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自転車大好き コペンハーゲン市

日常感覚の自転車

コペンハーゲン市では自転車での移動が大変普及しています。市内の主要道路および脇道まで自転車専用レーンが完全に整備されている状態。自転車に乗りなれてさえいれば、何処も自転車で行けてしまい、日々、住民ととして便利さを実感しています。デンマークの地形ならではの山坂がほぼない、そしてコペンハーゲン市ならではの市内が小さい(約90㎢)ことを利用した、大変理にかなった移動法だと前から思ってはいたのですが、今回は市を挙げての本格的な取り組みの一面をご紹介します。

自転車の街にするための政策

コペンハーゲン市には、2011年から2025年までの15年間の自転車政策があります。政策の目標として、世界一の自転車の街づくりを目指しています。
政策の背景には、2025年までにカーボンニュートラルな街づくりを目指す環境指標、また運動が自然にできる街づくりなどの健康指標があります。つまり自転車を使うことが目的ではなく、自転車といったツールによって様々な分野で街が人々の生活をより良くしようといった流れがあります。
政策の中では、「人々が自転車を選ぶ理由は何より利便性。移動に時間がかからないこと」(cykelstrategien-2011-2025-_818.pdf より抜粋。)という調査を基に自転車ルートの広さの確保、整備、降雪時の除去作業を優先的に行う、など徹底的に自転車ルートの設計からメンテナンスの重要性が挙げられています。

詳しくはこちら→Verdens bedste cykelby | Bæredygtig byudvikling (kk.dk)

評価レポートと新年度予算

自転車政策については、2025年をめどに、毎年評価レポートが出されています。レポートには自転車道路の長さや、住民の自転車道への満足度などといった毎年同じ調査項目の結果が盛り込まれています。また、毎年の市の予算にも具体的な自転車道路の修繕や新規構築は必ず盛り込まれています。来年度の予算においても、それは同じでしたが、新たに盛り込まれていたのは、自転車用のスローレーンの導入です。
デンマーク社会も高齢化が進み、街の中でも、すべての人が安心、安全に移動できる環境を整えることが重要といわれています。その一環として、自転車道路が2車線のある中でも、高速で自転車を走らせなくてもよいスローレーンを導入しようという動きです。こういった社会の変化に対応して、細かな街の設計が変わっていくのは、個人的にとても興味深いと思っています。

包括的な取り組み

冒頭でもあげましたが、市内であれば自転車の方が、バスや電車より移動が楽というのは住民としてとても実感しています。雨や雪でバスや電車の遅延はあっても、自転車道路が整備されているため、自転車での移動は遅れない、などのほか、早朝から空いている自転車屋がたくさんあり、途中でタイヤがパンクしたりしても、店で修理をたのみ、修理中に自転車を貸してもらえる、また、自転車を無料で駐輪しておけるスペースが大量に確保されている、など街の包括的な取り組みが、利便性をあげていると実感しています。

写真出典:UIA Dansk Arkitektur Center






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