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「昔、秋葉原にもバスケットコートがありましたよね」 私の渋谷の廃墟を見せた彼が言う …
音の向こうに 二十歳の娘がいた 玉音放送を耳にし 何を言ってるのか 何が起こったのか …
ハッピーエンドを押し付けないで わたしから目を逸らさないで あなたが耳を塞ぐ痛々しさ それ…
終わるまでの時間をやり過ごしていた 何も感じることはなかった 「気持ちええやろ」「感じてる…
土を掘り起こし蛹を潰す 毒霧を撒き虫けらを窒息させる やってくる鳥を睨み猫を追い払う 魚の…
冥府で蹲っていると 突然手を差し出された 暗闇に現れた光 再生への密儀 触れた瞬間 温も…
汚辱に塗れた肉体を 彼は撫で浄める 特に念入りに 胸を 穢され続けた 胸を たとえそのときだけでも その夜だけでも それ以上は望めなくても 欲望から逃げたくて逃げたくて それでも逃げ切れなくて泣いて あやふやな記憶から解放されたかった 自分で決める幕開けくらいは 心から願う人に赦されたかった 赦されても 緊張が続く強張った胸に 実に慣れた右手が伸びて 何も考えずに包み込んで 胸の重さと 手の軽さが重なった 汗ばんだ夏の夜を 花火の匂
小学校6年生の冬休み最終週 朝起きるとシーツが赤黒く汚れていた がに股で階段を降りると 動…
ただひとり、穴があいたまま立ち続ける 気づいてくれたのは風だけ バランスがおかしくても立ち…
顔は奇異で世に類がなく 色白く水晶のように透明になり 声も哀雅で 聞くものはすべて…
熟田津の月夜を オルレアンの勝鬨を この身で感じる デンマークの川で フランス…