【音楽×珈琲 鑑賞録】12月11日~エドゥアルト・シュトラウス1世 ポルカ「テープは切られた」
音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【21日】
12月11日のテーマは、【ジャンル】
とりあげる作品は、
エドゥアルト・シュトラウス1世 /
ポルカ「テープは切られた」
です。
エドゥアルト・シュトラウス1世
Eduard Strauß I.
1835年3月15日 - 1916年12月28日
オーストリアの作曲家・指揮者
『テープは切られた』(Bahn frei!)作品45は、エドゥアルト・シュトラウス1世が1869年に作曲したポルカ・シュネルです。
1869年のこの年は、カイザー・フェルディナント・北部鉄道が開業30周年を迎えており、それを記念して舞踏会を開催、エドゥアルト1世はその舞踏会用の音楽依頼に応えて作曲。
初演は同年の2月17日にディアナザールで催されていた舞踏会にて行われました。
この鉄道会社は、オーストリア最初の蒸気機関鉄道で、現在に続くオーストリア連邦鉄道、オーストリアとドイツ・チェコ・ポーランドを結ぶ南北連絡列車として営まれています。
列車の速さを表現するため、ポルカ・シュネルというポルカ(舞踏音楽)のなかでも早いテンポの音楽を採用しています。
シュトラウス一族のまさにお家芸と言える舞踏曲で、ピッコロとフルートの高い汽笛を皮切りに、演奏時間約2分ほどの小気味よい作品に仕上がっています。
エドゥアルト1世は、ヨハン・シュトラウス1世の四男、ヨハン・シュトラウス2世とヨーゼフ・シュトラウスの弟、息子はヨハン・シュトラウス3世、孫はエドゥアルト・シュトラウス2世と、見事なまでの音楽血族のど真ん中にいるような存在であり、現在唯一のシュトラウス姓を継承している家系です。
世界でも稀にみる音楽界の伝統を受け継ぐ一族も後継者が少なくなり、本家が伝えられるものは失われつつあるようですが、築いてきた歴史と美しい音楽作品が多くの人々の介在で継がれていく限り、その栄光が忘れられることはないでしょう。
血でなくても、意志のある行動をとり続けていけば遺したいものが遺ることもあるということを教えてくれているようですね。
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