視覚障がい者との共創。新たな価値を求めて │インクルーシブデザインワークショップ
インクルーシブデザイン
とある日、新規事業室メンバーでオンラインで視覚障がいの方とのワークショップに参加しました。白杖を持った人を見かけたことはあるけれど、話したことはない。ワークショップっていったいどんなことするんだろう?
ワークショップは3時間ほど。結構長いなと思ってたけど、あっという間。そして視覚障がいの方に対するイメージが全く変わりました。これまでは生活に不便していて、助けなくてはいけない存在かのようなイメージがありました。もちろん不便もあるし、助けが必要な時もあると思います。しかし、それ以上に目の見えるひと、いわゆる晴眼者にはない世界を持った人たちなんだと気づかされました。目が見える世界、見えない世界。どちらが良いか悪いとかじゃない。互いに違う見え方がある。そんな視覚障がいの方たちと、会社の色んなひとたちとで共創したい!牛乳石鹸の新しい商品やサービスを一緒に考えてもらいたい!さっそくワークショップの主催者であるPLAYWORKSさんに連絡を取りました。
PLAYWORKSさんはインクルーシブデザインのコンサルティングやワークショップを提供している会社です。これまでたくさんの企業に障がいの方との共創の場を提供し、さまざまな価値を創出してきました。今回は牛乳石鹸の部署を跨いだ総勢21名と視覚障がいの方5名とのインクルーシブデザインワークショップを実施することになりました。
牛乳石鹸メンバーはお客様相談室、マーケティング部、総務人事部、研究所、システム部、海外事業部と幅広い部署の方々に参加してもらいました。一方で視覚障がいの方たちもプロのパラクライマーの方やモデルの方、主婦の方、企業に勤めている方、学生の方という、こちらも幅広い方々に参加してもらいました。ワークショップは2日間に分けて実施。牛乳石鹸メンバーは5部屋5グループに分かれて、視覚障がいの方が各グループに1名がオンラインで参加。司会進行はPLAYWORKSのタキザワさんが務めます。
目が見えないってどんな感じ??
参加者のほとんどが視覚障がいの方と接点が今までありませんでした。初日は、対話を通じて障がいへの理解を深めるワークを実施。質問するだけではなく、質問を投げかけられる場面もありました。もし明日目が見えなくなると分かっていたらどうする?もし人類すべてが目が見えない世界だったらどうなる?など、すぐには答えることができなかったり、答えに詰まるものだったり。互いの質問を通じて障がいへの理解を深めました。
対話をするだけでなく、実際に目が見えない体験、アイマスクチャレンジををしました。視覚障がいの方から指令をうけます。「自動販売機でコーヒーを買ってきて」「トイレにいってきて」。これをアイマスクをした状態でチャレンジします!目隠した状態で外に出ることの恐怖!!階段は手すりがあるから意外と大丈夫!?目が見えないってこんな感じ!?
他にもグループ全員がアイマスクをした状態でお菓子が配られ、触ったり、食べたりしながら、何のお菓子かを当てるゲームするなどして、目が見えないことがどんな感じか?どんなことが困るのか?困らないのか?ワークを通じて体感しました。
そして対話やワークの中で分かったことがあります。目が見えない人と一言で言っても、生まれつきの人、そうじゃない人、まったく見えない人、光や影は見える人、見え方は人によってさまざま。「見える」と「見えない」の間にはグラデーションがあるのだと分かりました。
目が見えないひとのお風呂事情
障がいについて理解を深めたあとには、視覚障がいの方のお風呂事情をリサーチをしました。新たなサービスや商品開発のヒントがないか、実際にスマホのカメラで浴室を撮影してもらい、普段のお風呂の様子や、どんなボディソープやシャンプーを使っているかなど、たくさんの質問を投げかけました。
目が見えないとお風呂に入ることはとても大変なんじゃないか?お風呂場に工夫があるのかな?そんなことを思いながらお風呂場を見せてもらいましたが、「あれ?意外と目が見える私たちとそんなに変わらないぞ?」参加した多くのメンバーが思ったことでした。しかもキレイに整理整頓されている方が多く、どこに何があるかは目が見えなくても分かるようでした。ポンプにシャンプーを詰め替えるときが困るという人や、銭湯やホテルの浴室でシャンプーとボディソープのどっちか分からないとか、はたまた全く困っていないというお声もありました。
1日目では視覚障がいへの理解を深め、お風呂事情をリサーチをしました。このリサーチから一体どんなアイデアが出てくるのでしょうか?牛乳石鹸と視覚障がいの方との共創からどんな価値が生まれるのか?2日目へと続きます。