見出し画像

誤情報に正しく向き合うために何をすべきか(5月27日こびナビTwitter spacesまとめ)

2021年5月27日(木)
こびナビの医師が解説する世界の最新医療ニュース
本日のモデレーター: 峰宗太郎


【オープニング】17年ゼミ・鳴き始める

木下喬弘
今日だれ?

峰宗太郎
今日は👶ですね
👶です
👶ですよ
👶なんですよ
👶なんですよこれがまた

みなさん、いかがお過ごしですか。
こちらメリーランド州はちょっと蒸し蒸ししていまして、今日は30度ぐらいまで上がりました。そして今日からセミが鳴き出しましたね、安川先生。

安川康介
いや、すごかったですね。
Twitter にアップしました🥦

峰宗太郎
僕もアップしようかと思ったんですが、先を越されたのでやめておきました。
ジージーギャーギャー鳴く、あまり品のないセミなんですよね。

この17年ゼミは、周期性を持った素数ゼミとも言われていますが、大量に発生して道などは足の踏み場がないほどで、セミを踏んで歩いています。

このセミは不良品のような個体が多いようで、羽がぐちゃぐちゃで飛べないような可哀想な子も結構いるんですよね。たくさん生まれて、生存戦略として生き残ってくれる個体が少しでもいれば勝ちみたいな、そういう何かを見せつけられますよね、安川先生。

安川康介
そうですね。
食べられちゃったものもいますよね。

峰宗太郎
そうなんですよ。
道に落ちているセミを見ると僕もこれなのかなと思って、なんだか虚しい気分になりますよね……👶

みなさんから何かありますか。

岡田玲緒奈
ところで峰先生、ツイートしました?
スペースの告知ツイートをしてほしいというマシュマロがありましたよね。
※編集注:ブラウザ版Twitter からスペースに入るにはツイートでの共有が必要です

峰宗太郎
そうなんですよ、これどうやるのかわからないんですよね。

岡田玲緒奈
右下の矢印を押して「ツイートで共有」だと思います。

峰宗太郎
おおー。
では「やってまーす」でいいですか?
※編集注: ここで超速ツイート

木下喬弘
「やってまーす」つぶやくの早いな🔥

峰宗太郎
👶


【テーマ】デマに惑わされないために

峰宗太郎
今日はスピーカーのみなさんとお話したいテーマがあります。
デマを叫んだり流してしまうことがどれだけ深刻かという話です。

《様々なデマ》***以下まとめてデマと表記***

・ミスインフォメーション(misinformation)
ミス=間違い/間違った情報

・ディスインフォメーション(disinformation)
ディス=ディスる/かき乱す、意図的に流される間違った情報

・陰謀論(conspiracy theory)

・印象操作


実は今朝(日本時間の昨夜)こびナビで会議をしたのですが、その時にこの話題ですごく盛り上がりまして、こびナビメンバーもいろいろ思われていることがあるんだなと感じたんですよね。そこで今日はデマについて考えてみたいと思います。


【テーマ】デマに惑わされないために(1)情報収集のしかた

最初に述べておきたいのは情報収集のしかたです。
いま聞いてくださっている900人以上の方は、医師の中でもこびナビに関わっている人々をフォローし情報取得をしていただいており、しっかりした情報源にたどり着いている可能性が高いんですよね。

ただ、情報源は非常に重要です。
これはいつも私が言っており、もう耳タコだよという人もいるとは思いますが、一番重要なのはやはり公的情報なんですよね。

・公的機関が出している情報を複数個含む、準公的な団体などが出す情報も複数個含む、そういう状態の情報源を取っておく
・自分で情報を集めてよくよく複数比較してクロスチェックを行い、妥当なラインを知りながら情報を解釈していく

という一連の作業がとても重要です。

特に排除しなくてはいけないのは、
テレビで言っていたから、新聞に書かれていたから、誰々が言っていたから(名誉教授の誰々、何とか賞受賞者の誰々、ウイルス学者を30年やってた誰々など)というものです。

また、医師という肩書きや、〇〇の専門家というだけで信じてしまうなどの、属人的・権威主義的・形式的な信用のしかたはとても危ないんですよね。

情報は、情報の中身で取っていくことが重要です。
これも耳タコだよと言われそうですが、本当に重要だと思っています。

ところが世の中には、情報を一つ一つ精査する時間がなかったり、そういう手間をかけることが重要だということに到達しておられない方がいるんです。そういった方たちは、デマ情報がちらっと入ってきてしまうと心理的に不安になったり、感情に作用したりして、理性的に否定するのがとても難しくなるんですよね。

印象操作という言葉がよく使われますが、そういった状況に陥ってしまうことも多く、そのような情報が流れている現状を何とかしなくてはいけません。

またデマに関しては、正確な情報発信を期しているところや公的機関で、COVID-19 が始まる以前から長きに渡って問題視されているというのが世界的な流れだったんですね。特に、ワクチン躊躇(vaccine hesitancy)、ワクチン否定(vaccine denier)に対してどのように向きあうかなどが話題になっています。


【テーマ】デマに惑わされないために(2)デマはどこからくるのか・元は12人

デマは一体どこからくるのかを考察してみます。
最近、ワクチンに反対する意見(デマ、ほとんどが妄想や嘘)について、ネット上に流れているものの60数%は、元をたどるとわずか12人が流しているという調査結果が出ました。

The Disinfomation Dozen
https://www.counterhate.com/disinformationdozen
出典: CCDHサイト

12人を多いと捉えるか少ないと捉えるかは別として、それだけ情報というのは拡大され、増幅されて流れるわけです。実際デマは根拠なく作られている話であり、誰かが頭の中で作り上げて→それを大きな声で叫んで→そして流すという状況です。この流れの話も皆さんからご指摘あれば、いろいろ検討していただきたいと思います。


【テーマ】デマに惑わされないために(3)MICEモデル

次に、MICEモデルについて考えてみます。
これは、デマを作り出す人や流す人、その動機、モチベーション、意図、狙い、は何なのかということです。

Want to Fight Insider Threats? Just Look for the MICE
https://news.clearancejobs.com/2019/08/02/want-to-fight-insider-threats-just-look-for-the-mice/
出典: clearanceJobs 2019/08/02

《MICEモデル》
・MONEY:マネー

お金、利権

・IDEOLOGY:イデオロギー
信条、政治姿勢、強力なもの

・COMPROMISE:コンプロマイズ or COERCION:コエルション
妥協、強制力
自分が取り込まれてしまっている考え方や姿勢に対して、自分の内面との整合性をとらせるための心理的な要素など

・EGO:エゴ
自我、自己肯定、承認欲求
斜(はす)に構えている中二病のような人に多いか?


MICE はマイスと読み、ねずみのマウスの複数形と同じ綴りで、各々の言葉の頭文字をとっています。この MICEモデルを使うといろんな分析ができるのではないかと思います。

いまデマが最も話題になるのは SNS(ソーシャルネットワークサービス、Twitter、Instagram、Facebookなど)ですが、実は YouTube などの動画サイトに投稿したりホームページを立ち上げる人もいますし、大手メディアでも間違ってデマ情報を流してしまうということも当然起こります。

デマについては個別に、一つ一つデバンキング(debunking、ファクトチェック→検証→潰す)していきます。

このデバンキングをもぐら叩きのように行うことも重要ですが、デマがどのような過程で広がったり浸透したり人に影響を与えるかという構造や構築の解析も重要です。

そして、出てくる元となっている人たちの気持ち、動機、どういう人がそれを行っているのか、そして社会にどういう影響を与え、どれだけ害悪なのか、こういったことをみなさんで考えることも、構造的にこういったものと戦っていく・こういうものに対峙していく上でとても重要だろうと私は考えています。

これらのことをよく考えて、いろんな戦略を練りたいですよね。
ときに安川先生、YouTube でもデマは結構流れてますよね。

安川康介
そうですね。
僕はもともと YouTube で情報発信を始めて、ツイッタランドにやってきたという感じなんです。最初に YouTube でやろうと思った理由は、医療従事者で発信している人がもともと少ない上に、発信していたとしてもかなり不正確な情報を出していることもあるからです。

最近は Twitter で情報発信しはじめましたが、反ワクチンなどの方の反応は Twitter より YouTube の方が強く、(YouTube は)ものすごくコメントがつくんですよね。

そして YouTube の反ワクチンや陰謀論の動画はすごい再生回数なんです。
例えば、日本でほとんど新型コロナウイルスで亡くなっていないとか、集団免疫が獲得されたから恐れる必要はないんだとか。このような動画が数十万回も再生されるんですよね。

YouTube はSNSのプラットフォームの中でもすごく気をつけなければいけないところだなと思っています。

峰宗太郎
ご指摘のように YouTube にはデマが氾濫していますが、そういうものを発信されている方は多いんでしょうか、それとも一部の方なんでしょうか。

安川康介
絶対数でいえば、ごく一部の方だと思います。

先ほど峰先生がおっしゃった12人は、アメリカでは dozen と言います。
※編集注: 日本ではダースと言われています

もともと誤情報や偽情報を発信する日本の医療従事者は、絶対数としてはすごく少ないと思います。

ただ、SNS プラットフォームの発信はすごく声が大きく聞こえてしまいます。
例えば、ワクチンに関する誤情報・偽情報について、医師の中で賛成と反対が半々ぐらいの割合だと思ってしまったり、賛否両論のように感じてしまう人もいるようです。

よく僕の YouTube のコメント欄にも、反対派と賛成派がこれだけいるんだからお互いに議論すればよいじゃないかといった意見をいただきます。SNS の幻覚、幻想のようなものがこのような世界を作り上げてるのかなと思います。

峰宗太郎
ありがとうございます。
ときに、まともな岡田先生(笑、いろんな岡田先生がいるんですが👶)、そういった変なことをおっしゃっている方は限られてるという印象はあるでしょうか。

岡田玲緒奈
その通りでですね。
デマなどの情報に毒されている人で、私の Twitterリプライなどに持ってこられる名前はだいたい同じなんですよね。海外ではあの人とあの人、日本ではこの人とこの人、YouTube の動画ならこれとこれ、といったようにパターン化されており、その親玉はだいたい決まっています。

峰宗太郎
そうなんですよね。
Twitterマスターの Taka先生はどうでしょう。
そういった親玉感のある人の情報があるとか、明らかにこの人に影響されてるなというデマを当てられたりすることが多くないですか。

木下喬弘
まあそうですね、日常茶飯事です。
おっしゃる通り、元はだいたい決まってますよね。

峰宗太郎
そうなんですよね、結構パターン化されてるんですよね、実は。

木下喬弘
そうそう、なんか悲しくなりますよね。
自分たちの拡散力よりも向こうの方が強いということを認識させられます。

峰宗太郎
そうなんですよね。
本当に浸透力がすごいですよね。なおかつ影響されている方は、コントロールされているわけではなく、(そのデマが)どのように出てきているかを認識しないで乗っかってしまっている人も多いんですよね。

木下喬弘
そうですね。
こちらが飽きるくらい、言ってくる内容が同じですよね。

峰宗太郎
そうなんですよ。
しかし(デマを発信する人は)どんどん新規顧客を開拓しているのか、信者さんのように本当に信じてしまう方が出ているのは非常に問題だと思っています。

ときに、少し違う方向にお話を振りますが。
池田先生、アメリカでは陰謀論やカウンターヒットみたいなものはやはりたくさんあるんでしょうか。

池田早希
陰謀論を信じている人は結構いますね。
例えば私たちの感染症外来にも「本当に新型コロナウイルスは存在しないんだ」と主張する人がいますし、先天性サイトメガロウイルス感染症でフォローアップし通院している方でも「新型コロナウイルスは存在しない」と本気で思っている方もいます。

テキサス州ですと都心部はよいんですが、少し田舎の白人が多い街ではパンデミック中ずっとマスクをしていなかったり、新型コロナウイルス感染症が流行し重症化して入院している方がいるにもかかわらずコロナの存在を否定する人々もいます。

そして新型コロナウイルスワクチンも当初から接種している人が少なく、その街ではワクチンが余っているから対象年齢ではない人でも行けば接種できますよ、などの情報が回ってきていました。

峰宗太郎
なるほど、やはりこれは世界的な現象なんだなということがわかりますよね。


【テーマ】デマに惑わされないために(4)ミスバスターズ

こういったデマを退治することを、ミスバスターズ(Mythbusters)と呼んでいます。
myth は神話を意味し、buster(s) は退治して潰していく、検証して違うんだよと教えていくということを表しています。

これは WHO(World Health Organization、世界保健機関)でも行われていますし、我々こびナビでも情報の正誤をしっかり検証しようと進めています。

そこでの問題の1つめは。
情報というものは以下のようなスペクトルがあるように思いますが、どこかで線引ができるような?できないような?難しいところがあります。

《情報のスペクトル》
明らかなデマ~少し脚色されている~印象操作しようとしている~正しいけれども伝え方が悪い~正確な情報やみなさんが正しく動ける情報

もう1つの問題は。
デマだ、デマではない、という判定を誰がするのかという話です。
専門家が行えばよいとしても、ではどの専門家を信用すればよいのか……最初の権威主義の話に戻るわけです。

もし内容を精査して判定するとするなら、判定できる専門知識を全ての人が手に入れることが出来るんだろうかと思いますし、それができないのであれば結局専門家を選ぶことになります。つまり再び話が戻ってしまい、誰か専門家を介すことで権威主義や解釈主義になりかねず、かなり難しい問題をはらんでいるということです。

前回黑川先生がモデレーターの時に話題に出た、デマとどう対峙するかの NEJM(The New England Journal of Medicine)の Perspective にも書いてありますが、(デマを)診断をすることの困難さはかなりのものだと思うんですよね。

The Covid-19 Infodemic — Applying the Epidemiologic Model to Counter Misinformation
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMp2103798
出典:The New England Journal of Medicine 2021/5/12

谷口先生にお伺いしたいのですが。
僕は谷口先生の情報発信をずっと拝見していますが、本当に信頼できるものです。もちろんすごく勉強されており、背景として米国と日本でトレーニングされており立派だと思っています。

日本で、感染症専門医や医師が発表している情報でも、たまに間違っていることが混ざることもありますよね。

谷口俊文
めちゃくちゃありますよ、すごく困りますね。
いま一番困ってるのが、悪意はないんだけれども不勉強からくるデマです。これも実は悪質で、グレーゾーンのようなところを突いてくるのでみんな信じてしまうんですよね。

さらに医師や感染症専門医という肩書きがついてるので、みんなそちらに引っ張られてしまうんです。これを修正するのがすごく難しいんですよ。

不勉強からくるというのは、例えば論文のアブストラクト(要約)だけをなぞって読んで、自分の都合のいいように解釈して拡散してしまうわけです。しかし、よくよく論文やデータを読むと、全然違うじゃん、とか、かなり限られた集団でしか適用できないよね、ということも結構あります。

このように僕はいま、不勉強からくるデマに一番苦しめられてます。

峰宗太郎
そうなんです、僕も谷口先生のその問題提起をちらっと聞いた瞬間に、我が意を得たりというところがありました。

僕の場合、例えば治療については専門外でわかりませんが、(専門に近い)SARS-CoV-2 のウイルス学の基礎的なことについて、権威ある先生のツイートが間違っていることに気づくことがあります。こういうものまで含めると、どのように対処し、誰を信用するか、すごく難しいんですよ。

そういう意味での一つの解は、こびナビのように複数の専門家が集まっていたり、MICEモデルに染まってない人たちがやっていたり、といった外形的なことも少し見ていかなければならないんだろうなと思っています。

いろんな情報に右往左往される方は結構多いと思うんですが。
ひまみみ先生、実際に診療をされてると思うんですが、患者さんがいろんな情報をお医者さんに当ててくることはありませんか。

前田陽平(Twitterネーム「ひまみみ」)先生
もちろんそれはありますよね。
患者さんご自身が調べてきたこと、ネットで見たこと、自分が今までになんとなく聞いてきたことを、診療で話されるのはよくあることです。

診療であれば1対1でありご家族が来られても少人数なので、修正することはそれほど難しいことではないんです。けれども SNS のように大人数相手で向こうが拡散する側で、誰かが拡散している情報を拾っている人までカバーして修正するというのは難しいですよね。

峰宗太郎
そうなんですよね。
本当にいろんなルートで入り込んできますし、しかも流している人に MICEモデルのように悪意がある場合から、実は悪意なく不勉強や間違いから入って結局デマになってしまうというものまであるということを考えると、(カバーして修正するのは)とても大変なんですよね。

そこに加えて、正義感でデマを発信・拡散してしまう人がいるんですね。
MICEモデルだとエゴに近いことですが、これこそが正しいと信じ込んでしまうんです。

これは能力不足や思い込みの場合が多いんですが、例えば PCR検査をやればやっただけ流行が収まるという説を、全力で何の躊躇もなく言ってる方は SNS にたくさんいますよね。それも極論するならデマなんです。

例えば最近では、医師でも「絶対に空気感染がメインルートだ」と主張して意固地になっている人もいます。(このような手法は)少なくとも正しい情報提供ではなく、自分が他人に対してどのような影響を与えているかを理解せず、結局 MICEモデルに固執してしまった形でエゴやイデオロギーに入ってしまうわけです。

そういった人を変えるのは難しく、デマ自体を完全になくすということは困難です。
よって検証していかなければいけないということです。


【テーマ】デマに惑わされないために(5)議論

このようなデマにどのように対峙していけばよいか、2つの観点で、
(1)自分はどのように対応して、どういった情報発信をしてみたいか
(2)リスナーのみなさんに向けて、どういったところに注意していただきたいか

ご意見を伺いたいと思います。

まずは appetizer🥦安川先生いかがでしょうか。

安川康介
🥦です、よろしくお願いします。
いやぁこれは本当に難しいですよね。

僕からは(2)リスナーのみなさんへ。
例えばこのスペースを聞いてくださっている方の中にも、本(成書)になっているから信じられると感じる方もいるかもしれません。

Amazon で医療や新型コロナウイルスワクチンに関する書籍を検索すると、本当にもう、もう本当に、1500円も払う価値のないとんでもない本が、何百レビューもされ4.7などの非常によい評価をもらっていたりします。

こういった本の著者にお金が入るのは嫌ですが(内容確認のため)購入して読んでいます。(これらは読者を)本当にうまく騙しているんですよね。自分にとって都合のよい論文だけを取ってきたり、医師はみんな製薬会社からお金をもらっていると主張したり、あの手この手で読者を信じさせようと結構うまい手法を使っています。このような本を読んで僕にコメントを当ててくる方もいるんですね。

もちろん峰先生が書かれた本など、すごくよいものもあります。
ただ個人が書いている本は結構リスクがあり、よい本かどうかは医師であればすぐわかるんですが、医学知識がないと騙されてしまうこともあります。

あとは他の先生方と同じような話になりますが、インターネットには様々なことを発信されている医師がいますが、本当にいろんな方がいます。

一番確実なのは、やはり公的機関ですよね。学会や厚生労働省などの情報源をメインにしていただいて、それ以外の SNS の噂話や一部週刊誌の噂話といった情報を切ることがすごく重要だと思います。結構惑わされてしまうのです。これが僕からリスナーのみなさんへのアドバイスです。

峰宗太郎
本の問題は大きいですよね、僕も取り組みたいなと思っています。

ときに、Twitter の貴公子 Taka先生、情報発信をされていて今後こういうふうにやってみたいなど、ありましたらご意見をいただきたいんですけれども。

木下喬弘
あ、どうも貴公子です🔥

峰宗太郎
きゃっきゃ👶

安川康介
🥦よりいいじゃないですか。

木下喬弘
🥦に対して貴公子は気品が高すぎるから燃えかす🔥くらいにしておけという意図は伝わりました(笑)

僕からは(1)情報発信することについて。
これは理想論ですが、Twitter 上で対立軸を作ってもうまくいかない面もあると思うので、誤情報を正すこともそうなんですが、やはり信頼感のある情報提供をするということが重要だと思います。

信頼感がなければ、こちらがいくら「公的な情報源や複数の専門家の目を通ったものを見てください」と言っても声が届かないんですよね。とにかく我慢強くやっていくしかないのではないかなと思っています。

峰宗太郎
ありがとうございます。
本当に重要な指摘ですよね。
とにかく相手の物量や質単価に負けないように、コンスタントにやっていくことも大事ですよね。

木下喬弘
僕もたまに気が短くてちょっと🔥なときありますが……すみません本当に。

峰宗太郎
僕もありますよ。
たまに人のことボケと言って、めちゃめちゃ怒られたりしています👶

木下喬弘
それはあかん🔥

峰宗太郎
え、なんで👶

さて、岡田先生はどうですか、何か思われてることや、こうしたいなどのアイデアなどはありませんか。

岡田玲緒奈
僕からは(2)リスナーのみなさんへ。
先日も似たようなことをツイートしたのですが、せっかく峰先生や Taka先生、こびナビにたどり着いたのに、再びしょうもない情報を見にいかんといてくれ、というのは非常に思うところです。

峰先生を中心にみなさん仰っているように、複数の情報源を持ち、ゴミみたいな情報源はそこに含めず、他の人が言ってないような隠された真実のようなものはないと思っていただいて、複数の・多くの人が言っていることが本当なんだろうと考えていただきたいですね。もう少し素直に世の中を信じてほしいなというのが私の思うところです。

峰宗太郎
ありがとうございます、それも本当に大事ですよね。

黑川先生、何かありますか。

黑川友哉
ありがとうございます。
もう今日は僕には振られないのかと思ってドキドキしていました。

私からは(2)リスナーのみなさんへ。
先ほど出していただいた通り誤情報が広まる要因としては、
・環境や情勢の不安、今のパンデミックなど
・情報の不足、あるいは情報はあるが難しくてよくわからない
・政府主導で何かをやっているという陰謀論が走りやすい
これらが揃っているときには、不安が流布されやすいのかなと思っています。

そんな中でポジティブに生きるというのは結構エネルギーが必要なことだと思うんですよ。

一方で、自分自身のこととして、
・人は、警鐘を鳴らすことや善意のアドバイスという方向に流れやすいこと
・人は、ベースラインとして注意喚起を信じやすい状態にあるということ

これらを理解していただくことが重要なのかなと思っています。

パンデミックのような時には、どこからともなく流れてきた善意のアドバイスに関しては、少し注意して聞かなければいけないと思うんですね。

・有名人が言っていた
・聞いたこともないような副反応があるんだ
・根拠もデータもよくわからないもの、など

このような善意のアドバイスについては、ちょっと注意して立ち止まるだけでも、誤情報が広まるスピードは抑えられるんじゃないかなと思っています。このあたりに留意して情報を取捨選択していただければなと思います。

もちろん、複数の専門家によって確認された情報を信じるべきだというのは、その通りだと思います。

峰宗太郎
おっしゃる通りですね。
現在は誰でも発信者となってしまう、拡散者になってしまう世の中なんですよね。

善意で、こういった情報をゲットしたからこの人にも教えてあげようとか、LINEグループに投下しておこうとか、聞いてみようとか、そういうことをしていると実は加害者側になっていることもあるので、一歩踏み留まることがこういった情報を広げないためにも重要ですよね。

ばりすた先生どうですか、先生から見て何かありますか。

ばりすた先生
ご指名ありがとうございます。

私からも(2)リスナーのみなさんへ。
まさに黑川先生がおっしゃったことですが。
人間というものは、そもそも注意喚起されたり不安をかき立てられるようなものにすごく反応しやすいという性質があります。情報の受信者、あるいは受信者でありつつ善意で人に教えてしまう方は、このような人間の性質を自覚していただくことがまず第一歩だと思います。

実際の診療でよくあることとして、診察室の場ですごく懇切丁寧にお話をして納得してくださったのに、1ヶ月後に来院された時には不安にかられてお薬を飲んでいない……という方が結構いらっしゃるんですよね。

1回納得できても、いろんなところで目にする不安を掻き立てられるような情報(例えばご近所さんや家族、テレビや新聞、電車の中吊り広告など)により、どんどん不安が掻き立てられてしまうこともあるんだろうなと思っています。

そして(1)情報発信することについて。
我々(というとおこがましい言い方になってしまいますが)正しい情報を浸透させたいと思う側は、いろんな手段かついろんな方向性で情報提供をしていく必要があると思ってます。

例えば、こびナビでやってくださってるようにすごくいろんな情報をまとめてストックしておくという手法も1つです。また僕が個人的にやっているのは、いわゆるフルフロー型のような感じで、わかりやすいキャッチーな話題をある程度定期的に流し続ける形です。

少々不安をかきたてられる話があったとしても、わかりやすく安心できるような情報がある程度定期的に流れてくるだけでも違うのかなと思っています。
こういったやり方はどうでしょうという提案でした。

峰宗太郎
ありがとうございます。
とても大事なことですよね。
コンスタントに情報が流れてくるというのはとても大事ですね。

ときに、谷口先生に、さきほどの話の続きとして、専門家もなかなか見極めが難しい中でどういうところに着目していただきたいとか、先生はどのように取り組まれたいとお考えかをお聞かせいただければと思います。

谷口俊文
峰先生ごめんなさい、僕は的確な答えを持ち合わせていないんですが……。

(1)情報発信することについて。
昨日のこびナビ会議で、欧米は公的機関がしっかり情報発信しているのに、なぜ日本はこびナビなどのボランティア集団がやらなければならないのか、と聞かれました。

日本でも厚生労働省や国立感染症研究所など、いろいろなデータをお持ちの機関があるので、コミュニケーションに資金を投入し、わかりやすく情報発信していただきたいと思うんですよね。

もちろんこびナビも頑張りますし信頼していただきたいと思っていますが、将来的には公的機関ですよね、アメリカCDC(Centers for Disease Control and Prevention、アメリカ疾病予防管理センター) のような機関ができたらいいなと思っています。

峰宗太郎
そうですね、公的セクターの充実もとても大事ですよね。

僕は、国内にいらっしゃる感染症専門医として谷口先生を抜群に信頼していますので、今日ここで聞いていただいてる1000人以上の皆さんにはぜひ谷口先生をフォローしていただいて、情報をとっていただきたいと付け加えておきます。

さて池田先生、ラストに残しておいたんですよ、おいしいものは最後ですからね👶
iPhone Pro12で参加していただき、インスタをおすすめしようと企んでいる池田先生どうぞ。

池田早希
(笑)ではインスタは最後にデザートとして取っておきますね。

私からは(1)情報発信することについて。
谷口先生がおっしゃっていた公的機関の発信はすごく大事です。国立感染症研究所が危機管理研究センターというものを出動していますので、これからに期待したいと思っています。

そして個人ではなく、こびナビとして。
・これらの公的機関へフィードバック
・Twitter や Google、YouTube などへデマ対策をお願いする
・ワクチン接種について信頼できるかかりつけ医からの情報はとても影響を受けやすいと思うので、医療者への発信を続ける
・今後はインフルエンサー、例えば Yoshikiさんのような方とタイアップして発信できれば
と思っています。

そして(2)リスナーのみなさんへ。
一般の方がどのように情報を見極めたらいいのかということも問題です。
何が誤った情報で何が信頼できる情報なのかを判断することがとても大事だと思います。

1週間前に、こびナビ Instagram で峰先生がライブ配信をしてくださって、どのように怪しい情報から自分を守ればいいのかを、すごく系統立ててお話してくださいました。ぜひ、こびナビ Instagram をフォローしてご覧くださいね。

※こびナビ Instagram
Mythbusters #1 コロナワクチンに関する怪しい噂との付き合い方(動画)https://www.instagram.com/tv/COrQnkdjVcK/?utm_source=ig_web_copy_link

峰宗太郎
宣伝もしていただいて、とてもありがたいです。

さて時間も過ぎていますので締めたいと思います。
最後にもう一度、最初に言ったことを繰り返します。

確実な情報源はありません。
公的情報も含めて情報が間違ってることもあります。人がベストを尽くしても間違えることはあります。それからアウトオブデート、古くなってしまうこともあります。改訂作業を一生懸命行っても古くなってしまって、妥当ではなくなることもあり、見解が変わることもあります。

確実な未来予測はできません。
未来のことに言及していればどんなに一生懸命に専門家複数で議論・精査しても当たらないことも当然あるわけです。

情報自体の難しさをまず理解していただくことは大事なんですが、学術団体を含めた公的機関を中心として、よい情報源を複数持っていただきたいと思います。

こびナビだけを信奉して、こびナビだから間違いないと思ってしまうと、今日の話が全ておじゃんになってしまいます……ご留意いただければと思います。

今後も情報発信・取得について、みなさんと一緒にこびナビメンバーも考えて、このような話もしたいと思っています。

さて、では明日は岡田先生かな、あれ、誰かな。

岡田玲緒奈
私です。

峰宗太郎
岡田先生が今日の100倍面白い話をしてくれますので、今日お聞きになった方は、明日もぜひアクセスしていただきたいと思います。ではこれで締めたいと思います。

日本のみなさん、よい1日をお過ごしください。
ありがとうございました。

全員
ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?