギン。

乾杯の音(?)をメインのスネアに使い、ギターやストリングスで不穏に仕上げた怪曲です。EBK Jaayboのラップも見事に合っています。


12. #FreeMe

某ラッパーの名曲をネタに使った哀愁路線。

早回しした歌声のサンプリングを、ダーティで軽妙な808で現行ベイ流儀に持って行った好曲です。電話越しっぽいラップの質感も印象的。

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