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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 71: Niontay「Dontay's Inferno」

新譜アルバム紹介Vol. 71です。

今回紹介するのは、NYのラッパーのNiontayがリリースした「Dontay's Inferno」です。

NiontayはNYを拠点に活動するラッパーです。

2020年前後に登場。シングルの発表や客演などを経て、2021年にはSUIQEとのタッグ作「Blood Diamond」をリリースします。その後もシングルを数曲発表した後に今作をリリース。まだ作品数がそこまで多くない新進アーティストです。

リラックスしたゆるゆるの脱力フロウを聴かせるラッパーです。ブーンバップを軸にしつつも、メンフィスラップやミシガン系など異なる要素を導入したような少し捻ったビートを好んで使います。

今作はメロウな路線を中心に据え、そのユニークな音楽性を滑らかに聴かせる良作に仕上がっています。


1. Da City of a Hunnid Plays

DJ Paul & Juicy JがEarl Sweatshirt用に作ったみたいな曲。

メロウなエレピや歌声のサンプリングなどはブーンバップ文脈っぽいですが、メンフィスラップの声ネタや手数の多いドラムが自然な形でそこに合流しています。脱力ラップとも好相性。


3. THANK ALLAH

ミシガン系のブヨブヨしたベースを使った曲。

しかし、アウトロまではGriseldaなどの現行ブーンバップのようにドラムレスで進みます。奇妙なバランスですが、Babyface Rayなどが好きな方も是非。


4. Ain't Shit

スティールパンやエレピをループしたクールな曲。

軽めのドラムやブヨブヨのベースの入れ方はミシガンものっぽい味です。アウトロでは低速する展開も。


6. WHEREDEYAT??? (feat. MIKE)

今作の中では比較的ブーンバップ文脈に真っ直ぐ挑んだ曲。

ネタをミニマルに使ったシンプルなビートで、MIKEとヴァースを交換し合う好曲です。MIKEファンの方は楽しめると思います。


9. 1000 Miles Away...

初期ヴァイパーウェイヴをヒップホップ化したみたいな曲。

ノスタルジックなシンセやチップマンク・ソウルが目立つビートで、ゆるゆるのラップが沁みる佳曲です。キックだけ強いドラムが不思議な感触を生んでいます。

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