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アジュバントのいるワクチン、いらないワクチン(3月15日こびナビClubhouseまとめ)|こびナビ(CoV-Navi)

木下喬弘

今朝も200人近くの方に聴いていただいております。
ありがとうございます。

先週の後半から今日にかけて大きなニュースはありませんでしたが、アメリカからまとめ記事が出ていました。
アストラゼネカのワクチンの血栓症の話が話題になっていますが、データが少なすぎて現時点で言えることがあまりありません。

そこで、アメリカでの現状の記事をニューヨークタイムズから拾い、もう一つBBCからヨーロッパの状況に関する記事に触れる予定です。
ご登壇の皆様と相談しつつ気分で変えていこうと思います。

それでは最初の記事です。

Which vaccines are available in the U.S. now, and which may be coming?
https://www.nytimes.com/2021/03/14/us/which-covid-vaccines-available-us.html

現在アメリカで接種可能なワクチンと、次に接種可能になるワクチンはどれかという記事です。

今のところ、アメリカ全体で約20%の方が少なくとも1回COVID-19のワクチンを接種済みで、その数は日々増加しています。
そこで、現段階でFDAが承認しているワクチンを見ていきます。

記事はQ&A方式になっています。

質問:現在アメリカで承認されているワクチンはいくつありますか?
回答:3つです。
承認順に
1 ファイザー-ビオンテック(Pfizer-BioNTech、以下ファイザー)←昨年11月
2 モデルナ(Moderna)←昨年12月
3 ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson、以下J&J)←今年2月末

J&Jのワクチンは1回接種です。

質問:J&Jの1回接種のワクチンは広く打てるようになっているのでしょうか。
回答:まだです。
2月27日に承認され、最初は390万人分が供給されます。

アメリカ全体の人口が3.2億人なので、ゲームチェンジャーになるほど多くはありません。
3月末までに1600万人分のワクチンが確保され、6月末までに約1億人分程度にスケールアップするそうです。

J&Jはメルク社と共に製造することで製造量を上げています。

J&Jのワクチンの作り方はファイザーやモデルナのものと異なります。
それぞれの製造の容易さや難しさについて峰先生、解説をお願いできますか。

峰宗太郎
夏時間で頭がぼんやりしております。
混乱して1時間前からclubhouseを待っていました。

J&J社製ワクチンはアデノウイルスベクターワクチンで、外側の殻にアデノウイルスを使用しています。
これは工場で作りますが、機械ではなく細胞を使って作るため、mRNAワクチンよりも一段階難しくなっています。

mRNAワクチンは核酸合成機を用いて薬品の中で反応させるだけですが、アデノベクターワクチンの場合は細胞を使うので、大量に作る際にどうしても核酸資源が必要になります。
細胞を培養するインキュベーターや細胞を栄養する培地などがたくさん必要なので、mRNAワクチンよりも作製が難しいです。

今までの不活化ワクチンや生ワクチン、コンポーネントワクチン(組み換えワクチン)では、タンパクを大量に作って精製する必要があります。
しかしウイルスベクターの場合、細胞で合成すると細胞が浸かっている培養液の中にウイルスが次々と出てくるので、それを回収して精製します。

つまり、アデノウイルスベクターワクチンは、mRNAワクチンよりは手間がかかりますが、従来型のワクチンほどは手間がかかりません。

木下喬弘
mRNAワクチンは意外に手がかからないんですね。
知りませんでした。

峰宗太郎
mRNAワクチンは基本的に機械で合成するので作製の手間はかかりませんが品質管理が難しいので、コストは従来の作製方法と同程度になります。

木下喬弘
ちなみに、僕の理解の中ではmRNAワクチンて、mRNA自体の作製はさほど難しくないけれど、lipid nanoparticle(脂質ナノ粒子=mRNAを包む脂肪の膜)を作るのが難しく、またカナダでしかできないと、以前峰先生に教えていただきました。
その問題に進展はありますか。

峰宗太郎
そうなんです。実は脂質ナノ粒子という油の膜を作るには非常に多くの特許技術が必要です。
質の高いものを使おうとすると、特許にふれて高額になるか、こっそり開発しているものを使わざるを得ません。
事実上、ここに使われるポリエチレングリコールの効率の良い配合比率や製法上の秘密はいくつかの会社がこっそり握っています。
そこからライセンス供与を受けてモデルナやビオンテックが内製化している、つまり自分たちで合成できるようにしています。
しかし、実は秘密が多くて全体像は不明な部分があります。

木下喬弘
なるほど。製法が明らかになっていないので、簡単かどうかも含め闇に包まれている部分もあるのでしょうか。

峰宗太郎
そうですね。
もちろんわかっている部分もありますが、同じことをしようとすると特許に引っかかるので、誰もが気軽に合成できるものではなく、非常に高度な科学技術の集積であることは間違いありません。

木下喬弘
ありがとうございます。
ファイザーあるいはモデルナのワクチンは特許がかかってきて1回3000円程度、アストラゼネカのものは1回300円程度と理解していたのですが、価格差は製造工程よりも特許によるものが大きいのでしょうか。

峰宗太郎
特許もそうですし、結局のところ細胞系の方が慣れているんですよね。
新規投資がかかっていない分コストが下がります。段々こなれてくれば、mRNAワクチンも価格は下がると言われています。

木下喬弘
なるほど、よくわかりました。

まとめてみます。

・アメリカで現在利用可能なワクチンは3種類。
・ファイザーとモデルナ=mRNAワクチン
・J&J=アデノウイルスベクターワクチン

ウイルスベクターワクチンは、製造の手間はかかるが既存の技術を使用しているため安価である。

質問:今後承認されるワクチンはどれですか?
回答:次のワクチンが緊急使用を承認される予定です。
・ノババックス(Novavax) 4月末

従来株(イギリス・南アフリカ・ブラジルで発見された変異ウイルスでないもの)に対し96%の高い有効性を示したことが先週報道されました。
(https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vaccines-novavax-idJPKBN2B334D)
1億1000万回分の確保がされていて、2回接種のため5500万人分なので、アメリカの人口全体の20%弱を6月末までに流通可能とのことです。

アストラゼネカのワクチンは全世界70ヵ国で承認されていますが、実はアメリカ国内では使用されていません。
臨床試験の結果報告もFDAの承認申請もしていません。
論文が難解で解釈が非常に難しく、アメリカ国内ではあまり話題になっていません。

質問:すべてのアメリカ人が予防接種を受けられるようになるのはいつですか?
回答:バイデン大統領は、5月1日までにアメリカ在住の適応のある人全てに接種が開始できるように指示しました。

今のところ子供が接種対象でないため、人口約3.2億人のうち2.6億人程が対象になります。

ここまででコメントありますか?

ご登壇の方はご存知の方が多い内容だったと思います。

ノババックスのワクチンは、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、J&Jのいずれとも違う作り方だと思いますが、よろしければノババックスのワクチンについて峰先生ご解説いただけますか。

峰宗太郎
ノババックスのワクチンは、組み換えタンパクワクチンと呼ばれるタンパク質を身体に入れるワクチンで、従来から使用されていたタイプです。製法としては非常にこなれていて、皆さん製造経験が豊富です。
培養細胞と言われる細胞の中でタンパク質を合成し、それを純化して得るとタンパク質のワクチンができます。

これには自己会合性ナノパーティクルという面白い方法がとられています。
タンパク質と言っても1個ずつばらばらの部品を身体に注射するのではありません。
混ぜておくと自分で勝手に集合し、ウニのように外側に抗原が突き出して、とげとげの星のような形になります。
これを人体に注射すると、タンパク質に反応してB細胞やT細胞が効率的に「異物が入ってきたぞ」と認識してくれます。
このため、ノババックスのワクチンは「組み換えタンパクワクチン」というだけでなく、「ナノパーティクルワクチン」という分類にも入ります。

製法は、工場の中で細胞を培養しタンパク質を作って精製するという単純なものなのですが、実は生ワクチンや不活化ワクチン、mRNAワクチンやベクターワクチンといったものと比べ、反応性がやや弱いという特徴があります。

身体に異物を入れて免疫を刺激しても、それだけで「異物が来たぞ、戦闘態勢!」とはなりません。
少し「騒ぎ」が起こる必要があるため、免疫の活性化を助ける補助剤「アジュバント」という成分を入れます。

アジュバントと言うと、ワクチンに躊躇感のある方に悪の物質のように言われることがありますが、これを入れると免疫が反応して熱や痛みが出ることがあるからでしょう。
これまで様々なアジュバントが使われましたが、今回は「Matrix-M」というカッコいい名前の新しいアジュバントが使用されています。
これは特許に守られた性能のいいアジュバントで、免疫細胞を非常に上手に誘導することが判明しています。

「ナノパーティクル」という優れた設計と、「Matrix-M」という優れたアジュバントを入れることで、96%の有効性が達成されると見ています。
方法論は従来の組み換えワクチンなので、安全性がよくわかっています。
日本でも武田薬品工業が技術を移転して製造するので、色々な意味で選択肢として良いワクチンだと考えています。

木下喬弘
ありがとうございます。
まとめます。

〇 mRNAワクチン
・ファイザー、モデルナのワクチンはmRNAを打ち込んでいる。
・mRNAを脂質ナノ粒子という油の膜で包んで細胞まで届ける。
・mRNAはウイルスのスパイクタンパク質(コロナウイルスの表面にあるとげとげ)の設計図である。
・細胞内に入ったmRNAを元に、ヒトの細胞自身がウイルスのスパイクタンパク質を作る。
・スパイクタンパク質を異物と認識して免疫が反応し、抗体ができたりT細胞が活性化されたりする。

〇アデノウイルスベクターワクチン
・アストラゼネカとJ&JのワクチンはDNAを細胞へ運ぶ。
・アデノウイルス(アストラゼネカはチンパンジーのアデノウイルス)を使って、ウイルスを乗り物にしてコロナウイルスのDNAをヒトの細胞へ届ける。
・ヒトの細胞がDNAからウイルスのスパイクタンパク質を作る。(以降mRNAと同じ)

〇組み換えタンパクワクチン
・ノババックスワクチンは、上記の行程を人体の外でやっていると考えられる。
・工場で大腸菌にコロナウイルスの遺伝情報を教えこみ、大腸菌内でスパイクタンパク質を作らせ、スパイクタンパク質を集めてヒトの身体に投与する。

峰先生、ここまで大丈夫でしょうか。

峰宗太郎
細かいことですが、今回はおそらく大腸菌ではなく、昆虫由来細胞を使用しています。
工場の中で飼育している細胞を使ってタンパクを作っているところはその通りです。

木下喬弘
何の昆虫か書いてありましたっけ。

峰宗太郎
これはmoth(蛾)ですね。
Sf9という蝶や蛾の仲間の細胞で、非常に安定したきれいな細胞です。

木下喬弘
蛾の細胞にスパイクタンパク質を作らせ、それを人体に注射しているということですね。
「ウニ」と仰っていたのは、スパイクタンパク質を集めてウニのような形の集合体にして投与しているのでしょうか。

峰宗太郎
そうなんです。スパイクタンパク質が自分で勝手に集まってウニのような集合体になるんです。
ウニの中心部に細工をしていて、自分で勝手に集合するようにしているのです。
全部に磁石のNとSが付いていると想像してください。
そうすると勝手に集まりますよね。
タンパク質にはそういう性質を持たせられるので、液体の中で勝手にとげとげになる細工が可能です。

木下喬弘
コロナウイルスの表面のスパイクタンパク質を蛾の細胞に作らせ、それを1本ずつ投与するのではなく、磁石で集めてウニみたいな形にして人体に投与するということでしょうか。

峰宗太郎
そうです。
実際にはイガグリ様になったものがつぶつぶとして存在します。
サイズとしてはナノサイズなのでナノパーティクルと呼ばれます。
このギザギザナノパーティクルを液体に溶かして接種するわけです。

木下喬弘
スパイクタンパク質を1本1本打ち込むのではなく、集めたやつをウニみたいにして打ち込むのですね。

もう1つ峰先生に教えていただいたことがあります。

ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、J&Jのワクチンは、ヒト細胞の中でスパイクタンパク質を作らせると強い免疫反応が起こり、活性化された免疫が「異物だ!」と大騒ぎをする、つまり抗体やT細胞の活性化が起こるのがわかっています。
しかしノババックスのワクチンは注射しただけでは免疫細胞が大騒ぎをしないので、寝ている免疫細胞を叩き起こす「アジュバント」を一緒に投与する必要があるということですよね?

峰宗太郎
その通りです。

木下喬弘
ありがとうございます。

従来のワクチンでもアジュバントは使われていますが、ノババックスのワクチンは強く免疫を活性化させる薬が入っています。
叩き起こされた免疫がウニのように集まったスパイクタンパク質を発見すると「こいつが犯人か!」と戦って、戦い方を覚えます。
次にウイルスが侵入した際に攻撃する手段を獲得するのです。

ヨーロッパの現状の話をするはずが、ノババックスの仕組みを把握していないことに気付き、原理を説明させていただきました。
峰先生に教えていただいて、僕も非常に勉強になりました。

さて、中途半端に時間が残ってしまいました。

こびナビチームで話し合った際、木下の宣伝力不足が問題になりました。

このClubhouseは9:05から9:10まで開けて最後に宣伝をすることが多いですが、日本の皆さんは9時からお仕事を開始するため「宣伝前に離脱される方がたくさんいるから9時までに宣伝しろ」とお叱りを受けました。
そこで、ここでコマーシャルを挟みます。

我々はこびナビという、日米30人以上の専門家で運営している新型コロナワクチンの情報提供サイトをやっております。
Twitter、Facebook、Instagramで情報提供をしていて、そこからホームページに飛べるようになっています。
ホームページをご覧いただくと一番上にクラウドファンディングのお知らせがあります
こびナビは活動資金を獲得するためにクラウドファンディングを開始しました。
▼ホームページはこちらから
https://covnavi.jp/
実は「情報を提供する」というのは簡単なことではありません。

もともとSNSやホームページにアクセスできる方はこびナビから情報をとっていただけます。
Q&Aなどを患者さんへの説明に使ったというお声もありがたく思っています。

医療従事者の接種がひと段落したら、高齢者への接種が始まります。
高齢者への情報提供は難しいですが、次のステップとして積極的に取り組みたいと考えています。

高齢者の方がSNSやホームページのQ&Aで自分で調べてワクチン接種をするのは困難でしょう。
高齢者への接種が進まない限り、新型コロナ感染流行拡大に伴う医療機関の負担は減らず、アメリカのCDCのような「ワクチン接種者同士は会ってかまわない」という制限緩和も実現しません。

週刊誌などが発信する誤情報は多く、吊り広告でも「ワクチン危険」のような情報が出ているので、正確な情報で塗り替えるための広告も含め、新型コロナワクチンの正確な情報を様々な媒体でお届けしたいです。

そのためのクラウドファンディングを行っていますので、もしご支援いただける方はそちらもご覧いただけたら嬉しいです。
周囲の方にもお伝えいただければ幸いです。

▼クラウドファンディングのページ(READY FOR)
https://readyfor.jp/projects/cov-navi

不慣れな宣伝にお時間をいただきありがとうございました。

残り3分どうしよう。

前田陽平先生
質問してもいいですか?
以前から疑問だったのですが、アストラゼネカのワクチンについて伺います。mRNAワクチンには何故アジュバントが不要なのか訊かれ、答えられなくて困ったので、峰先生のわかりやすい説明を聞いて僕も学びたいです。

木下喬弘
パクるつもりですね?

前田陽平先生
そうです。「僕の調べたところによると~」ってやりたいんです。
峰先生どうですか、教えていただけますか。

峰宗太郎
はい、これは非常に良い質問で、答えから言うと全貌はまだ明らかになっていないのですが、かなりわかってきていることがあります。

1つ目は、mRNAワクチンとして打ち込まれるRNA自体が、突然外から来ると「異物」として認識されることです。
身体の中で作られるmRNAは、特別なキャップ構造をとっていなかったり、色々な修飾がされていないので、外来のRNAが入ってくるとToll-like receptor(Toll様受容体、以下TLR)というところで認知されます。
TLRの3, 7, 9とか、いくつか種類があって、核酸も見つけることができるようになっています。
そうすると自然免疫系の細胞が活性化し、アジュバントが来たのと同様の活動を始めます。
つまり、核酸自体がアジュバントになっている可能性があります。

2つ目ですが、mRNAは脂質ナノ粒子にのっています。
脂質ナノ粒子にはPEG(ポリエチレングリコール)などいくつかの油の成分が存在しています。
これ自体も免疫賦活化作用、つまり免疫を活性化させる作用があると最近わかってきています。

核酸ワクチン(RNAワクチン、DNAワクチン)に関しては、情報を運ぶ核酸自体がTLRに見つかって、アジュバントの代わりもしているということがわかってきました。
実はこの反応を抑えるための工夫もされています。
普通にmRNAを打ち込むとTLRにはっきりと認識され、異物として排除され、スパイクタンパク質の翻訳は起こりません。
そこでシュードウリジン(pseudouridine)というものを用います。
ウリジンはACGUという4文字なのですが、Uを少し修飾して認識されにくいようにしています。
それでもなお認識されるので、核酸自体がアジュバントの役割を大きく果たしていると言われているのです。

そしてベクターワクチンに関しては、明確にベクター自身がアジュバントの役割を果たしています。
アデノウイルス自体が身体にとって異物なので、入ってきた瞬間に、自然免疫系の細胞も獲得免疫系の細胞も激しく動きます。
実はこれらの核酸ワクチン、ベクターワクチンは自分自身がアジュバントの…「アジュバント」は本来「加える」という意味なので変な表現になりますが、アジュバントの働きも果たしていると言えます。

前田陽平先生
なるほど、非常に明確でわかり易かったです。
mRNAそのものもそうだし、包んでいるナノパーティクルも自然免疫系のセンサーであるTLRで異物と認識され、自然免疫系が活性化するせいでアジュバントが不要であると理解してよろしいでしょうか。

峰宗太郎
はい、今のところ大体のレビューにもそう書かれていて、それが妥当だと私も考えています。

木下喬弘
ありがとうございます。多分登壇者の中で僕が一番基礎医学わかっていないということで、皆さんを代弁して今の話をまとめます。

アジュバントという、普段は寝ている免疫細胞を叩き起こして同時に異物を認識させることで、敵(=新型コロナウイルス)のスパイクタンパク質の戦い方を覚えさせるというのが原則です。
ノババックスは「Matrix-M」というアジュバントを使用しています。

では何故mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンは免疫を叩き起こさずに済んでいるのか、前田先生にご質問いただきました。

ウイルスベクターワクチンに関しては、アデノウイルスにコロナウイルスのDNAを運ばせていますが、ウイルスベクターという運び屋自体が明確に異物なので、それをきっかけに免疫細胞が活性化し、ヒトの細胞で作ったスパイクタンパク質を倒す方法を覚えます。

僕自身も完璧に理解しているわけではありませんが、mRNA自体がヒトの身体の中で異物として認識されると知りました。

mRNAワクチンを打つと、mRNAの成分自体がヒトの身体の免疫細胞を叩き起こす役割を果たします。
そのまま注射すると設計図からスパイクタンパク質を作る前に倒されてしまうため、それをごまかして隠す工夫さえ必要になります。
隠す工夫をした上でもなお免疫細胞を活性化させます。
これがアジュバントが不要になる理由の1つです。

理由のもう1つは、mRNAを包む脂肪の膜自体にも免疫細胞を活性化させる働きがあるということです。

以上2点から、ノババックスや従来型のワクチンのようにアジュバントを入れなくても、免疫はしっかり活性化されます。
同時にヒトの体内で作られたスパイクタンパク質に対し、活性化した免疫細胞が反応して戦い方を覚えます。

峰先生、補足追加ありますか?

峰宗太郎
いえいえナイスなラップアップとサマライズでサンキューベリーありがとうです。

木下喬弘
完っ全にばかにしてますね。
ありがとうございます(笑)

時間が来たので本日のお話はここまでに致します。
ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました。
それでは日本の皆さん、良い一日をお過ごしください。

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