素晴らしき記事の引用から 孫子野球10 「0アウト一三塁の守備〜単純化のススメ〜」



こんばんは。cozyです。

本日はNaoki Kawakamiさんの記事から、
0アウト一三塁の守備を考えてみたいと思います。

まずこちらの共有した記事、ぜひご覧ください。
プレーヤーの視点から、大変実践的に一三塁の守備における二遊間の心構えが説かれています。

特に
「0アウト一三塁はホームアウトを重視、1アウト一三塁はゲッツーチャンスを重視」
という点はセオリーとも言えるポイントです。
(さらなる細かなケアの仕方も書かれています。ぜひご覧ください。)


今回、私は特に
0アウト一三塁にスポットを当て、
Kawakamiさんのいう

「ある程度プレーに比重を持たせることで守りがシンプルになり守りやすくなるという考え」

に着目しつつ、自分も共に勉強したいと考えています。


まず、このケースでは、

ファースト・サード → バックホーム
セカンド・ショート →中間守備で打球により バックホームorゲッツー を判断

と指導されることが多く、ほとんどのチームはこのように動きます。

しかしKawakamiさんが指摘しているように、
セカンドショートが、「中間守備」を取り、2つのプレーをケアすることは、
どっちつかずになるというリスクを背負います。
中間守備からセカンドショートがホームアウトをとるためには、
・40m弱の距離をクイックモーションで投げ、ストライクを投げなければならないし、
・守備位置を前目に設定した場合はそもそもゲッツーを取るためにセカンドベースに入ることが困難になるから
です。

得点を最小限に抑え、試合の主導権を相手に渡さないために
今日皆さんに提案したいことは、

「0アウト一三塁の場合、どうしても1点を防ぎたい場合を除き、ゲッツーが取れるならゲッツーを取ったほうが良い」

ということです。

それは孫子のいう

先ずその愛する所を奪わば、即ち聴かん
(敵の最も重視しているところを奪うことだ)

という考えに則っていきます。


先ず皆さんに検討してほしいことは、
「次の打者のランナーケース」を考えた場合、ホームアウトとゲッツー、どちらを試みられるのが相手にとって厄介であるか、
です。

このケースでは三塁ランナーはホームへ突進します。
突進した場合、

①三塁ランナーがゴロスタートを成功させ、ホームクロスプレーの末セーフ(1点取得、0アウト一二塁でリスタート)
②三塁ランナーがゴロスタートをするが、ホームクロスプレーの末アウト(1アウト一二塁でリスタート)
③三塁ランナーがゴロスタートするが、ホームへスローされた後に三本間で停止、ランダウンプレーになりアウト。(この場合ランダウンプレーの経過時間により1アウト一二塁、一三塁、二三塁のいずれかでリスタート)

となり、得点できない場合でも最低1アウト一二塁以上で次打者を迎えることができるので、「チャンスが継続するから」です。

一方、三塁ランナーが停止した場合、
①ゲッツーが成立し、2アウト三塁となる。
②ゲッツーが試行されている間に3塁ランナーがスタートを判断しホームへ。1点成立し、2アウトランナーなし。

となります。②で1点を取れる可能性もありますが、上記のように突進した場合と比べてその後のランナーが
1アウト一二塁 vs 2アウトランナー無し
となります。

次プレーの得点期待値(鳥越規央氏 著「勝てる野球の統計学」より)は
0.905 vs 0.091
となりますので、
突進すれば1点取れる可能性がある上、2点目も期待できることがわかります。
ホームアウトで1アウト目が取れることは嬉しいことかもしれませんが、ピンチが継続すること、ランナーが複数溜まることはそれだけ主導権を握りにくくなると言うことです。

それであれば、相手は「ホームに投げてくれる方」が嬉しいのです。
孫子の言う「愛する」ものが三塁ランナーではなく、一塁ランナーであり、バッターランナーであることが分かるはずです。

それであれば、わかりやすく、ゲッツーを狙いましょうと提案したいのです。
よって守備位置は、「ゲッツーが取れる」中間守備で固定する。
そして1アウト目を二塁で取り、ゲッツーを狙う。これが失点を最小限に抑える最善主であるといえます。。

もちろん、Kawakamiさんの言うように弱い打球の対応は依然として存在します。
サード・ファーストはホームアウトを取ることで切り抜けるしかありません。
それではセカンド・ショートはどうか。
できれば二塁でアウトを取る、という対応を練習してみてはいかがでしょうか。

1失点は大きいものですが、ビッグイニングにならなければ試合は崩れません。
特にリードしている展開であれば、アウトカウントを稼ぎ、相手のチャンスを摘み取ることに専念していく。

これも1つのプレーセレクトの「単純化」につながるのではないでしょうか。



本日もありがとうございました。
重ね重ねではありますが、
今回一三塁を考える着想をいただいたkawakami naokiさんの上記の記事に心より敬意と感謝を表します。ありがとうございました。

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