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【2023年4月】先月の市場振り返り。信用不安があったのになぜ!?

このNoteの目的

マーケットデータは日々更新されていき、イベントも次々と起きていくため、起きる事象を一つ一つ追っていくとどうしてもニュースが伝える温度感の影響を受けてしまって、直近起きた事象に過度な重みづけをした現状認識をしてしまいかねないため、毎月の定点観測を記録することで定期的に市場をみる視点をリフレッシュさせることを目的に毎月更新します。

ニュースをみて過度に悲観・楽観に寄ってしまっていないか、直近数ヶ月のNoteを見返して平静さを取り戻せるように意図しています。

米国株セクター別騰落率

3月のS&Pのセクター別増減率は明暗くっきりNASDAQ系が大きく上がった一方で、Financialsは銀行の信用不安を受けて大きく下落注目すべきはあれだけ大きな銀行の信用不安が起きたにもかかわらずS&P500は全体として上昇しているということ信用不安は明らかにマイナス事象なのに前より上がるのはなぜ?

米国のセクター別騰落率をさらに詳しくみていくと、11%以上下落したFinancialの中でもBanksが20%近く下落していることがわかります

信用不安の震源地であった銀行株が落ちるのはよく分かりますが、気になるのが海運や航空も10%前後下がっているというところ。これらは過去1年だと20-30%も下落している

全世界の国別騰落率

3月の世界各国の国別騰落率
これをみると3月は多くの国でプラスを記録している

銀行の信用不安があった月だというのに(全世界に影響が起き得るというのに)株価はどこ吹く風

株式市場の中でのセクター移動はあっても、株式市場から撤退する動きは見られない。

3月は興味深い動きをした月でした

インド株式騰落率

3月のインド株騰落率

インド株は全体としては横ばいの月で、セクター別でみても大きな特徴がみられませんでした。

年初来の騰落率をみるとEnergyやUtilitiesなどエネルギー関連株が大きく下げており、コモディティ市場の下落と整合的な動きをしている状況

次の成長市場であるインドは注目したい

米国債のイールドカーブ

3月はイールドカーブの形状に大きな変化がありました

現在は短い期間においても逆イールドが起きている状況で、銀行の収益体質が悪化していくことを示唆しています

金利水準自体は銀行の信用不安で軒並み下がっているのも特徴

改めて1年前と比べるとこの1年がいかに激動だったかがわかります

コモディティ騰落率

3月のコモディティ騰落率

3月は貴金属が9%近く上昇した月になりました。背景には信用不安により資金退避とドル安、実質金利低下があるとみられます

一方で大きく下がっているのはエネルギーで天然ガスは1ヶ月で27%、年初来で52%も下がっている状況

景気減速を示していないか要注意




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