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【音楽×珈琲 鑑賞録】4月12日~ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン ミサ・ソレムニス

音楽観を鍛える鑑賞録。
4月12日のテーマは、【作曲・演奏】

とりあげる作品は、
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン /
ミサ・ソレムニス
です。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Ludwig van Beethoven
1770年12月16日頃 - 1827年3月26日
ドイツの作曲家、ピアニスト。

今日は「ミサ」について知識を深めましょう。
ミサはキリスト教カトリック教会などで行われる典礼ですが、宗派によって別名や内容も異なります。ここではルドルフ大公、カトリック教会に献呈したミサ曲について記していきます。

ベートーヴェンのミサ・ソレムニス ニ長調 作品123は、
1823年に完成された晩年のミサ曲です。
式文を唱えて行われる「読唱ミサ(missa lecta)」、
歌唱によって行われる「歌ミサ(missa cantata)」、
そして、主司式司祭と助祭・副助祭による読唱ミサに、合唱による歌ミサを伴うものを「盛儀ミサ(Missa solemnis)」と呼びます。
音楽用語では「荘厳ミサ曲」と訳されることもありますが、日本カトリック教会では、現在は荘厳ミサを廃して「盛儀ミサ」を正式名としているそうです。

この盛儀ミサのなかでも、ベートーヴェンのものは代名詞的存在。
晩年のベートーヴェンによる気合いの入った作品で、通常文である、
キリエ(Kyrie)
グローリア(Gloria)
クレド(Credo)
サンクトゥス(Sanctus)/ベネディクトゥス(Benedictus)
アニュス・デイ(Agnus Dei)
の演奏時間は約80分(各10分、18分、20分、16分、16分)。
という「ミサ通常文」で歌われるもののなかでも、壮大かつ豪勢でパワーがあります。まさしく「荘厳」というにふさわしい音響です。

ベートーヴェンが晩年にかけて、命を燃やし尽くして描いた音楽は、圧倒的エネルギーの発露であり、この同時期に手がけていた「第九」とともに、全身全霊をかけるとはどういうことかを窺い知れる音楽です。
終幕の予感があるから集大成への意欲が高まり、この大曲に到ったのかもしれませんが、この域に達するには生半可な積み上げでは到達できなかった。
その熱量がまさしく「音圧」になり、圧倒的な迫力をもたらしています。

ベートーヴェンの魅力を改めて知り、
こうした宗教曲、想いの載った音楽を窺い知ると、
音楽への興味関心がより重厚になりますね。

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