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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 98: McKinley Dixon「Beloved! Paradise! Jazz!?」

新譜アルバム紹介Vol. 98です。

今回紹介するのは、ヴァージニアのラッパー兼プロデューサーのMcKinley Dixonがリリースした「Beloved! Paradise! Jazz!?」です。

McKinley Dixonはヴァージニア出身のラッパー兼プロデューサーです。

2010年代半ば頃に登場。2018年には「Who Taught You To Hate Yourself?」と「The Importance Of Self Belief」の二枚のアルバムをリリースします。その後も2020年のEP「The House That Got Knocked Down」、2021年のアルバム「For My Mama And Anyone Who Look Like Her」を発表。さらにライブ盤などもリリースするなど、精力的に活動しています。

少し高めの声質を濁らせたような発声で、力強くも柔軟なフロウを持ったラッパーです。生演奏と思しき音も多く導入した、ジャズやソウルと隣接するようなサウンドを聴かせます。

今作は全体的にかなりバンド的なグルーヴが目立つ、暖かく洗練されたジャジー&ソウルフルな作品です。ラップの切れ味も抜群。The Rootsなどが好きな方はもちろん、現行ジャズ好きの方も是非。


2. Sun, I Rise (feat. Angelica Garcia)

ハープやフルートの音が印象的な曲。

ドラムも自由度高めで、ヒップホップのループ感というよりもバンドっぽさが際立っています。Angelica Garciaの声の響き方の処理も絶妙。


4. Run, Run, Run

今作のベストトラック。

フルートやパワフルなドラムを用いた1970年代ソウル直系のサウンドで、キレのあるラップを聴かせる佳曲です。ソウルフルな歌フックもばっちり。


5. Live! From The Kitchen Table (feat. Ghais Guevara)

サックスががっつりと絡む暖かい曲。

この曲もヒップホップというよりもジャズ寄りの印象です。Ghais Guevaraの脱力感のあるラップも好相性。


6. Tyler, Forever

キレのあるラップを前面に出したトラップ。

手数の多いドラムを使いつつも、ホーンの質感などにはMcKinley Dixonの色がしっかりと出ています。後半にはよりジャジーに変化する展開もあり。


10. Beloved! Paradise! Jazz!? (feat. Ms. Jaylin Brown)

ピースフルなムードのゴスペル風味の曲。

サックスやメロウなエレピを用いた暖かいサウンドで、一言一言を大切にするようなラップを聴かせる良曲です。子どものコーラスが入ってくる終盤の流れは圧巻。

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