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【2023年4月】金を使った資産獲得方法

2023年4月のマーケット状況

  • 逆イールド状況継続

  • PMI最悪水準

  • 貸出基準悪化継続(さらに3月に銀行信用不安発生)

  • 株価は大きく下落せず

  • 雇用統計も強い

2023年4月時点では先行指標は悪化しているが、株価は維持されており、遅行指標ではまだ悪化傾向がみられていない状況。今後景気悪化が見込まれており、そうした意見も多いが、株価が落ちないために強気な意見も見られるところ。2022年の逆金融相場が終わり、逆業績相場前の中間反騰の時期にあると想定される。

常に暴落リスクを負うこの時期は株はチキンレースだと考えられるため、より安全でアップサイドが望めるものに投資をしたいところ。
この条件を満たすものは金と金に連動して上がる金融商品だと考えられる。

2005年以降の金価格推移(月足)

2005年以降の金価格推移をみると、大きく上がるケースが2つあります

①実質金利が下がっていく期間
②1年後に金利が下がると予測されている期間

①は基本的に景気が悪化して債券が買われるか、国が景気刺激のために金利を低く抑えている時期で、いずれの場合も景気が良いとは言えない時期にあたります。
②はその時点での景気が悪化しているとは言い切れませんが、1年以内には景気が悪化して金利が下がっていくと予測されている時期で、マーケットが景気悪化を予測している時期と言えます。

そして、この時期の金価格の特徴としては、12ヶ月移動平均線を下回ることが基本的になく、RSIが70を超えている期間も珍しくない

2007年から2008年の金価格推移(日足)

FF金利が一定になり、1年後の金利下落が予測され始めたころから金価格が上昇を始めています。しかし、本格的に金価格が上昇するのはFF金利が下がり始めてから。
株価のように将来予測に基づき動くというよりは、実際の金利に連動して上がっていくのが特徴的。
1年後の金利下落が予測されている期間に金価格が大きく崩れる危険性は低いので、この期間に金を買い集めてFF金利低下の際に利益を大きく取ることが基本路線として有効。
ボリンジャーバンドの-2σにタッチしたところで買う分にはそこから大きく下がる可能性は小さい。

2007年から2008年の金価格推移(週足)

この金価格が強い時期の特徴は週足でボリンジャーバンドの-2σにタッチする機会が非常に限られるという点。
もしボリンジャーバンドの-2σにタッチするようであればそこから下がる可能性は非常に限定されており、リスク・リターンの観点からは非常に望ましい買い場になると考えられます。
中長期に金価格に追い風が来ている中でボリンジャーバンドの-2σ付近まで落ちる機会があれば大きく買っていくと勝率が高いと想定されます。

12週移動平均を下回ったら買いで、売る機会はほとんどない時期になります。

2008年から2012年の金価格推移(日足)

この時期は金利はすでに低下し切っているのが特徴。債券マーケットでは1年後の金利上昇予測が根強かったですが、結果として金利はずっと低位で推移していた時期にあたります。
注意すべきは株式市場と異なり1年後の金利予測ではなく、実際に金利が動くまでは金価格が大きく動くことはないという点。

1年後の金利上昇予測をトリガーに行動を起こすと、価格上昇に乗れずに早期撤退してしまうリスクがあるため、実際に金利が上がり始めるまでは辛抱強く残り続けて利益を大きくすることが求められます。

2008年から2012年の金価格推移(週足)

この時期は、12週移動平均を下回ることは珍しく、そのような機会があれば積極的に買っていって問題ない時期。
RSIが80を超えると流石にその後は下がる傾向があるため、12週移動平均を下回ったら買い、RSIが80を上回ったら売りという意識でいるのが良いと思われます。

2018年から2020年の金価格推移(日足)

FF金利高止まりから下落の時期で、2007年から2008年の時と似た状況のマーケット環境になります。途中でコロナショックが発生しており、その点は特殊ですが、それ以外は2007年から2008年と似ています。

特徴はやはり金利下落が始まってから金価格の本格的上昇が始まるという点です。金利下落が予測されている段階から下落リスクは低いですが、本格的に上昇するのは金利下落が開始してからとなっています。

2018年から2020年の金価格推移(週足)

この時期は、12週移動平均を下回ることは珍しく、そのような機会があれば積極的に買っていって問題ない時期。これも2007年から2008年と同じ。
金利が下がり切ってRSIが80近くになるタイミングがあれば、その後の価格上昇は限定的なので売却を検討しても良い時期と言えます。
金利が下がり切って横ばいになるのを確認してからでも売却が十分に間に合うので、焦って早く売ってしまわないように留意すべきと言えます。

さらなるアップサイドを狙って

金価格に連動する金融資産をうまく使えば、金に投資するよりも高いリターンを得る方法は存在します。
それが金鉱株ETFと金鉱株2倍ブルETFです。

金鉱株は金鉱山を運営する企業のETFで、金価格が上がると利益が大きく上昇することから金にレバレッジを掛けたような値動きをします。
2倍ブルETFはさらにその値動きを2倍にするので、金に対して4,5倍のレバレッジを掛けたような価格推移をします。

こうしたボラティリティの高い資産を検討する際に注意すべきことは、リーマンショックやコロナショックなどの大きなショックに巻き込まれた場合には、その後価格が回復しても金から得られるパフォーマンスよりもかなり小さなリターンしか得られないということ。
ショックの際の下落幅が金が10%から20%程度で済むのに対して、金鉱株ETFは30%~50%の下落になり、金鉱株2倍ブルだと60%から90%超の下落になるため、その後金価格が回復しても、リターンを得るのは難しくなります。

ショックに巻き込まれることを回避することを最優先に、短い期間で高いリターンを得ようと運試しをするのであればこれらの投資対象も検討できます。

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