【読書メモ#4】「昔話と日本人の心」 河合隼雄著 (1982) 岩波書店
日本におけるユング心理学の第一人者・河合隼雄先生の「昔話と日本人の心」にチャレンジしました。
正直、凄いです。
日本人の精神性、つまりは自我を昔話から紐とき、分類し体系化。
しっかりと腹落ちする考察にいたった過程には相当の仮説・検証のプロセスを繰り返したことが容易に想像できます。
手書きメモ①
こちらは課題設定です。
ここにあるように河合氏は当書を
「ユング哲学・心理学に忖度・配慮することなく、日本人のアイデンティティの考察に対して自分の意見を大胆に述べさせていただいた」
とあるようにその決意のほどが読み解ける。
【エッセンス・要するに】
要するに、
「多様性の内包、受け止め、共存、つまりは全体性をもっていることが日本人のアイデンティティなのである」
と河合氏が述べたかったのではと理解しました。
全体性とは、
「異なるもの、悪いものを排除するのではなく、そのものもあるがままに取り入れ、受け入れること」
の姿である。
この書物は1982年発刊。
この現在のダイバーシティの時代を予見するかのような、
いやまさにダイバーシティな社会の臨む我々への手紙のような分析。
詳細は以外である。
それぞれの昔話から考察されるひとつひとつの内容も奥が深い。
最後、河合氏は、これら各章で紹介してきた内容は、それぞれが単独である事象ではなく、複層的、連続的。
まるで交響楽団の演奏のようなかたちで存在すと表現している。
【まとめ】
・河合氏渾身の一冊であることは否定できず、日本人の精神性・人間の本質を知りたい場合はぜひオススメであります。
・親子関係、男女関係で悩むかたも読むと解決のヒントが得られる示唆に富んだ内容と思います。
・とにかく昔話の奥の深さ、文化と切っても離せない存在であるこを再認識します。お子様に昔話をする前にぜひ学んで見てください。
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