35節 対セインツ プレスカンファレンス和訳
セインツとしてはJWPというスーパーなキッカーを擁しての十八番の、パレスとしては苦手なセットプレーで先制を許す。しかし、前半の中頃以降から相手のプレスを空転させるとエゼの怪我復帰後の初ゴール、ザハのアディショナルタイム弾で劇的な勝利を収めた。
ヴィエラはこのゲームをどのように振り返ったのだろうか。
試合結果は満足ですか?
本当に満足している。前半こそ0-1で折り返したが、内容では決して劣っているわけではなかった。だが、結果を受けて、後半はもう少しテンポを上げようと選手たちには伝えた。
その後、2ゴールを決めることができた。選手は指示したことを高いクオリティで実行してくれて嬉しい。また、指示した内容だけでなく、選手たち個々の質、パスの精度も含めアウェイの地で本当に良いプレーができた。勝ちから遠ざかっていたところを立ち直って逆転勝利してくれたことをとても嬉しく思う。
ザハはベンチからのスタートでしたね?
リーズとの試合は我々、特にザハにとって1つの区切りであった。いろいろな意味で切り替える必要があったが、ただのターンオーバーで、はなから後半から起用するつもりだった。
ザハに限らず言えることだが、選手にとって、我々はチームであるということを理解し、チームメイトを信頼することが重要だと思う。クラブにはザハやエゼといった才能あふれる選手がいるが、彼らだけでなく皆が試合において重要な役割を担っている。
そしてもちろん、ザハが起用に応えて決勝ゴールを決めてくれたことはチームにとって本当に多くのものをもたらした。
エゼのゴールは喜ばしい瞬間でしたか?
エゼにとって本当に長い道のりだった。7ヶ月もピッチから離れるというのは本当に厳しいものだからこそ、私も彼のゴールを喜ばしく思う。
彼は本当にフットボールを愛している。ピッチに立つことが好きで、試合に出ることが何より好きな男だ。だからこそ、彼はスタメンに選ばれず、プレーもできず、チームに関われないことに不満を募らせるという難しい時間を過ごしていた。
そんな中でここ数試合、多くの時間をピッチ上で過ごしたことは彼にとってもポジティブであったし、このレベルのパフォーマンスをする準備ができていた。
復帰後も彼をなかなか起用しなかったのはあなたのマネージメント計画通りですか?
エゼにとっての優先事項は、時間をかけてでもベストな状態で復帰してもらうことだった。メディカル部門と共に本当に緻密な復帰計画を立てたし、彼の負傷を悪化、再発させたくなかった。
エゼはおそらく復帰まで思ったより長くかかってしまったと言うだろう。しかし最終的に重要なことは何の違和感もなく試合を終えることであり、毎試合90分間プレーできる状態にすることだ。だからこそ、エゼを今日の状態に持ってくのに時間を要したことに何の不満もない。
選手の復帰に重要なことは急がないことですか?
重要なことは優先事項を見誤らないことだ。そして、メディカル部門と密にコミュニケーションをとり、再発、悪化を防ぐことも重要だ。だから、エゼが戻ってくるために最良なプランを組んだ。
彼の状態を毎週、押し上げ、U23で数試合プレーさせたことも計画のうちだ。そして現在、彼は毎週スタメン争いをする準備ができており、1週間に2試合プレーすることができる状態にある。だから彼が時間をかけてでも現在の状態に戻ってきてくれたことを嬉しく思う。
今日の選手たちから何を学びましたか?
ハーフタイム中のドレッシングルームにはポジティブなエネルギーで溢れていた。彼らは前半の内容は0−1に値するようなものではないと捉えていたし、スコア以上の出来を実感していたからだ。そして、後半には勝利の余地が十分にあると強く信じていた。ドレッシングルームでは本当にいい精神状態で、後半に最善の状態で試合に入りたいと思っていた。
多くの時間ボールを握ると同時に、ポゼッションの優位をうまく活かせなかった。しかし、常に試合の中には勝つためのチャンスが転がっていると感じていた。ボールをうまく動かし相手を揺さぶれたし、よく守れた。3ポイントに値すると思っているし、アディショナルタイムにあのような形で勝つことができて、選手も私もとても満足している。
ピッチ上で信念を表現できて満足ですか?
信念にも自信にも満ち溢れていた。私にとって重要なのは、選手たちが取り組んでいることを理解しながらプレーすることだ。試合をするにあたって、ただ単にいいプレーをし、高い支配率を維持し、チャンスを作り、楽しみながらプレーすることだけでは完璧とは言えない。
ポゼッションを握りながらボールをうまく動かせている時に関しては、まだ最後の質の部分で足りない点があるし、これは残りの試合、そして来シーズンに向けて改善していかなければならない。
選手たちにはハーフタイムにどんな声をかけましたか?
アタッキングサードでのプレーに関して、「綺麗な形にこだわるのではなく手段を選ばずにいこう。ラストパスは丁寧に。ゴールを決めるためにチームメイトを確認しながらボックス内でいいポジションを取り続けよう。」と伝えた。
右サイドからクロスが上がり、エゼがボックスの中に入ってきたのはより多くの選手ボックスの中に入ってくるように指示していたからであり、エゼは期待通りの素晴らしい仕事をしてくれた。
ザハの決勝ゴールについてお聞かせください。
ザハはボールを持った時、本当に強くしなやかで、うまくゴールを扱うことができる。彼はゴールを決めたいと言う野心と共にピッチに出ていき、チャンスをものにした。この勝利は、特に日頃の取り組みに自信と信念を与えてくれるもので、本当に勝ててよかった。
(カルヴィン・フィリップスの「ザハはダイバーだ」発言について)ザハは今日のゴールでフィジカル面での強度を示し、そういった意見が間違っていすことを証明しましたよね?
誰が向かってこようと全く心配はしていない。ザハはファイターで、彼は自身の足元の技術に自信を持っているし、私としても彼のスタイルを貫いてほしい。
彼は我々の中でのトップスコアラーで、常に勝者だ。どんなスタジアムでも一貫性を持ってプレーすることができる。その点はあなた方も同意できるだろう?
終わりに
エゼのゴール、今シーズン初の逆転勝利などトップハーフフィニッシュにむけて弾みがつく一戦となった。インタビューでは触れられていなかったが、今までの文脈を踏まえると今節のスタメンは、単なるターンオーバーだけでなく、来季に向けて誰を残し、誰を主力として据えるのかのテストも兼ねていたのではないかと個人的には推測している。
次節は元指揮官ホジソン率いるワトフォード戦。向こうはこの一戦に負けると降格が大きく近づくだけに、激戦となることは必至だ。
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