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限築杯Vol.2 観戦記事 ROUND1 MasaH vs なごみん ~五つの知恵と一つの力~

text by ふみ

20年の時を超えて突如開催されたインベイジョンブロック構築による大会「限築杯」は、マジックの根幹を構成する5種類の基本地形を徹底的に使い倒す「ドメイン」の優勝によって幕を閉じた。

その時に見事勝利を収めたのがMasaH。《合同勝利》をはじめとした煌びやかな呪文を次々と繰り出し、見事に栄光を勝ち取ったその姿はしばらくの間語り草となった。勿論今回も愛機「ドメイン」を携えても参戦となっている。

だが多色を嗜好するものがある一方で、単色であることに拘りを見せ、自身の愛したカラーと添い遂げるプレイヤーがいるのも事実。詳細は後ほど上がるデッキリストを確認いただければと思うが、なごみんのそれに記された《沼》の枚数は必見だ。

多と単。限築杯Vol.2はとても興味深いぶつかり合いで幕を開けることとなった。


Game1

MasaHは《森》から《地勢》で《沼》を手に入れると2ターン目には《島》をセットし《俗世の相談》、これが両者のファーストアクションとなった。さらにMasaHは《砕土》も使用し「ドメイン」の完成に着実に突き進む。

一方のなごみんは3ターン目まで《沼》を重ねると《泥沼のドルイド》を召喚。少し見慣れないクリーチャーだが、このドルイドは(緑マナを要求するとはいえ)黒でエンチャントを対策できるという、なかなか珍しい力を持った一枚である。

次に黒単色のカードがエンチャントを除去できるようになるのは、令和元年のことです


MasaH、このドルイドを前に少し考えるものの、まずはやれることをやるのみ。開始4ターンにしてしっかりと、そして当たり前のように揃えてみせた5種類の基本地形から《魂売り》繰り出す。なごみんも《アンデッドの王》で追いすがるのだがこの獣の姿はあまりに大きく分厚い。

MasaHの《集団監禁》こそは、《泥沼のドルイド》の献身的な働きですぐに対処ができたものの、使わさせられた形となってしまい、結果攻め手を減らしてしまうなごみん、苦しい立場に追い込まれてしまう。

ならば、強引に、自分の土俵に引きずり込むのみ。

《悪意ある力》を王に纏わせつつ、《呪われた肉体》で《魂売り》の身を蝕む。これでともにパワーは5。互角のダメージレースへ持ち込むのだ。


獣界の王 vs アンデッド界の王


2体の王がお互いに手痛い一撃を叩き込んだところで、更なる《アンデッドの王》を降臨させ、3枚の力を結集することで、遂に《魂売り》を超える6/6の矛を生み出すことに成功。備えとなる盾は次々と復活するアンデッドが引き受ける。そんな、なごみんの体制が整った。

……かにみえた。束の間、それを打ち破ったのはMasaHの放つスペル。即ち《連合戦略》で5ドローという知の暴力。5は3より常に多い。

そして5枚という新たなる知識を得たMasaHが繰り出した次なる行為は、文字通り「破滅」を齎す結果となるのであった。


破滅した世界に残るはただ一体の《魂売り》


MasaH 1-0 なごみん


Game2

なごみんは《沼》を3枚、MasaHが森から《地勢》で《沼》を手に入れ《島》をセット、とGame1と合わせ鏡の展開でスタートするGame2。

違うのは先手がなごみんとなっているということ。つまりは先に戦場を賑わせるのはなごみんの《泥沼のドルイド》ということになる。《悪意ある力》でこれのパワーを一気に5とすると、重い先制パンチを叩き込んだ。

受ける側に回る形となったMasaH。だがしかし慌てず騒がず、ここから完璧な試合展開を見せつけていく。まずは《砕土》でじっくりと地盤を整え、流れるように五つの力を確保。

そこから《虚空》を使用し、これで目の前の《泥沼のドルイド》に加え、《アンデッドの王》まで奪い取ると、更には《ラッカボルバー》を全部乗せで招き入れる。


5/5 飛行 魂の絆 その姿を前にして、思わず乾いた笑いが漏れる


なごみんは《虚空》で明かされた《無法の騎士》を連弾するのだが、《ラッカボルバー》は意に介さず、遥か高い上空を駆ける。

肝心の地上も騎士の進行路の前に《集団監禁》が立ち塞がってしまい万事休す。

そして……「除去!!」というなごみんの叫び声が響き渡った。


MasaH 2-0 なごみん


五色のマナを携えて、MasaHは限築杯の頂点を目指して再び走り始める。