限築杯 観戦記事 ROUND1 よしか@チームボムエッグ vs もりしょー ~復活~
text by ふみ
「インベイジョン・ブロック構築戦をオンラインイベントで行います」それを決定したときに主催の頭にあったのは、16名ぐらい集まって4回戦できればいいな、という本音であった。
しかし各方面のご協力をいただいた結果、あっという間に増え続ける参加希望者。遂には96名ものプレイヤーにお集まりいただき、予選ラウンド7回戦+決勝トーナメント3回戦で開催することができることに。この場を借りて改めて謝辞を申し述べたい。
そんな数多くのプレイヤーの中にはかねてから「添削杯」に参加してくれている常連のメンバーもいれば、「インベイジョン」の響きに惹かれて参戦を決めていただいた初顔の方もいる。
限築杯の開幕戦として「常連」のよしか@チームボムエッグ(以下、よしか)と「初顔」のもりしょーの一戦をお送りしよう。
もりしょーもよしかも当時の「インベイジョン・ブロック構築」には触れておらず、今回その環境に触れていく中で、「限定構築」の面白さに気づきとても楽しんでいるとのことだ。
Game1
よしかが《シヴのオアシス/Shivan Oasis》、一方のもりしょーは《沿岸の塔/Coastal Tower》をタップインと、「これぞインベイジョン」な立ち上がりでゲームがスタートする。
各地から消えたアンコモンランド
続くターンよしかは《カヴーのタイタン/Kavu Titan》、さらには《暗影のボブキャット/Penumbra Bobcat》と続け、自身のデッキがBBBであることを高らかに宣言する。
一方のもりしょーは土地を並べると《排撃/Repulse》で攻勢を押しとどめ一旦の小休止を挟まん……とするのだが、そこに環境を学んだ結果よしかが採用を決めた《攪乱/Disrupt》がクリーンヒット。
差をつけたい場面で逆にアドバンテージを奪われてしまったもりしょー。ならばと今度《噓か真か/Fact or Fiction》で取り戻さんとするが、よしかの狙いすました《神秘の蛇/Mystic Snake》がこれを打ち取り成就せず。
もりしょーも《火/Fire》や2枚目の《排撃/Repulse》で少しずつペースを取り戻さんとするのだが、一切の隙を見せないよしかは序盤からリードを握り続け、毎ターン確実にダメージを積み重ねていく。
後手後手に回るもりしょー、やむなく《予言の稲妻/Prophetic Bolt》で《神秘の蛇/Mystic Snake》の排除を試みるのだがこれでフルタップ。ならばよしかからお返しの《予言の稲妻/Prophetic Bolt》が放たれ
「予想していたとはいえ、やりづらいな」
もりしょーの言葉は、即ちよしかの戦略の正しさを証明するものとなった。
よしか 1-0 もりしょー
Game2
初手を見て悩むもりしょーは熟慮の末テイクマリガン。
「マリガン」は当時と大きくルールが変わっており、現行ルールである所謂「ロンドンマリガン」が採用されている。インベイジョン・ブロック構築という環境はライブラリーのシャッフル手段はそこまで多くなく、お別れしたカードと再会する可能性はかなり低くなることには注意しておきたい。
最終的にここでもりしょーは1枚のカードに別れを告げることになった。
よしかの《ガイアの空の民/Gaea's Skyfolk》をもりしょーが《ウルザの激怒》で撃ち落とすというゲームスタート。落ち着いた立ち上がりとなった、かと思いきや、マリガンが祟ったかもりしょーは4枚目の土地を置くことができない。
一方のよしかは第二の矢《疾風のマングース/Blurred Mongoose》を送り込み、戦場で暴れまわるよう仕掛けていく。
一度現れれば主人すらも手出しできない
続くターンも土地を置けないもりしょーから思わず悲鳴が漏れる。《氷/Ice》でライブラリーを掘り進めんとするが、これも《神秘の蛇/Mystic Snake》でキャッチされてしまい、やむなく続くメインフェーズでこの《神秘の蛇/Mystic Snake》に《排撃/Repulse》を打ち込む。
「やりたくないけど」という決意の行為により、見事に土地を引き入れることに成功するのだが、その隙をよしかが見逃すわけもなく、《カヴーのタイタン》がキッカーされて登場。
何とか5枚目の土地にたどり着いたもりしょーは《ラッカボルバー/Rakavolver》、だがこれは間髪入れずによしかから《予言の稲妻/Prophetic Bolt》。ならばと《総くずれ/Rout》で眼前の問題を一旦は排除してみせるのだが、確実にそして冷静にダメージを積み重ねるよしかの手により、もりしょーの残りライフはあとわずか。
よしかの手札に潜む《神秘の蛇/Mystic Snake》がちらつく。
「《撹乱/Disrupt》がいかに刺さるか、《ラッカボルバー/Rakavolver》がどれだけ強いか、練習でよくわかっていました。だからそれに対応するデッキにしました」
よしかの力強い言葉はこの一戦を象徴するものとなり、そしてその練習を見事に発揮してみせたよしかが初戦を勝ち取ることになった。
よしか 2-0 もりしょー
20年ぶりのインベイジョン・ブロック構築戦、いまここにスタートする。