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「失われた時を求めて」と「プルーストを読む生活」を読む 102

失われた時を求めて

11巻、212ページまで。ヴェルデュラン夫妻の主催するサロン「水曜の会」においてさんざんいじられ役だったサニエットが、後日亡くなることを示唆された。サニエットのいじられっぷりはコメディータッチに描かれているが、ただただ不憫な人物。

音楽の演奏が終わり、主催者シャルリュス男爵の前に挨拶の行列ができる。同性愛者として陰口を叩かれていても、いまだ権威は衰えていないようだ。

アイスコーヒーの記述が出てきた。幼い頃「コーヒーを冷やして飲むのは日本だけ」なんて言説を聞いたことがあったような。しかし20世紀初頭のフランス文学にアイスコーヒーの記述が存在している。日本だけどころか、フランスで昔からあったんですね。アイスコーヒーの起源が日本だなんていうのは大間違い。

今回の音楽演奏会はシャルリュス氏が企画したものだが、ヴェルデュラン邸で行われたもので、一応はヴェルデュラン夫人のサロンの一環となっている。しかしシャルリュス氏が招待した貴族たちは、シャルリュス氏にだけ挨拶して帰っていき、ヴェルデュラン夫人には誰一人挨拶をしなかった。

そのことで面目を潰されたヴェルデュラン夫人は激怒。シャルリュス氏とモレルの仲を割くために、モレルにシャルリュス氏とヴェルデュラン夫人の「水曜の会」のどちらかを選ばせようと企む。「失われた時を求めて」ではお馴染み、社交界にはびこるくだらない人間のどうでもいいやっかみ。

プルーストを読む生活

542ページまで。引用祭りが終わった。8月14日から8月21日まで一週間夏休みだったようで、その間は全く本を読まなかったそうだ。引用されていた文は去年読んだ内容だとか。手抜きにも拍車がかかっている。と思っていたらまた引用が始まった。この本は半分が別の本の引用でできているのではないか。そして今回も「失われた時を求めて」には一切触れないまま、読んだページ数だけが飛ぶように進んでいる。きっとまた追い越されている。

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