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【音楽×珈琲 鑑賞録】7月21日~ニコロ・パガニーニ 24のカプリース

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【164日】
7月21日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
ニコロ・パガニーニ /
24のカプリース

です。

ニコロ・パガニーニ
Niccolò Paganini
1782年10月27日 - 1840年5月27日
イタリアのヴァイオリニスト・ヴィオリスト・ギタリスト・作曲家

今回とりあげるパガニーニの24のカプリース(24 Caplicci)は、24の奇想曲というタイトルもあり、パガニーニの演奏技術を見せつけるための24のヴァイオリン独奏曲です。

有名なのは終曲の第24番イ短調クアジ・プレスト(Quasi Presto)で、この難曲に取り組むヴァイオリニストや編曲された作品の音像をいくつか見受けることができます。
冒頭の旋律から耳に聞き覚えのある楽曲で、緊張感を伴った演奏に舌を巻きます。
一聴すれば、ヴァイオリンに覚えのない人も、
「これはヤバいやつや」と固唾をのむような技巧が見聞きできますが、
フレーズが弾けるというだけでも限られるなかで、圧倒的表現力を伴って演奏できる人の映像を観ると、世界にはとんでもない人がいるなぁと、ただただ感嘆としてしまいます。

この作品群は1800年から1810年にかけて作曲されたであろうものですが、この作品群からさまざまな作曲家や演奏家が触発され、編曲や改編などに取り組んでいます。有名なのは、フランツ・リストやシューマンによるピアノ編曲版で、おそらく、そのほかにもたくさんの音楽家がこの作品から自らのスタイルを磨いていったことでしょう。

いつの時代も、速い・上手い・凄いは羨望されています。
今現在においても、超絶技巧者は人気があるわけですが、その源流であるパガニーニの音楽は技巧だけでなく、色褪せない驚きと輝きがあります。
基礎となる人体の構造はほとんど変わっていないにも関わらず、演奏技術という枝葉は伸びに伸び、まだまだ成長が止まる兆しもない。人間のフィジカルへの挑戦が更新し続けているなか、200年経っても凄みが失われないアート作品がある。
そういった奇跡を目の当たりにしながら、翻せるものに挑戦する姿勢こそ忘れないようにしたいものですね。

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