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サルの商売

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平成の新宿で働いていた男の回想に基づくほぼノンフィクションのフィクションです。登場人物の名前は創作です。連載ですが、どこから読んでいただいても楽しんでもらえるように書いています。
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記事一覧

サルの商売⑩|転機

そういえば2007年の冬頃だったか、俺の貸し出していたSIMカードの何枚かが初月に解約になって…

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サルの商売⑨|恒例、夏のWIRE。

職安通り沿いのコインパーキングに駐めた車を出して、横浜アリーナへ向かう道中だった。 ワン…

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サルの商売⑧|ニカイドウのオバはん

川越付近にあるリゾートみたいなホテルの一室の、まん丸ベッドの上にいた。 天井の鏡には自分…

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サルの商売⑦|女がカネを運んでくる

折井クンのところに名義リストを送れば、1人につき6台くらいFOMA回線を開通できた。プリペイド…

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サルの商売⑥|ドコモの折井くん

「アカン、しんのすけ。もう無理やわ。」 地元にいる吉村が突然電話してきてそう言った。 吉…

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サルの商売⑤|中野のキャバ嬢・アリサ

「お前の女のツレを紹介?いいに決まってるやろ。」 「じゃあ今日も店来るっていうからそのと…

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サルの商売④|マイ・カラオケ・ボーイズ

前回③ カラオケ屋のメンバーは、東京の西のほうから来ている奴らか、地方から越してきてる奴らかで構成されていた。以下かんたんなスタッフ紹介。 山口さん 店長。1児の父。この人のいうことはちゃんと聞いてた。 笹沼 キンタマササヌマ。俺の入社前に一瞬だけバイトから社員になって、またすぐバイトに戻った男。俺はコイツの替わりだったわけ。前職は金融屋。メガネと財布とウォレットチェーンがChrome Hearts、服とアクセはTenderloinというミーハー野郎だった。色黒はいいけ

サルの商売③|歌舞伎町←阿佐ヶ谷←地元

20で子供ができて結婚し、24で別れてその夏に東京へ出てきた。 東京には地元で一緒にバイク乗…

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サルの商売②|猪の助言

「目標は、もう捕まらないことだな。」 あんまり深く考えず俺はこたえた。 「それって前提だ…

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サルの商売①|やり直し

恥の多い人生を送ってきた。 地元のツレに誘われるがまま東京に出たのが24歳。 それから8年…

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