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限築杯 観戦記事 ROUND4 kimashi vs 進藤ユウキ ~クマの進化論~

text by ふみ

古よりM:tGでは2マナ2/2相当のクリーチャーをクマと呼ぶ。今更言うまでもないが《灰色熊/Grizzly Bears》から端を発した通称であり、そこに様々な味が付加されて色々なクリーチャーが生み出されてきた。

インベイジョンは実にバラエティー豊かなクマが揃っているセットである。空を飛ぶクマ、各色のプロテクションを持つクマ、呪文を使えなくさせるクマ……その他様々。

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クマの概念が壊れる

kimashiも進藤もそんなクマを基準に周りを固めた、共に赤緑青の三色で構成されるデッキを使用している。だがその内容には大きな違いがある。kimashiが青を強めとしたBBBと呼ばれるデッキで戦場をコントロールしながら戦うう形。一方の進藤は赤に重きを置いたタッチ青のステロイド、除去スペルなどで道をあけダメージを叩き込むということを主眼としている。

進藤がいかに押し込みkimashiがそれをどのようにいなすのか、同じ色から生まれた二つのデッキのがっぷり四つを期待したい。


Game1

そんな二人が期待をかけるクマがいきなりぶつかり合った。

先方 《疾風のマングース》 VS 《疾風のマングース》
次鋒 《疾風のマングース》 VS 《カヴーのタイタン》

お互いに一歩も引かず、2・3ターンとクリーチャーを連弾しこれが相打つと、4ターン目には更に中堅《疾風のマングース》 VS 《カヴーのタイタン》の組み合わせが登場することとなった。

だがここで両クリーチャーが土俵に上がったところで、遂に先手の優位が生まれる。即ち、進藤から《ウルザの激怒/Urza's Rage》が放たれると、kimashiの《カヴーのタイタン》は戦闘前に倒れることとなり、これにより初めてのダメージが刻まれることとなる。

続いて進藤から《スキジック/Skizzik》《怒り狂うカヴー/Raging Kavu》と連発されるが、それぞれを《ウルザの激怒/Urza's Rage》《火/Fire》と凌ぎ続けるkimashi。

だがそんな抵抗は許さないとばかりに、進藤はなんと4枚目(!)の《疾風のマングース》を大将格として送り込む。土俵際まで追い込まれたkimashiは逆転の《噓か真か/Fact or Fiction》を使用するのだが、そこで捲れたのは《排撃/Repulse》と《ウルザの激怒/Urza's Rage》。これでは肝心要の目の前の癌には手を出すことができない。

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当てられないクマ

文字通り疾風のように戦場を駆け抜けたマングースがkimashiを一気に寄り切って見せるのであった。

kimashi 0-1 進藤ユウキ


Game2

第1ターンは両者ともに《シヴのオアシス/Shivan Oasis》の鏡打ち。だが2ターン目はその動きを分けた。kimashiは《ガイアの空の民/Gaea's Skyfolk》、進藤は《カヴーのタイタン/Kavu Titan》。

これでGame1のような相打ちはありえない状況となるのだが、今度は《ウルザの激怒/Urza's Rage》でお互いのクリーチャーが倒れるという結末を迎える。

kimashiの《カヴーのタイタン/Kavu Titan》に対して、進藤が《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》で排除して見せると、逆に《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》の前に魔導士が倒れる。両者ともに一歩も引く気持ちはない。

進藤は《カヴーのタイタン/Kavu Titan》を5/5とすると、対してkimashiは《噓か真か/Fact or Fiction》をキャスト。ここで《除外/Exclude》《火+氷/Fire+Ice》《島/Island》《神秘の蛇/Mystic Snake》《森/Forest》から前者3枚を手にすると、進藤の動きを待つ。

進藤は2枚目の《カヴーのタイタン/Kavu Titan》を巨大化させて召喚。

タイタン

でっかくなるクマ

だがこの2体の巨大なカヴーを前にまったく臆することなく、ノータイムで《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》に攻撃を命じるkimashi。流石にこの不気味な攻撃を訝しんだ進藤は、自らの体で受けることを選択する。

kimashiは《ガイアの空の民/Gaea's Skyfolk》をキャストすると、これと《ウルザの激怒/Urza's Rage》でカヴーの一方を打ち取り、先ほどの答えを示して見せる。だがその過程で8点という多大なダメージを受けてしまうこととなった。

《疾風のマングース/Blurred Mongoose》を追加した進藤は《ウルザの激怒/Urza's Rage》で《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》を排除するのだが、残された《カヴーのタイタン/Kavu Titan》は《排撃/Repulse》《除外/Exclude》と手札を減らすことなくkimashiが対処して見せ、更には《スキジック/Skizzik》も《神秘の蛇/Mystic Snake》で対応と戦場を掌握しにかかる。

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クマ+カンスペ=《神秘の蛇/Mystic Snake》

だがやはりしれっと出ている《疾風のマングース/Blurred Mongoose》が厭らしい存在。期待の《神秘の蛇/Mystic Snake》も進藤の火力の前に盾となることも許されない。

《疾風のマングース/Blurred Mongoose》のパワーはクマ故僅かに2。だが先に8点のダメージを受けているkimashiにとって今はこの2点がとても痛い。

期待を込めた《噓か真か/Fact or Fiction》も、見せたのは《排撃/Repulse》と《火+氷/Fire+Ice》とGame1と同様の形に。それでも5枚を掘り進むことができたためたどり着いた《カヴーのタイタン/Kavu Titan》を最後の防衛線としてを送り込むのだが

その瞬間進藤からは《ウルザの激怒/Urza's Rage》が発射された。

kimashi 0-2 進藤ユウキ


進藤、見事4連勝で予選ラウンドを折り返し。この勢いのまま決勝トーナメント進出へ突き進む。