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「人間も野菜も同じ、一人ひとりに個性がある」京都でトマトを生産する森田さんを訪ねて

Coyoriは、日本全国の厳選された66種類の「自然素材」 を原材料として使用。その一つひとつには、日本の自然と生きる人たちの 「並々ならぬこだわり」 と 「深い愛情」 が込められています。

自然素材を育てる生産者の方々の想いを届けていく 『Coyoriつづり』

今回は、『海の泥パック』の原材料に使われている「トマト」を、京都府上賀茂で栽培する森田良彦(もりた・よしひこ) さんを紹介します。

「一粒の種が命をつなぐ」 を胸に、化学肥料をなるべく使わず、環境にやさしい野菜づくりに励む森田さん。その想いを、Coyoriスタッフの川﨑と中原が聞きました。

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結局、人は食べるものによって作られている。

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京都上賀茂の地で100年以上続く農家の三代目として、京都の伝統野菜である「京野菜」を40年以上に渡り生産してきた森田さん。

Coyoriで使用している「トマト」のほかに、球形の「賀茂なす」、「聖護院大根」、「壬生菜」、「聖護院かぶ」など、1年を通じてさまざまな野菜が森田さんの農園では育ちます。その出来栄えは、京都の名だたる料亭やレストラン、ホテルからもご指名を受けるほど。

野菜づくりについて話を聞くと、 「農業は生命維持産業や」 という答えが返ってきました。

結局、人間は食べるものによって作られているんや。「キレる子供が増えた」というニュースが、よく流れるやろ。これも、コンビニが増えたりして、子供の食生活が変わってきたことが原因なんや。
だから、免疫力が高い野菜を作って、そういった 現代病を治していきたい と思うてる

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人間を健康にする野菜を育てるには、 「野菜自体が健康であること」 が一番大切だと森田さんは言います。

そのために、野菜が病気になりにくく、免疫力を高める環境を目指して、畑の土の状態、水の状態には常に細心の注意を払っています。

森田さんは、薬を使わない農業を原則としていますが、野菜も生き物である以上、成長の過程では人間と同じように、病気にかかることも当然あります。そのような場合は、薬を補って野菜自体の免疫力が上向くように手当てをしているそうです。

野菜作りも子育ても同じ 。毎日顔見て、何が不足しているか、何が多すぎるかを見極めなあかん。当然、 野菜一つひとつも、人間と同じで個性が違う 。それぞれの特性を把握する必要があるんや。 野菜と会話できなかったらダメ(笑)。

土に始まり、土に終わる

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森田さんが特に気を配っているのが 「畑の土」 。野菜づくりの基本は、土だそうです。

硝酸なのか、カリウムなのか。育てる野菜に何が不足しているのかを見極めて、土を通じて肥料を与えなければいけません。

有機物を土に入れすぎると、野菜がメタボになってしまう(笑) 。
メタボにならないように、年に一回は研究機関に依頼して畑の土を分析をしてるんや。土に栄養を与えすぎないことが大切やからな

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昔ながらのスタイルを大切にする一方で、積極的に科学的分析法を取り入れたり、研究機関と協力し合いながら、野菜のおいしさを追求されています。

現在は、農作物の改良品種を作り出す「育種」の勉強を大学でしているそうです。また、ご自身の経験をもとに、有機栽培の勉強会の講師としても活躍されています。

いい野菜を作りたかったら、野菜や自然について勉強しないといけない。 探究心を持つことが大切 だと森田さんは言います。

そもそも、虫はなんで発生するのか?植物には、なぜ青虫がなんでつくのか?そんなことを、一つひとつ全て勉強して着た。 科学を知らなかったら、有機栽培なんてできないよ(笑)

 食べてくれる人たちの「声」を大切に

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野菜づくりへの情熱が衰えることを知らない森田さんですが、農家を継ぐ前は農業は嫌だと思っていました。

当時の農業は、肥えたご(人糞を発酵させた肥料の入った桶)を運ばないといけなかったので、汚いし、臭いし、絶対にやりたくないと。

ただ、農家の家に長男として生まれたからには、家を守るために自分が継ぐしかなかったそうです。

それでも、 はじめて自分で育てた野菜のことを今でも覚えている と言います。

好きじゃない農家だったのだけど、はじめて育てたメロンのことは覚えとる。できた時は嬉しかったなぁ。もったいなくて、収穫できなかった(笑)

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そんな森田さんは、野菜を育てるだけでなく、自らの手で野菜を届けるところまでやっています。

インターネットで直販をしたり、京都の伝統的な売り方である「振り売り」という、農園で採れた野菜をリヤカー(現在は軽トラック)で近隣の家々に直接売り歩く商いも夫婦でされ
たり。今では、各地のマルシェに行き、対面販売をしながらお客さんと対話をしています。

そうして、「 お客さんの声を直接聞くことが大切だ」 と森田さんは言います。

消費者のニーズに合うものを作ることが大事で、いくら立派なことを言っても、 売れないものを作っていてはダメ というのが森田さんの持論です。

「おいしい」と言うてもらえるのが一番うれしい 。京都のいくつかのスーパーにも、うちの野菜を入れてるんやけど、こっそり見てて、うちのを買うていかはるとうれしいね(笑)。ほんで「おいしい」言うてもらえると最高や。苦労も吹き飛ぶ

取材を終えて

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野菜に優しい眼差しを向ける森田さんに話を伺ったCoyoriスタッフのふたりは、こんなことを感じました。

「一粒の種が命をつなぐ」「野菜は人間と同じ。対話し続けて、耳を傾けて育ててあげる。それはまるで我が子のよう」。お話されている内容がぶれていないことからも、森田さんの野菜栽培に対する熱い思いを感じました。

そして、野菜を栽培することにおいて、「なぜ?なぜ?」を繰り返して熱心に勉強されている姿や「野菜キャラクターのデザインまでしとるデザイナーや」と目をキラキラさせた姿、果てしない探求心にとても痺れました。普段何気なく食べている野菜の裏には、生産者の並々ならぬ努力が詰まっていて、そして何よりも野菜が"愛されている"ことを体感。

愛情たっぷりのトマト。そんな京トマトを私の大切な人達にも食べてほしいと思いました。(川﨑)
森田さんが野菜の個性を尊重されているように、森田さんご自身もとても個性的で魅力的な方だなと感じた取材でした。私の祖父も農家をやっているので農家との繋がりが多いのですが、森田さんのような方には初めてお会いしました。

栽培方法を論理的に考えて新しいチャレンジを行い続け、野菜を通して世の中に思いをはせている姿にはとても心を動かされました。

野菜のことを語る姿はとてもキラキラしていてまるで少年のような探求心を感じさせ、本当に野菜のことを愛していらっしゃるんだと思いました。こんなにも思いがこもった野菜を使った化粧品を提供できることを本当に誇りに思えましたし、これからも沢山の方に手に取っていただく為に頑張ろうと思います。(中原)


これからも、「Coyoriつづり」では、日本の自然と生きる人たちの想いをお届けします。次回をお楽しみに。

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