コヨーテ

コヨーテです。ときどき砂漠から街にきて残飯を漁っています。

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いつの間にか

きっとまだあるはず ふたつの残像が 照りつける陽の光 騒ぎ立てる蝉の声 水に降りる羽ばたき 立ち上る土の匂い 大木を越えていけば 川沿いに出るはずだ 気の遠くなる時を 押し流してきた 抗った人々の碑 でも僕らは先へ行く 車に乗ろう コーヒーを飲んで 大きな橋を渡る ほら塔が見えた がらがらのレストラン 親切なウエイトレス おいしくもないランチ 外を見る君の横顔 まるで僕たちしか いないみたいだ すべてがある 汗で服がびしょ濡れの 靴ひもがきつ過ぎる 完璧な世界

    • 部屋

      こんなとき僕はいつも ひとつの部屋を思い浮かべる 隅には小さな薪ストーブ 窓には水滴がついている 外から大きな音が聞こえて ソファの下に猫が潜り込む 除雪車を運転するのは 君の友だちだろう 僕はハムサンドをつくる コーヒーも入れるとしよう 僕たちはいったい どこから来たのだったか こんな寒い場所で 暮らしたことなんかないのに 外で犬が僕を呼ぶ 飛び跳ねてるんだ でも僕は出られない きっと生きては帰れない まるで夢をみているみたいだ でもこれはほんとうのこと ギシギ

      • 墜落

        ここがどこかわからない 見渡す限り岩と氷だ どうやら突端にひっかかり 今にも滑り落ちそうだ 空気は薄く朦朧とする 遠くから声がする やっときたね 手招きが見える 僕は飛んでいたはず 海と大陸を続けざまに越え 昼も夜も区別なく 誰とも交信しないままに 灯りが見える 反射はない あれはたしかに 地上の光だ でも声がした 降りてしまえば 二度と飛べない まやかしの休息だと 僕はただ 凍った翼で暗闇をいく 氷点下の空気と あの清潔な星を友として 僕は耐えた 孤独がなんだ

        • Soup

          車が通り過ぎる音を 幾度となく数える 何度も寝返りをうって あきらめる 目を閉じて想う 藍が黒へと変わる方へ 僕の影が溶けていく 水面の小舟にあなたを残し 大きく手を広げて 音もなく深く沈んでいく ああ疲れたな 舟を漕ぐのは 水鳥の騒がしい声も あなたの横顔も 僕は好きだけど でももう力がない 水が耳を押す 上下がわからない 身体を鍛えてたなんて 馬鹿みたいだ この先の奥底で 僕はスープになる あなたは海が怖いと言った どうしてと聞いたけど なにも答えなかったね きっ

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        いつの間にか

          にゃあ

          今日も日が暮れてしまった 雨音のせいでいつもより静かだ 雫で外はよく見えないな 思い出すのはあの昼間 君は小さくまるまって 腕の中におさまってる カーテンの隙間から光が漏れて 通りを人が通るたびに 部屋の中で虹が動く さびしいの?と僕が聞くと 君は何も言わないで 僕の鼻にかじりついた ちょっと痛くて大笑いした 暑い日だったね 汗だくだった 濡れた道路を見ている タイヤに乱れる青い光 遠くで猫が鳴いたような たしかにひとつ鳴いたような #詩 #猫 #にゃあ #雨 #日記

          Stay Alive

          実を言うと、今、とても悲しいのである。 これまでも、悲しみに暮れることはあったし、今もなお癒されない悲しみがいくつかある。それは僕にとってずっと背負うべき重しだ。 ただ、今僕をおそっている悲しみは、どうも手に負えそうにない。 時を過ごし、僕の背中に乗っかって僕の腰を少し折る程度のものではない。 僕はもう、この悲しみによって、潰れてしまうかもしれない。 雨上がりの朝に、道端で潰れているヒキガエルのように。 灼きつける陽射しのなかで、ぼくは淀んだ水面を見ていた。 ちいさな

          自己紹介|はじめてのnote

          特に何を書こうと決めているわけではないけれど、時には宙に向かって吐き出したいことがないわけでもないので、場所を確保してみた。 紆余曲折を経て、一応所属している組織はあるが、特に愛着があるというわけでもなく、人間関係も悪くないが執着があるわけでもない。 表面的にはそう見えなくても、心の中は浮き草みたいなものなので、常に引越ししたいとか、転職したいとかといった気持ちがある。まあ、いつも、万事うまくいっているなんて思ったこともないし。 noteで少し他の人の記事を読んでみたけ

          自己紹介|はじめてのnote

          何か書きたいと思うけれど、まだ定まらない。 今は他の人の記事を少しずつ読んでいこう。

          何か書きたいと思うけれど、まだ定まらない。 今は他の人の記事を少しずつ読んでいこう。