「失われた時を求めて」と「プルーストを読む生活」を読む 119
失われた時を求めて
13巻、235ページまで。サン=ルーの言葉で、また失われた時が出てきた。
このやりとりは、かつてドンシエールの駐屯地で戦略について語り合っていた頃のことを二人が思い出し、実際に戦争が始まってしまった現在から振り返っている部分。戦争に入ってからは、この小説の様相も変わってしまった。作中の人物でさえ、その変化を嘆いているように見える。
しかし「失われた時を求めて」には、戦争に入ってさえ変わらない人物がいた。サン=ルーと別れた翌々日、その人物と出くわす。それは、シャルリュス男爵である。社交界からは遠ざかったが、相変わらず放蕩生活を続けている。シャルリュス氏のその後と、仲違いしたモレル、そして仲違いを企てたヴェルデュラン夫人の近況が語られる。ヴェルデュラン夫人に至っては、戦場がパリに近づいてきてもサロンを開催し続ける。自分の見栄にしか関心のない俗物として、2巻から徹底して描かれている。
シャルリュス氏とヴェルデュラン夫人、この二人は前述されていたサン=ルーやジルベルトの近況と対照的だった。戦争に巻き込まれ、変わっていくことを嘆く人々と、変わらない人たち。コメディのようだ。
プルーストを読む生活
631ページまで。台風でなにかのフェスが中止になったようだ。そしてまた低気圧による頭痛の話。自分も昔は頭痛がひどかった。いつだっただろう、高校から大学ぐらいだった気がする。頭痛がひどかった記憶は、実家の部屋と結びついている。本当だろうか。実家の冬がとてつもなく寒かったからかもしれない。頭痛薬は飲まなかったから、それほどではなかったのか、ただ薬を嫌っていたのか。昔のことははっきり覚えていない。胃薬はよく飲んでいたような気がする。
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