#079【絵本】しろいやみのはてで(あらしのよるに特別編)
今日もほっこり絵本の世界へ📚
記録として感想を書いています。
今日の絵本
『しろいやみのはてで』
(あらしのよるに特別編)
作/きむらゆういち
絵/あべ弘士
発行所/講談社(2004年)
この絵本のテーマは・・・
著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。
私なりに感じたこの本のテーマは、
【友達への思いやり】
【生きるということ】
私が感じた事
特別編があるの、知りませんでした。
これは、
第6話『ふぶきのあした』の雪山の洞窟での場面。
飢えと冷えをしのぐためお互いの体を寄せ合って
ふぶきが止むのを待つガブとメイが、
それぞれに心の中で思い出すこれまでの話です。
絵本にしては、ちょっと深い~。
出会った翌日ともだちがオオカミだと知るメイ。
もうここでがっかりさせてしまうかもしれないとガブの気持ちを気遣っています。そして、自分が目の前の現実を創っているということが分かってますね~!すごいヤギ(笑)
ガブは常に葛藤しています。
大好きなともだち。
でもヤギはガブの大好物で、お腹もすくのは事実!
欲望と理性の間で行ったり来たりして、その度に自分の頭をポコポコ叩いて自制します。すごいオオカミ(笑)
ひみつのともだちが出来たことで、
心の中がいつもぽかぽかしていたり、
友達に自分のお気に入りを見せたかったりするのは、
私たちにも共感できるところ。
この絵本は、幼児というより小学校中高学年くらい少し大人に近づいている子どもたち~が読むのにいいかもしれない。
メイの母親がガブの仲間のギロにやられてしまったことも、ここで明かされています。
同じオオカミであるガブを嫌いになったことも。
シリーズでは書かれなかった心の内は、
より一層本編に深みを持たせます。
ともだちを裏切れば、
自分は殺されることはない。
仲間のいうとおりにすれば、
今までどおりで、楽。
でもともだちとは一緒に居られない。
生きるということを、二人は真剣に考えて選択する。
そして今、吹雪のふきやまぬ山の洞窟。
このままここから出られず、
食べるものもないまま死んでしまってもいい
と思うメイ。
それ位、二ひきは同時に今までを振り返り、
しあわせを噛みしめていた。
このあと、
さらなる試練が待っているとも知らずに・・・。
いやぁ深かった。
この特別編を読めば、よりこのシリーズがただの友情ごっこではなく、人の心の中を、生きるということを、しっかり考えて作られた物語だと分かります。
そして本編最終話の第7話へ続く。