シェンムーやってた

先日急に寒くなったタイミングで風邪らしきものをひいて、頭痛くて鼻も調子悪くて寝込んでいたら、くしゃみをしたはずみでギックリ腰になった。今座った状態から起き上がったり、寝ている状態から起き上がるのに勇気を持って試練に立ち向かわなければいけない。だからシェンムーやってた。朝から夕方まで延々と。

ドリームキャストを自宅から持ってきて、20年近くぶりに起動してまだちゃんと動いた。最近シェンムー3が出たということでファン界隈が盛り上がっており、熱に当てられて1,2をメルカリで購入。

シェンムーは日本よりも海外で売れた作品だそうだ。1986年の横須賀、どぶ板通り商店街を舞台として再現しており、外国人からすればファンタジーであるニッポンで、ニッポン人として過ごす日常を追体験できるゲームということで話題になった。ゲームライターのオランダ人、クラベ・エスラ氏はシェンムーのジャンルを「ライフシュミレーター」と表現している。ニッポンでの生活シミュレーションゲーム。

実際プレイしてみると、ゲームとしてはフラグ進行形のアドベンチャーゲームだった。会話からヒントを見つけ、正しい行動をすることで先に進めるようになる「逆転裁判」のようなゲーム。ただし「逆転裁判」のようなアドベンチャーゲームとは進め方が違い、3Dのキャラクターを動かして街を移動したりときどき戦闘があったりする。果たしてこれはおもしろいのか?

シェンムーにはまった人はたくさんいて、同時にクソゲーだと言う人もいる。評価が極端に分かれる。万人に向けたおもしろいゲームではない。アドベンチャーゲームの進化系ととらえた日本人は、なんとなくイマイチに感じたか、クソゲーだと思ったのかもしれない。「これは日本人に生まれた人生を追体験するライフシュミレーターなんだ!」と感動した外国人にとっては、革新的なゲームだったのだろう。

シェンムーファンの熱に当てられると、このゲームをすごいものだと認識してなんだかおもしろいように感じる。でも、そこで期待しすぎるとかえってつまらなくなる。このゲームをおもしろく遊ぶには絶妙なバランスが必要だ。ファンコミュニティと一体化することでより楽しめるという点においては、ファンが熱い分重要なポイントだろう。宗教のようだ。

僕は陳大人に会ってこれからお金を工面しなければいけないところまで進んだ。普通にゲーム進めているだけではこのゲームを味わい尽くせないんだろうな。登場人物の表情、挙動などいろいろと突っ込みどころが多い。涼の福さんに対する態度とか。他にも例えば、船員を探すときMJQにいるビリヤードの外国人がキーマンだと思っていた。話を聞こうとすると「ワンショットで入れたら何でも話してやるよ」と言われ、ビリヤードゲームが始まる。

そして案の定失敗する。するとバーボンを奢らされ、店を追い出される。もう一度店に入って外国人に話しかけたら、相手にされなくなった。これは明日出直すしかないなーと思い、丸一日待って夜にMJQに行った。ビリヤードをしている外国人に話しかけたら、昨日のビリヤード後と同様相手にされない。ええー!!ビリヤードゲームってワンチャンスしかないの?!そんな仕打ちないだろう、もう先に進めない、詰んだ、こんなゲームありか。

多分このゲームは、他にやるゲームがないときに時間をかけて、それこそ1986年横須賀の芭月涼の人生を追体験するように、じっくりとプレイすることで味わいが出てくるタイプのものなのだろう。ジャンルの型にはまった、ゲーム的な楽しみを期待するのは、間違った遊び方なんじゃないだろうか。

シェンムー3は先月に、2から18年ぶりに発売された。ハードはPS4。やりたいけどさすがにPS4買ってまではやらないだろうなー。

「本とかの店」では、ときどきシェンムーで遊んでいます。プレイの様子を見たい方、遊んでみたい方はどうぞ立ち寄ってみてください。


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