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算数わからない!実は…!!の続き

学習支援で得た知見を基に色々書き始めて19回目です。
 先週に引き続き 先日学習会で またまたこんな質問が…
「クラス対抗のドッジボール大会があり 私達のクラスは勝率0.6と発表があり 後で総試合数は15だと知りました。では私たちのクラスは何勝したのでしょう?」という問題をどう解いたらいいのかわかりせん。教えてください。
 小学校六年生の算数問題ですが、生徒と話をしていると 漢字は読める!けれど一つ一つの言葉をつないで 文章全体の意味がつかめないということがわかりました。
 つまり 算数ができないのではなく 前回とは異なった意味で問題文が読み解けずに どうしたらいいのか見当がつかないということです。
 前回は漢字が読めないという躓きについて書きましたが 今回の生徒は漢字の読み書きはできるけれど 言葉のつながりがわからず文意の読み解きができないのです。
 生徒の日常生活で出会う言葉は圧倒的に「聴く」状況で 「書かれた」文章に慣れていないため どの言葉がどこに関連しどうつながるかを想起できないのです。ある程度の言葉のつながりは「文法」で処理できますが国語の文法は もう少し上級にならないと学習しないし 論理的に文章を解析するというより 直観的な読み下し力の不足が理由で このような事件が おきるようです。
 日本で教育を受けるには その内容を理解できなければ せっかくの学習機会を逸してしまうのは 以外に気が付きづらい国語を通じての「躓き」原因です。 
新聞をとらない家庭が増えていたり ビジュアルイメージが先行するメディアに囲まれていると 子どもたちと「文字」とが触れあう状況が生まれにくく「漢字嫌い」から「国語嫌い」を発生させてしまうことになってしまいます。
 具体的には 下記のような症状が見受けられます。
①漢字が読めない。
②言葉の意味が解らない。
③短文でも 言葉のつながりがわからない。
④文章の序列が理解できないため 長文の意味を把握できない。
⑤なので 5W1Hという作文上の大原則なんて 思いもつかない。
⑥文章は何のために書くかを理解できないために 自分が読める文字を書く。
⑦結果として 自分の考えをまとめる事に苦労しており 感想文が不得手。

 こうした状況は いわば機会を与える側の問題でもあります。
 興味を引きそうな部分から 少しでも「文字文化」に触れられるようにする必要がありそうです。
 その上で自分の言葉を持てるよう導かないと 永遠に問題の解決には至らない怖さがあります。

追記:例題にした問題は比例問題で 下記のように考えます。
 全勝の場合:クラスの勝率=1:0.6…①
 全試合数:クラスの勝ち試合数=15:x…②
 ①と②は同じ意味だから 1:0.6=15:x…③
 ③から 左辺の1と右辺の15は同じ意味で また左辺の0.6とxも同じ意味なので 右辺は左辺の15倍になる
∴ (0.6×15)/1=9
Ans:9回
どうか 子どもたちが自発的に学習意欲を持てるよう ご協力ください。

14 JULY.2021.ARAI