"楽しい"親子英語教室に参加した
近所の子育てイベントを開催しているスペースで、「英語の絵本にふれて遊びましょう♪(0〜3歳向け)」というイベントがあった。のちに知るが、何十年も続いている、某子ども向け英語教育サークル(研究所みたいな名前の)の活動らしい。
参加費1回1000円。しかし、私は二度と行かないと思った。「子供の習い事としての英語は、身につきにくい、コスパが悪い。」と言われるが、残念ながら、そう言われる理由がわかった気がした。以下は辛辣なレポートである。
アクテビティに説明がなく、唐突に始まって唐突に終わる。
全部で5〜6個のアクテビティをやった。
●英語の歌("row, row, your boat")に合わせて、親子で一緒に踊る。
●様々な色の風船を散らばして、特定の色の風船を取るゲーム
●天気が書かれたサイコロをふって、出た天気をいう。
●英語絵本の朗読を聞いて、劇を一緒にやる。 など。
...が、こういうフレーズがありますとか、そういった説明は一切ない。突然始まって、英語のCDを聞いた後、日本語で指示出しして何かをやらせるといった感じだ。
非常に残念だったのが、講師の指示も全部日本語だったことだ。いたたまれなくなって、私は子供に"Which balloon is red?"など簡単な声かけをしたが、そういうレベルのフレーズすらない。
そして、3歳以下向けなのに、十分な説明もなく劇をやらせるなど、年齢に合っていないことをやるので、子どもたちも意味がわからず、自由に他の遊びをしはじめる。(ただし、楽しそうにはしている。)
特に英語絵本の劇など、日本語で一人芝居をやっている講師に、親が調子を合わせる展開に、私は途中で帰りたくなった。
CDの音源が悪い。日本語と英語が交互。
絵本の朗読やアクティビティの前にCDで英語をかけたが、効果音が大げさで、聞き取りにくい。そして、英語の音声のあとに日本語訳が流れる。小さい子の英語学習では、英語と日本語を混ぜることは基本的に推奨されないので、これには少し驚いた。
日本語をベースにして英語を理解するのであれば、このアプローチは理解できる。しかし、その場合には、英語で何を言ったか、細かく説明することが必要だと思うが、そういった様子もない。英語に続く日本語訳で内容が理解できてしまうので、「英語がわかった気になってしまう、英語にふれて満足する」印象があった。
総じて、「英語を身につける」という意味では、プログラムの出来は良くないと感じた。
講師の英語のレベル
お世辞にも、講師の英語の発音、語りかけ(ほとんどしてない)のフレーズのレベルともに、あまりよくはない。
ただ、本当に英語が流暢な人は、安価な子ども英語教室の先生ではなくて、商社や高校の英語教師など、もっと高給取れる場所で勤務しているケースが多いので、あまり期待しない方がいいのかもしれない。
プログラムがいいと思って参加している人は、確かにいる
厳しい意見を連ねた。が、会のあと、継続して参加しているお母さんに声をかけられたので、その声を紹介する。
その30代半ばのお母さんは、自身が子どもの頃にも、このグループの活動にお世話になったリピーターだそうだ。
「楽しい記憶がいっぱいなんです。ホーム・ステイの受け入れがあったり、大学生のお兄さんたちと遊んだりするイベントもありました。自分の子どもたちにも、経験させたくて入りました。」
どうも、自身が子どもの時に参加してよかったから、英語を身につけさせるというより、豊かで楽しい経験をさせたいと思ったらしい。1歳の末っ子を、私が体験したクラスに参加させていたが、上の小学生の兄弟も参加しているようだ。
「継続して参加すれば、確かに子育て仲間ができたりするだろうなぁ。」と、私も感じた。むしろ、逆説的ではあるが、子どもの英語の出来を気にすると、かえって子ども同士を比較して、仲良くできない可能性もあると気づいた。それは、どこに価値観の重きをおくかの問題だと思う。
なお、「英語は身につきました?」という質問に、「英語が嫌いには、なりませんでしたね。」という回答だった。
これは(英語できると言うと自慢っぽいから、謙遜のために言うのをやめとこう)という意味なのか、(英語が身につかなかったというと、プログラムの悪口になるから言うのをやめておこう)という意図なのか、私にはよくわからなかった。
最後に追記しますが、私が参加したのは3歳以下のクラスなので、これより年齢が上のクラスの質、全体的な講師の質についてはわかりません。何十年も続いている活動であることを考えると、おそらくいいところもいっぱいあるのでしょう。
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