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日本とアメリカでのワクチン供給の違いについて考えました(4月20日こびナビClubhouseまとめ)

2021年4月20日
「こびナビの医師が解説する世界の医療ニュース」
「本日のモデレーター:吉村健佑」


【🔥先生のアボ「カ」ド料理バラエティー】

木下喬弘
始まりましたワカモレの時間。

吉村健佑
おはようございます木下先生(笑)

安川康介
グゥァッカモーリー作れました?

木下喬弘
グゥァッカモーレがね、今から始まりますよ。
僕は聖徳太子なんで、7個まで同時にできるんで…
ワカモレと…Clubhouse…進めていきましょう。

吉村健佑
なんすかそれ、料理…?木下先生…

木下喬弘
そうなんですこの時間からご飯作るのが1番都合良いなってことに気づいたんです。

吉村健佑
ほうほうほう…そっちはアメリカの…夜…

木下喬弘
夜7時半ですね。

吉村健佑
夜7時半、なるほど…夕飯時ですね…なるほど…

木下喬弘
これ終わってから始めるとめっちゃ疲れるんですよ、なんか…

吉村健佑
(笑)

安川康介
グゥァカモーリーはアメリカですごい人気ありますよね。

吉村健佑
グゥァカモーリー…?

安川康介
あの、アボガドを潰して作る、ペースト状になったものなんですけれども…
それだけで食べるのではなくて、それをチップスに付けて食べたり…

吉村健佑
あぁ~はいはいはい!

安川康介
結構、メキシコ料理によく入っています。

吉村健佑
なるほど、ちょっとなんかこうホームパーティーみたいな時の…
みんなに出したりするような、そんなイメージですかね…

木下喬弘
35歳1人暮らしで今から作ります。

安川康介
勝負は良いアボカドを選ぶかどうかで決まってしまうような気がするんですけど。

木下喬弘
えっそうなんすか!?

安川康介
アボカドって…すごく選ぶのに慎重になります。
結構高いのと、良いアボカドを選ぶのって結構難しくて。
触った柔らかさとか、へたみたいなところがついてるんですけど、そこを取ってみて…
その下の色がちょっと黄色くなっているかとか…

吉村健佑
ほうほうほう…

木下喬弘
えっでも選ぶときにそこ取ったらダメなんじゃないですか?

安川康介
取る人もいるんです。あの、すーごい重要なので。
アボカドを選んでいる人の顔って、アメリカだとめちゃくちゃ真剣ですよ。

木下喬弘・吉村健佑
(笑)

安川康介
多分木下先生のグゥァカモーリー作りでそこの効果が1番大きな分かれ道だと思います。

木下喬弘
そうなんですか…そこは全然こだわらずに買っちゃいました。

安川康介
たまにすごく硬くて、熟れてないとあんまり美味しくないんですよ。

木下喬弘
ほっといたら熟れません?

安川康介
あれ、でももう作っちゃうんですよね?

木下喬弘
これ4日くらい前に買ったアボカドですよ。

安川康介
あっ本当ですか、まあある程度柔らかくなってたら大丈夫だと思います。

木下喬弘
結構柔らかいですね今。

安川康介
あぁ、じゃあ良いかもしれないです。

木下喬弘
これ多分美味しいです。

吉村健佑
柔らかさ大事なんだ…触ったときのね…アボガドね…

木下喬弘
えっとこのまま30分ワカモレの話するんでしたっけ今日は(笑)

吉村健佑
(笑)
いや、じゃあやりましょうか、安川先生。

安川康介
すみません、やりましょう(笑)

吉村健佑
やりましょうか、じゃあ…8時33分くらいになりましたかね。

峰宗太郎
あっ、ちなみに1つだけ。

吉村健佑
ああどうも峰先生!どうぞ~。

峰宗太郎
どうもこんばんは~、あぁ、おはようございます~。
アボ「カド」なんですね、安川先生、「ガド」言われてましたけど。

安川康介
あっすみませんアボ「カド」ですね、はい。

峰宗太郎
スペイン語の綴りでは Avocado でアボ「カ」ドと、 gado で「ガ」ドと呼びたくなるんですけど、実は弁護士っていうのと同じ綴り(avocat)でアボ「カ」ドなんですね、フランス語では。

木下喬弘
それファビオさんが言ってたファビオさんが!

峰宗太郎
えっ👶?

木下喬弘
えじゃないし(笑)ファビオさん知らないですか?峰先生。

峰宗太郎
知ってますよ~?

木下喬弘
知ってるんや(笑)
そう、ファビオ飯でね…アボ「ガ」ドって、弁護士って意味です言うてましたよ。

峰宗太郎
おぉ~そうなんだ!
あっすみません吉村先生大事な時間を奪っちゃいました。
申し訳ございませんでした。

吉村健佑
いえいえいえそんな(笑)
アボ「カ」ドなんですね、わかりました。

木下喬弘
アボ「カ」ドです、アボ「ガ」ドは弁護士です。

吉村健佑
そうなんだ…なるほど…わかりました、ありがとうございます。
なんかちょっと皆さんのアボカドトークが盛り上がったところなんですけど、今日の始めちゃって良いですかね。


【ニュース1】首相、ワクチン「9月末までに全対象者への供給めど」

改めまして皆さんおはようございます。こびナビの…なんかいつの間にか題名変わってるな…吉村が解説する世界の最新医療ニュースという風にいつの間にかモデレーターがタイトルになっていますが、よろしくお願いします。
今日は前回4月13日に続きまして、こびナビ代表の吉村健佑が担当しまして、今日の最新医療ニュースをお伝えしようと思います。
前回は水際対策とか、変異ウイルス対策といった検疫所のお話をしました。
いつもこびナビはワクチンの有効性や安全性について、ないしは開発や研究の状況についてお伝えしていくことが多いのですが、ちょっと変化球のような回でした。

今までこびナビではいわゆるロジスティクス…つまり配布状況とか、供給状況とかについてはあまり言及して来ませんでした。
これはあえてといいますか、地域とか自治体によってばらつきがあるので避けていたところも若干あります。
今日クラブハウスで初めての試みで、ロジスティクス関係のニュースを取り上げつつ、日本のワクチン供給の状況を冷静に分かる範囲でお届けしたいと思います。
これは1回で全部終わらないかも知れませんね。
最近のニュースとか、あるいはわたしも取材を時々受けるのですが、その内容もワクチンの供給についてどうなのかという質問を記者さんから頂くことが多いので、皆さんの関心も非常に高いのだろうと思っています。

取り上げるニュースですが、一般誌にワクチン供給のニュースってたくさん出てきます。
たとえば、昨日のウェブニュースなんかをみていると、日本国首相がワクチンを9月末までに全対象者への供給に目処がたち、ファイザー社に追加要請を行って、了承を得たというニュースが出ています。

首相、ワクチン「9月末までに全対象者への供給めど」 
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1915W0Z10C21A4000000/
出典: 日経電子版 2021/4/9

菅義偉首相は4月19日、新型コロナウイルスのワクチンに関して「9月末までに全ての接種対象者へのワクチン供給のめどがたった」と語ったようです。訪米中の17日に米製薬会社ファイザー社のアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)と電話で話し、日本に対するワクチン供給量の追加を要請したところCEOから協議を迅速に進めたいという話があった……といったニュースが色んなところで出ています。

こういった追加要請を行って供給ができますよという話が国内でも話題になっておりますが、そもそもこの辺りのニュースはアメリカでも取り扱われたりするのでしょうか。
ファイザー社の CEO と日本国の首相が電話で話をしましたといった話など。
この辺り、アメリカにお住まいの皆さん、何かニュースになったりしています?
コメントあったらお願いします。

木下喬弘
最近ワカモレのレシピしか調べていないくてちょっとあまりニュースを調べていないので分からないのですが、そんなに話題にはなっていないのではないかと思います。
でも、明らかにアメリカで足りてきたから他に回したろ感はちょっと出てますよね。

吉村健佑
そうなんですね。

木下喬弘
おそらくですけど。

吉村健佑
じゃあ日本国以外にもちょっと追加で供給しましょうかみたいな話がニュースになったりしてそうな…?

木下喬弘
そこまではあまり情報が入っていないです。
でもアメリカは相当接種が進んでいますね。
ここ2週間くらい超調子いい感じです。

吉村健佑
超調子いい…ちなみにアメリカは何%くらい、何人くらい接種が終わったんですかね。

安川康介
今もう2億1000万回以上で、18歳以上だと半分はもう1回受けています。
65歳以上だと1回受けているのが8割くらいいます。
全体としては2回受け終わっているのが3割行かないくらいだと思うのですが、接種対象になっている方で見ると、特に高齢者ではほとんどが1回は受けているという状況です。

吉村健佑
そうなんですね、2.1億回以上…

峰宗太郎
そうなんですよ、これ政権が変わってから本気になっちゃって、バイデンさんが就任して100日で1億回の接種を完了させると最初に宣言したんですよ。
ところが、これがあっさり達成されてしまったので、自分で目標を引き上げて、100日までに2億回の接種を完了させると宣言しました。
そうしたら、それも達成しちゃったんですよ。
1日大体250万回以上と高速で打っていますので、アメリカは順調と言えば順調ですね。

吉村健佑
なるほどね…

木下喬弘
最新では1日370万回と言ってましたよ。

峰宗太郎
ああ、そう。すみません、250万回は先週のスピードでした。
今は370万回って言ってましたね。

吉村健佑
1日370万…そうか、すごいな…どうぞ池田先生。

池田早希
日本が購入した、または日本にサプライ(供給)してもらったというのは日本系のニュースの英語版だけで、あまりニュースにはなってはいなかったのですけれども、いくらくらいで取引をしたのかなっていうのはちょっと興味があります。
例えばイスラエルにファイザー社のワクチンがたくさん供給されたのは、ファイザーのトップとイスラエルの保健省等が取引をし、接種者の色んなデータを研究にも使うプラス、 ワクチン1回分あたりの値段を上乗せする代わりに供給を確保するといったこともニュースで報道されておりました。日本はそういうところはどうだったのか気になりますね。

吉村健佑
なるほど、でも値段は公開されていないですよね。
交渉の結果いくらで入手しているのかっていうのはわたしも聞いたことはないですけれども、他国との交渉の中でファイザー社と握っている話なので、おそらく値段の公開はできないのかなと思います。

池田早希
そうですよね、ちょっと気になったというところでした。

吉村健佑
そうですね、ありがとうございます。
アメリカの状況もさすがですね、振り返って日本は今どういう状況かというと、4月16日の時点で接種の状況は…これは内閣官房のHPからですけれども、医療従事者等が191万回。
高齢者が1万3000回あまりと言うことで、アメリカは1日で370万回ということですから半日で抜かれそうな勢いですけれど、日本は191万回の接種が終了したという状況です。

このようなニュースに触れるときに、記者の方も色々誤解されている部分がありまして、もう少し基本的なワクチン供給のルールを理解していった方がニュースのバリューを評価できるのかなと思いますので、その辺りの背景の話を少ししようと思います。
そもそも日本のワクチン供給のルールがどうなっているかというと、まずは医療従事者等への接種というのが1番最初に来るわけです。
これは国立病院機構など3つの機構で行われた先行接種と、その他の医療機関で行われた優先接種に分かれるのですが、現在は優先接種が進んでいます。
この医療従事者等への接種が大体400万人分必要だと計算されています。
その後は65歳以上の高齢者、これが4000万人くらい全国にいらっしゃいます。
これが1番層が厚いですね。
この辺り、こびナビも今後どのような戦略を立ててワクチン啓発、情報提供を行っていったら良いのかということにおいて重要になります。
その後に続くのが、①基礎疾患をもたれる方、②高齢者施設等の従事者、③60〜64歳の方が続きます。
それぞれ①800〜900万人、②約200万人、③約750万人と試算されていて、これらの方に対して一定の供給の目処が立ったら、その他の方に順次供給されるという全体のスケジュールになっています。
現在は最初の2つ、医療従事者等への供給と、高齢者への供給が行われていますので、そこをもう少し詳しく見ていこうと思います。

医療従事者等の範囲…法律とか法令を読むときに、医療従事者等の「等」とついたら、何を指して「等」なのか、その内容を詰めておくことが結構大事です。
一般に、病院診療所において診療する医師、看護師は非常にわかりやすいのですが、それ以外の範囲がどこまで入るのかと定義を巡って2月頃に結構議論になりました。
どこまでがそうなんだということで…例えば、病院に出入りする委託業者はどうか、これは対象にできるということでした。
では医学部生はどうなのか、これは実習先の医療機関の判断により対象とできるという言葉で、「できる規定」といったりしますが、全員が打たなくても良いのだけれど、判断によって、医療従事者等に入れても良いという話です。
訪問看護ステーションの従事者はできる規定ではなく対象範囲とするということです。
他に、助産師さんなど助産所の方、薬剤師さんなど薬局に勤務している方、救急隊員、海上保安庁、自衛隊職員、保健所の職員や検疫所で業務を行う方が範囲に含まれます。
これらの方を全部合わせると400万人くらいになります。
この範囲は結構議論になっていて、検疫所の話は先週の話とも関係してきますが、検疫の方はどこまで範囲に入るのか、そしてそれはどれくらい必要なのかという問い合わせも頂いています。
検疫官というのは実際に疑いとか陽性患者さんに日常的に接するので、その辺りの必要性を説明しています。
ワクチンの供給の話をするときには、分断を生むような内容ではなくて、まずルールや考え方を理解していくことが重要です。
医療従事者等の範囲についてはみなさん大体大丈夫ですかね、諸外国も同じなのでしょうか。

安川康介
介護職員ってどうなのでしょうか。

吉村健佑
ありがとうございます、ちょっと端折りながら話してしまいましたが、介護保険施設の従事者についても…これは少しややこしい話なのですが、医療機関と頻繁に接する可能性がある場合は対象とできます。
具体的には、同一施設内にある場合…例えば医療機関の横に介護施設院とか、老健が併設されている医療機関って結構あるのですが、それは医療機関の判断により対象とできるということで、これまたできる規定なんですね。
なお、介護を巡る施設はいくつかカテゴリが分かれていまして、介護療養型医療施設の職員は病院医療施設、診療所と同様に医療従事者の範囲に含まれると言うことです。
介護関連の施設で1番多いのは老人保健施設(老健)ですが、こちらは医療機関と同一施設内にある場合は医療機関の判断により対象とできるということです。
ちょっと介護のところに対しては少し厳しめの線の引き方になっているかなと思います。
その代わりに高齢者施設等の従事者は基礎疾患を有する方などのラインに位置されていますので、高齢者の接種の後に入っています。
ということで、どうでしょうか安川先生。

安川康介
ありがとうございます。

吉村健佑
これは良い質問でして、この介護職員の順番が後ろ過ぎるじゃないかという意見は実際に千葉県内の会議の中でも出ていて、その議論に私も参加していました。
やっぱりクラスターの発生の状況を見ると、千葉県内もそうですけど、全国的に介護系の施設とか、長期療養型の入院病床、精神科病院などで見られることからやはり、職員の方も接種を急いだ方が良いのではないかという意見が出ています。
それに対してはこういった原則の中で修正をしていくという考え方なので、例えば高齢者への接種を行うという際には当然介護施設にもワクチンが供給されたりするわけですね。
いま多くの自治体では自治体の判断で従事者に対しても一緒に接種してもいいとなっているかと思います。
なので目の前で高齢者に接種されている、その場合ケアを提供する方も接種してもかまわないという風な解釈になっている地域が多いかなと思います。
ここまでが医療従事者等の範囲のお話だったのですが、何か質問等ありますか。

池田早希
質問良いですか。
アメリカでは医療従事者に関しては各病院に供給がされて、その中で私たちも同じ施設内で優先順位をたて接種していったのですが、その点もおそらく日本と同じ状況かなと思います。
それで、例えば接種対象だったにも関わらず、体調を崩して打てなかったとか、開業医さんなど発熱外来をされているけどそれぞれの病院に供給が回ってこなくて接種ができなかったっていう方に関しては、たとえば今後大規模接種会場で打てるようになるっていう流れはあるのでしょうか?

吉村健佑
ありがとうございます。
そこについては今からちょうど解説していきます。
高齢者1万3000回あまりという風に冒頭で説明いたしましたが、その方々は接種が来ているのだけれど、当の接種をする側の医師がまだ順番が回ってきていないということで、なぜこのような逆転現象が起こっているのかということをよく聞かれるので、これから解説します。
今説明した医療従事者等の範囲については都道府県がワクチン供給を管理してスケジュールして、供給しています。
一方で、高齢者を含む住民は市区町村が管理してスケジュールをひいて供給しています。
なので、今あげた400万人の医療従事者等と、これから続く約4000万人の高齢者を含む住民は別系統でワクチンが供給されているということが1つのポイントです。
先ほど池田先生がおっしゃったように、まだ医療従事者等に接種がされていない日本国内の状況があるということで、それはその通りです。
医療従事者等も400万人一気に接種ということはできません。

まず、医療機関は基本型接種施設と連携型接種施設、そのいずれでもない施設の3つに分けられます。
基本型接種施設はディープフリーザーを設置して、国から直接ワクチンを受け取って、接種するというタイプの施設です。
ありがたいことにわたしが所属する千葉大学病院は基本型接種施設に位置付けられていますので、その職員2500人くらいの方は接種がすでに実施されているという状況です。
その次に来る連携型接種施設、これは基本型接種施設からワクチンの分配を受け取って実施するスタイルになっています。
さらに、クリニックの医師などの、いずれでもない施設の医療従事者等には、連携型接種施設の接種がある程度済んでから供給されるという、3段階のカスケードになっているわけです。
基本型接種施設に対して国からワクチンが直接配送されるのですが、これはもう配送済みです。
なので、予定通り国は基本型接種施設へワクチンを払い出している状況なのですが、連携型接種施設に対して基本型接種施設から配送する、ないしはそこからいずれでもない職員へ供給するという、2段階目3段階目の供給で遅れが見えているといわれています。
そうなりますと、基本型接種施設は予定通り接種が進んでいますが、その他の医療従事者に対する供給が地域によって遅れが見られていまして、そうこうしている内に、市区町村がコントロールしている住民に対する接種がスケジュールが組めて、逆転現象が起こるというのが現在の状況になっています。
こういった都道府県と市区町村のそれぞれの管理の違いというところから一部の地域で逆転現象が起こっているのですが、現在連携型接種施設も順次進んでいるという状況です。
また、基本型接種施設と連携型接種施設割合について、手元に千葉県のデータだけあるのですが、例えば千葉県内だと283の医療機関があります。
そのうち71が基本型接種施設といわれていて、あとは212が連携型接種施設と定義されています。
このような1対3くらいの割合で医療機関があり、連携型接種施設の方に若干遅れが見られて、更にその先にあるいずれでもない施設の遅れもあるというのが医療従事者等に対する供給の現状ということになります。
ここまでいかがでしょうか、何かありますか。大丈夫でしょうか。


【ニュース2】高齢者ワクチン接種、越年の可能性 自民・下村氏言及

ニュースをもう1つだけ取り上げて最後の5分を行きたいと思います。
そんな中、ここから住民の接種が本格的に始まります。
そもそも考えてみると医療従事者等についても400万人の対象の内、191万回ですから、2回接種した人も含めるとおそらく150万人くらいの供給に留まっていると思われます。
ですので残り250万人が完了するまでまだちょっと期間がありそうですが、これを概ね5月にはできると発表されていますので、それを待つしかないかなと思います。

もう1つ、住民等についてなのですが、冒頭で今日菅首相のニュースを発表して、9月末までに全対象に供給目処とファイザーの CEO との合意に至ったというニュースを紹介しました。
その後なのですが、日本国政府がファイザー社から受けた供給がどういった順番で、どのような期間で一般の住民に届くかということについて、同日4月19日に自民党の下村政調会長は高齢者向け新型コロナウイルスワクチン接種が年内に終わらない可能性に言及しています。

高齢者ワクチン接種、越年の可能性 自民・下村氏言及
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA191I40Z10C21A4000000/
出典: 日経電子版 2021/04/19

自治体によっては医療関係者の協力が足りないと、つまり接種する側の人員が足りなくて、65歳以上に限定しても、場合によっては来年までかかるのではないかという見通しを現時点で述べているという状況です。
なので今4月ですからまだまだ今から7か月くらいはかかってしまうと。
ないしは来年まで持ち越される可能性があるということを政調会長がおっしゃっていますので、おそらくそういう状況になるのかなと思われます。
全国民が接種できるのは来年春くらいまでかかるかも知れないとも語っていまして、今年度かけて接種が進むという状況だということです。
ここでアメリカの方に教えて欲しいのですが、なぜこう370万回を毎日接種っていう体制をとれるのか、なにかわかります?

安川康介
これはひとつは打てる人がアメリカだと圧倒的に多いということがあります。
薬剤師がワクチンを打てたりとか、アナフィラキシーの対応ができるっていうことが大きくて、たとえば最初に接種が始まったときに、高齢者施設に打ちにいっていたのは結構薬剤師なんですね。
あとは最近だと大手リテールファーマシーといって CVS とかウォルグリーンと提携して、連携型接種施設などの大きな施設とか大きな会場へ行かなくても近くの薬局で打てるような体制があります。
薬剤師がワクチンを打って、アナフィラキシーの初期の対応ができるということは非常に大きな違いだと思います。

池田早希
安川先生がおっしゃったのに追加なのですが、元々そういうシステムが備わっているんですよね。
多くはインフルエンザの場合ですが、大手の薬局が高齢者の入居施設に毎年打ちにいっているとか、そういう体制がありますので、それをうまく利用しているのも大きいですね。
あとはもう国を挙げてワクチンがその地域に届いているのであれば、そこに置いておくのではなくすぐに人々の腕に打とうというキャンペーンをやっているので、国全体として、国を挙げての危機感が大きかったなと思います。

吉村健佑
なるほどなるほど、面白いですね。
日本だとどちらかというと行政というか、お上が調整して自分の順番が回ってくることをみんなで待っているという状況で、非常に整然とはするのですが、一方でアメリカの場合は今ある資源と今ある人手と今ある受ける側の積極的な働きかけといいますか、そちら側の動きが強いような印象を持ちました。
多分一朝一夕にこれを突然やれと言われても中々できない中で、池田先生がおっしゃったように従来から薬剤師さんがワクチン接種を行っていたり、高齢者施設に行って行うといった実績がありますとおそらく安心して対応できる人が多いのかなという気がして、その日米の差をまざまざと見せつけられたところかなと思います。

残り…もう9時近いですね。すみません、今日はワクチン供給の話で延びてしまいますがこの話題、できればわたしの回にもう少し掘り下げて来週以降も取り上げたいなと思っています。

もう1つニュースの説明に移ります。
河野太郎行政改革担当大臣が4月16日の閣議後の会見で発表したのですが、ワクチンの余剰分の廃棄が一部の自治体で問題になっています。
余ってしまったワクチンを混乱を避けるためなどの理由で数人分だそうですが廃棄をしてしまった事実があるとのことで、そういったことを避けるために高齢者以外への対象にも接種することを含めた運用について自治体の判断で柔軟に対応して差し支えないということをおっしゃっています。
実はこの主旨の発言は何も4月16日が初めてではなくて、自治体に対して、現場の状況に沿って実施して良いと政府は繰り返し発信しています。
後は自治体側がそれを受けて柔軟に…とはいってもどの程度なのかというところですね。
柔軟にというルールは中々文言にはしにくいので、具体的にどういう風な状況を許すかということを具体例を示して運用をやりやすくするということは重要で、この辺りはやはり自治体が知恵を絞るところなのかなと思っています。

あとは先ほど池田先生や安川先生が教えてくださった、薬剤師さんなどの接種する側の拡大についてです。
現在はやはり医師会などを中心とした接種体制となっていますが、これを他職種に広げる、ないしは副反応が起こったときの対応も併せて整えるということは重要なのかなと思っています。
まだ医師のなかでも接種そのものにやはり自信が持てない、何か問題があったときに対応に不安がある、といった声も実際にあったりしますが、この辺りは実はこびナビのサイトの中にアナフィラキシーへの対応を医療従事者向けに説明している動画もあります。
そういったものを参考にして頂けると、冷静な対応ができるのかなという気がします。
ちょうど9時過ぎてしまいましたのでそろそろですが、池田先生どうぞ。

池田早希
そうですね、やっぱりフレキシビリティ(柔軟性)も大事だと思います。
色んなルールを作ってしっかりしているなとも思うのですが、ちょっとフレキシビリティ、誰が打つかっていうのをもっと柔軟に考えても良いのかなと思います。
ちなみにわたしの病院では医師は打っていないです。基本的に接種をするのは看護師さんでしたし、同じ病院群の病院では医学生を駆り出して打っているというところもありました。

吉村健佑
なるほど、ありがとうございます。
安川先生どうぞ。

安川康介
もう1つ補足すると、今回のファイザーのワクチンで重要なのは、タイムリミットがあると言うことだと思います。
-20度とかで保存して、解凍してから5日間以内に使わなければいけないのですが、ファイザーのワクチンの場合生理食塩水を足して希釈するっていうプロセスがあって、希釈してしまったら6時間以内に誰かに打たなければいけないとのことですので、誰に打つかということは各自治体でしっかり決めておかないと、数回分のワクチンが色んなところで無駄になってしまうということがあります。
国が柔軟に対応するようにとは書いてあるようなのですけれども、実際に接種券を持っていなかったらどうするのかとか、そこら辺の人に打って良いのかとか、そういうのは国としても指針があって良いのではないかと思います。

吉村健佑
先週 NHK 山梨に出演させて頂いて、この供給の話を横で見させて頂いたのですが、接種の予約をしていてもキャンセルが出てしまうと言うことですね。その場合にキャンセル待ちのリストみたいな形でその方々をお招きして接種するとか、出て来られる人は来てください、接種できますよ、というようなアナウンスをするとか、そういった運用も考えてはいるようでして、その辺りはかなり苦労されているという報道もされていました。
この話は色々まだ盛り上がりそうなのですが、どうでしょうか、岡田先生や黑川先生など日本勢からはなにかコメントありますでしょうか。

黑川友哉
日本は開業医の先生方結構多くいらっしゃるので、勇気を持って…というほどのものでもないと思っているのですが、どんどん色んな開業の先生方のところで打てるようなシステムを作っていければと思っています。
システムというよりは資材ですかね。
自治体の方からもこびナビも一生懸命そういった医療従事者向け、接種の従事者向けの情報提供資料を作っているのですけど、そういう動きがもっと目立っても良いのかなと思いました。
それによって全体で医療従事者全員が頑張って予防接種の普及、広げていきましょうという文化ができれば、もうちょっと変わってくるのかなという風に思っています。

吉村健佑
はい、ありがとうございます。

池田早希
またちょっと強調させて頂きますけれども、アナフィラキシーは非常にまれです。
そして開業医の先生たちも他のワクチンとかも今まで打ってこられていらっしゃいますので、そこはアナフィラキシーが怖くて対応ができないのであったらエピネフリンを注射で吸うんじゃなくてもうエピペンを用意するとか、すぐ救急車を呼ぶとか、そんなに対応に慣れていなくても対応できるような工夫ができたら良いんじゃないかなと思います。
是非もっともっと進んで欲しいなと思います。

吉村健佑
ありがとうございます、皆さんから前向きなコメント、提案も頂きました。
そうですね、確かに今いったような仕組みを作ってなるべく接種する医師側の不安ですとか、ないしは医療従事者等色んな職種の不安を減らしてシステマティックに進められると良いのかなと思います。
まだまだ全国民の2%に満たない回数でしか接種が進んでいないという状況です。
考えればこれから残りまぁお子さんの年齢を別にするとまだまだ先も接種率が9割くらい必要なのかも知れないという状況ですので、そう考えるとまだまだ進んでいないと。
一方でワクチン接種を希望する方は結構国内のアンケートを見ていくと、8割の方は接種を希望とか、前向きな結果も出てきていたりします。
なので、ここから供給をどのようにスマートに行うかというのも重要かと思いますし、その中で協力するときに具体的にどうしたらいいのか、ということも発信できれば良いと個人的には考えています。

以上でこびナビの吉村が解説する世界の最新医療ニュース…世界と言うより今日は日本国内のニュースを中心に紹介して皆さんのコメントを頂いたところですが、世界の最新医療ニュースということで、これで締めたいと思います。
木下先生いいですか?

木下喬弘
はいあとハラペーニョだけになりました。

吉村健佑
(笑)

木下喬弘
いや良かったです、勉強になりました。

吉村健佑
いえいえ、日本はこういう状況です。ありがとうございました。

木下喬弘
ちょっとパクチー入れすぎたかもしれない。

吉村健佑
パクチー入れすぎた?

木下喬弘
あっごめんなさいなんでもないです。

吉村健佑
(笑)
じゃあこれでいったん締めたいと思います。
挙手頂いた方ご質問に答える時間が取れずに申し訳ありません。
わたしの担当はまた来週以降もあると思いますので、皆さんよろしければお聞きください。
では日本の皆さん今日も元気にお過ごしください。

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