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「一切合切、二の打ちいらず」の話

今年は「一切合切、二の打ちいらず」という作品で
子供の頃から目指してきた漫画家商業デビューができた年でした。
有料でしたが読んでくださった方々、ありがとうございます!!


現在ピッコマ先行で配信中です!
https://piccoma.com/web/product/149826?etype=episode
各電子書籍さんでも2話まで配信中。
来月には最終話が更新される予定です!
よければ読んでみてね!


というわけで長文始まるよ!

「一切合切、二の打ちいらず」主人公柳子(左)とマル(右)




色々至らなかったところもあるかもとも思ってしまいますが
今できる力で勢いもありつつ精一杯やったと思います。
むしろ勢いで作ったからこそ出来た漫画だったかもしれません。


企画を作り始めた時、昭和の夜の道の暗さ、いかがわしさなど昭和の夜の世界の話に興味が湧いていることを編集さんに伝えて、そこから話を考えていきました。

スナックで働いてた案の時の柳子

主人公の柳子は最初はスナックで働いてる女の子でした。
次に娼館で働いてる子になり、でもそれだと風俗に疎い自分には取り扱うテーマとしては重くなりすぎて、
色々あって普通の子になりました。


マルは最初「ハナ」という名前だった

マルは一番最初おばあちゃんで提案してみましたが今回の話では若い方が、との事で今のキャラになりました。


企画初期にすぐ固まったマル


自分がセクシーで堂々としたかっこいい女性が好きなのもあり、マルはいつの間にか結構な巨乳になっていました。
設定画の時はあまり気にしていなかったのですがいざ漫画にして動かしてみると、マルっぽいかなとシャツの前をなんとなくはだけさせたのもあり
終始おっぱい大暴れとなりました。

はだけすぎでは

↑1話でこのカット描いた時、作者ながらになんかすごいキャラになったなと思いました。
なので、2話ではそこを更にいじってみました。
2話の最後のページを思いついて編集さんに感想を求めたらすごいなと思ったとの事でガッツポーズでした。


キャラデザが大体できて、雰囲気を掴むためにお試し漫画を描いてみたりもしました。


敵役の畔上は企画途中で浮かび上がってきたキャラクターで
最初はピーキーブラインダーズというドラマに出てくる主人公の兄役の人をモデルにデザインしてみたりしていましたが
もうちょっと誇張して悪魔感を出そうとして決定稿の顔になりました。


旧畔上


畔上決定稿




初連載で色々手探りな作品でした。
今でも自分自身この作品を消化中なところがあります。


最初は5話連載くらいの話でしたが色々あり締め切りが早まったため
急遽全3話にして、それまで作っていた話ではなく主役キャラクター2名はそのままに新しい話を一気に編集さんと考えて組み立てました。
と言っても1話のプロットができた時2話、3話はぼんやりこんな感じ、というくらいでした。


企画最初期柳子


自分的に印象的だったのが、
編集さんと最終話のネームの打ち合わせを重ねていた時、
一度編集さんが「大体いいんじゃないでしょうか」とokが出たのですが
初めて自分の方から「もっと直せるところないですか」と食いつきました。
長いこと、編集さんとの打ち合わせでダメ出しをされるとしょうがないとはいえいつもダメージを受けていたものでしたが、一緒に作品を良くしているんだという認識にいつの間にか、なっていました。タイミングとか色んなものがあったのかもと思います。


色々考えすぎて、自分はもしかして気張りすぎですかねと聞いたら編集さんも
「コヨミさんはずっと肩に力が入っているなと思っていました」と言ってくださいました。


漫画作りにおける構造フェチっぽいところがあるので
構造に拘っていないと不安になりますが
同時にどこまでも拘りたくなってしまいますので
肩に力が入りすぎる原因にもなっているみたいです。


もっと成長するために拘りたい気持ちもまだありますが
あんまり拘ってない作品の方がシンプルに読みやすいものに
なってる気もしてきています。
どこを拘るか…、うーんまた考えすぎ始めてるかしら。

港町で変装してるマル、みたいなイメージで描いてみた絵

画力もなんとかしなくちゃと頑張りましたがどうだったかしら。
正直もっとなんとかしないとなとは思います。
人物などももちろん上手くなりたいし、背景は一人でやるには3Dモデルを多用せざるを得ませんでした。
半分くらいは自分で描きましたが全部を描くには睡眠時間を削るしかなく、
でもそれをするとどんどん走れなくなっていく自分がわかったのでその辺が課題な事もわかりました。


連載初期、体が動かなくなった事がありました。
休日や決まった休憩時間を設けずに延々作業をしていたので当たり前だったかもです。
それ以降なるべく週一で休日を。また50分作業して10分休むという風にしたりしていました。

最終話の頃にはだいぶペースが作れていましたが
それでも改めて昔から世の漫画家さん達が「体力が大事」と発信していたのがよーくわかりました。
でも徹夜はなかったのでまだ本当の修羅場というものを知らないと思います。

夜に急に全てが眩しくなり目が開けていられなくなった事もありました。
眼科に行きましたが完全には治らず、
今でも夜に電気の光が眩しくなるのは時々あるので夜ご飯以降は家を暗めにして過ごしたりしています。

SUMMER SONIC 2023


とても忙しかったのですが、合間をぬって大阪サマーソニックに行きました。
大好きなblurのライブが見られる貴重な機会だったので…。
編集さんも楽しんできてくださいと快く送り出してくれました。素敵な信頼関係でお仕事ができて幸福でした。
束の間の旅行もライブも最高でした。ずとまよも最高だったなあ。
あと大阪で食べたかすうどん、美味しかったよ!!


かすうどん!!


そういえば編集さんと喫茶店で打ち合わせしたり打ち上げでご飯食べに行ったのも初めてでした。
そういうの憧れてたんで毎回浮き足立っていました。
打ち合わせの度に関係ない話とかも合わせて雑談の時間を沢山設けてくださったのもすごく嬉しかったです。


うふふ


タイトルの「一切合切、二の打ちいらず」というのも編集さんが発案してくださりました。
めっちゃいいですよね。
お話を固めていくうちに僕が
「この話は映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の
クライム、コメディ、ドタバタのバランスとかが近いのではないか。」
と言ったところ、そのタイトルの印象を日本の昭和風にしたらこんな感じなんではないかと作ってくれました。
デビュー作に最高のタイトルをつけていただけてありがたいです。


僕がこういう案はどうかと言ったらそれにたくさんのアイデアをくださり、
でも最終的に僕の意向をいつも優先してくださいました。
僕との打ち合わせをいつも楽しんでくださり僕の話をしっかり汲み取ってくださいました。
本当に有り難かったです。


そして
ヘロヘロの自分を支え続けてくれた家人に感謝しています。

あんまり忙しいと側の人が見えにくくなるようです。
なんだかんだいつも体は疲れるんだけど毎晩寝る時には
「早く寝て起きて仕事がしたい!!」って気持ちでした。
つまるところ仕事が楽しすぎて側の人が見えなくなってました。
それを後で知って自分が怖かったです。
この時の気持ちはなかなか忘れないんじゃないかな…。


「コヨッセイ」の活動でずっと描いてるアンジェリカさん



現在は休暇と言いつつ主に18禁作家である「コヨッセイ」の方の活動をしております。
連載中に色々企画など溜まっていました。
と言っても来年になったらまた「コヨミギンカ」で色々動いていきたいと思っております。


長文読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします!!


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