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RSGT2020に参加してきた(まとめ)

年始に東京で行われたRegional Scrum Gathering Tokyo 2020に参加してきました。
RSGTはIT開発者向けカンファレンスのひとつで、スクラム開発をテーマにしています。特徴は、”Gathering”(寄り合い?)と称されていて、カンファレンスではなく、「とにかく集まろう」という「集まり」であること。私はカンファレンス経験がほとんどないので違いはまだわからないけれど、雰囲気で言いたいことはわかる。

行ってみてどうだったか

とてもよかった。行ってよかった。元気になった。やる気が出た。なんとなく、「これからこうしてみよう」という目標も見つかった。

中でもいちばんよかったのは、開発者の人に対する恐怖が薄れたこと。
私はこれまでスクラムをやる人に対する恐怖があったんだけど、そういう人ってごく一部だったんだろうな。イベント終了時点では、私もこの仲間の端のほうにでも居場所が出来たら嬉しいと感じることができた。

みんな温かくて前向き。この空気の中に居られてよかった。

テクいお話とか、エモいお話とか、黒いお話とか、色々な話題を通じてスピーカーたちが語ったのは生き様
昨年まで学んだMBAでも、経営者の信念や生き様に集約されると感じたけど、本当によく似ていた。もはやアートの域

「これからこうしてみよう」と思ったのは「期待値をちゃんと明文化して提示・共有するって大事」ということでした。プロダクトや人など、何に関しても。
全体の感想はこのような感じで、私が参加した個々のセッションについても触れたい。まずはKeynoteから

初日のJames CoplienさんのKeynote

十牛とスクラムパターンのお話で、私が受け取ったのは、次のようなメッセージでした。
・スクラムは、学んだり、教わったりして出来るものではない。「すること」ではない。
・あなたが「どうあるか」。そして「スクラムであろうとする」
・今の自分たちのポジションを知る
・スクラムは、コントロールされた状況下の実験室。
・反省なしにカイゼンはない。失敗なくして反省はない。
・何かひとつのやり方が正しいとは限らない
・WHYの追求
・人としての和、自然との和
・リーダーシップを何から学ぶのか?人間は自然のシステムの一部。コントロールではなく「調和」
・「私たち」で考える。全体性。永遠の一部である。

「無名の質」については、私は、まだ世の中で名前もつけられていないような、あなたの中で見つけた「新しい価値」が重要であると受け取りました。

いきなりスピリチュアルなところに飛んで行って面喰いましたが、MBAで会計だと思って履修した講義でいきなりゲーテや哲学の話が出てきた体験と似ていました。
これらの共通点は、今取り組んでいることのWHYを突き詰めると、哲学的なところに行きつくということ。興味のある方は國部克彦先生の「アカウンタビリティから経営倫理へ 経済を超えるために」(有斐閣)、お勧めです。

2日目のSahotaさんのKeynote

アジャイル/スクラムにおけるマネジャーの役割とは?
結論からいうと、1日目にCoplienさんが「スクラムはコントロールされた状況下の実験室」と言っていた「実験室」を「コントロールされた状況下」にすることが役割なんだろうな。「コントロールされた状況下」はスクラムチームの中にいる人たちだけでは作れないので、チームの状況を見極めて適切に成長させていくと、繋げて理解しました。そのためにリーダーは変わっていかなきゃいけない。

そして、「ヒエラルキーをひっくり返そう」とか「ラディカルに変わろう」、「自己組織だ」、などといっても、いきなり変われると思ったら大間違いで、そんなことしたら死ぬよ、「隗より始めよ」だよ、とも強調されていました。「ティール組織」でさえ組織のヒエラルキーは残っていますっていうメッセージは、結構グサっとくる人がいるんじゃないかと思った。

自分たちがどのステージにいるのか、ちゃんと見極めることが重要。身に沁みました。

Closing keynote NEXT→ACTION

迷ったらつらそうなほうを選ぶ。(これに尽きる・・・)
色々エモくて書ききれません。素晴らしかったです。

個別のセッションについてはサクっと。。。

アジャイルコーチ活用術
「アジャイルコーチ」という仕事についてあまり知らなかったので、お話をお聞きしました。
お仕事内容や依頼にあたって考えるべきこともよくわかったし、相性がものすごく成否を左右しそうだなーということもわかりました。

みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?
成果がわかりやすいアウトプットに対して測りにくいアウトカムもちゃんと考えようというお話。アウトカムの概念を数値化して扱う取り組みは真似できそうと思った。

プロダクト生存戦略:大企業で新規事業を始めて成功させるには
「ごにょごにょ」(つまるところ、愚直に1個1個つぶしていくんだよ)の話。 ワインをおごる話。(違う)
経営共創基盤の木村 尚敬さん書いた「ダークサイドスキル」 を思い出しました。超オススメです。

リーン・チェンジマネジメント (Workshop)
フレームワークを使ったチーム変革のグループワーク。
フレームワークそのものが対立構造から洞察を導き出すところが秀逸で、みんなで感心しました。みんなでやると凄いスピードですごいクオリティのものが出来上がる。

日本にJoy,Incを創る!ぼくらのジョイインクジャーニー3年間の軌跡
不調な会社に向き合い、ES向上(カルチャー変革)で変えていった話。
自分のチームでも似たような経験をここ1年していたので、重なって泣けました。

大企業の縦割り組織の中でProduct Discovery Teamを作ってサービスをリリース出来た話
半谷さんすごすぎる。同じ会社だけど、私にはこんなことできないなー、すごい(語彙力)。こんなこと、できるようになりたい。

キャリアパス考察:開発者と動くQAテスターからチーム支援するスクラムマスターへ
自身の仕事を誇らしげに話しているのが印象的でした。QAエンジニアからSMになるキャリアパスの合理性も納得。社内のキャリアパスが見えていて、みんなでもっと良くなろうという空気のある会社。
ちょうど、その夜にこのセッションをきいてない人がテスターと他の役割の関係性に関する話をしていて、合理性について念押しされた。

【元士官が語る】軍隊組織からみる、これからのアジャイルのあり方
後輩のキムさんのお話。
軍隊の話は珍しいので面白かった。人が減る=退役だけでなく死んじゃう人もいる・・・それ前提で超保守的にバックアップをつくっていく考え方がさすが軍隊と思った。出囃子はAKB48。

10年たってやっとアジャイルがわかりかけてきた話
「全て把握した」から「チョットワカル」へのサイクルの話が好きでした。

最高のScrumキメた後にスケールさせようとして混乱した(してる)話
しくじり先生がかっこよすぎた。目線を誤るとうまくいかないよという話。チームの状況、ステージを把握して前に進もうという2日目のKeynoteにもつながると思った。成功部分の話も聴きたいです。
失敗談を共有して、背中を押す存在になれればというメッセージで、スクラムの人に対する恐怖心が減りました。

OST こちらのグループに参加しました。
・新規メンバーと既存メンバーとの間を埋める話
・大阪と札幌のスクラムフェスの話がききたい(+三河+福岡)
・アジャイルラジオ公開録音

参加したかった
・椎葉さんのセッション。スライドからは、知ってるような知らないようなことが裏側にあるお話で、聴きたかった。。。

【宣伝】プロポーザル挑戦中

クリエーションラインの安田社長のお話 「日本にJoy,Incを創る!ぼくらのジョイインクジャーニー3年間の軌跡」は会社の変革のお話ですが、私の現場チームも変革を体験しました。そのお話で Scrum Fest Osaka にプロポーザルを出しています。
安田さんが語られた会社のカルチャー変革の具体的な話に対して、こちらのお話は、もう少し現場寄りの「じゃあプロジェクトとかチームってどうするの?」に寄ったお話をしていきます。ぜひ共有させてください!応援よろしくお願いします。
【実録】新任リーダーが、プロダクトオーナー組織の働き方改革に挑んで学んだこと

今年もいろいろがんばって、来年、成長して参加できるといいな。
最後になりましたが、現場でお会いした方、スピーカーの方、スタッフの方、行かせてくれた会社のみなさんに感謝します。いつもありがとうございます。

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