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【音楽×珈琲 鑑賞録】6月26日~ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 『ヴァイオリン・ソナタ』第5番「春」

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【189日】
6月26日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン /
『ヴァイオリン・ソナタ』第5番「春」

です。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Ludwig van Beethoven
1770年12月16日頃 - 1827年3月26日
ドイツの作曲家、ピアニスト

ヴァイオリンソナタ第5番 ヘ長調 作品24 (The Violin Sonata No. 5 in F major, Op. 24)は、ベートーヴェンが1800年から1801年にかけて作曲された、現在も人気の高い作品です。

明るく幸福感のある曲想から「春」(Spring Sonata)という通称がついています。
ベートーヴェンが名付けたわけではなく、この音楽を愛好する人たちによる自然発生的に名付けられました。

この作品のエピソードには、前時代から続いていた「ヴァイオリンの伴奏つきピアノ・ソナタ」という形式から、「ヴァイオリンとピアノによるソナタ」に発展させた転換点というものがあります。
以前はピアノが主でヴァイオリンが従の関係だったところをベートーヴェンはより芸術度を高めるために意匠を凝らした意欲作です。

考えてみれば楽器に上も下もないわけで、形式は自由なはず。
それが図らずもセオリーが生じ、楽しみ方も形式化していきました。
こうして「常識」になってしまう。
そうなってしまえば、考え及ばないところで主従関係が固まるのも当然です。
固まった価値観で生きる人々によっては、
波風を立てること自体が奇異で嫌悪を覚えてしまうことでしょう。

公平や平等の正義は認めても、
それを覆すことはタブーになってしまうよくある話。
ベートーヴェンがこうした無意識下で繰り広げる、差別とも区別ともつかない主従関係を発見し、それを是正した行動が偉業です。

現代に生きるわたしたちの身の回りでも、
あまねく主従関係が構築され、望まない格差が生じています。
音楽を含むアートは、炭鉱のカナリアともいうべき警笛を鳴らす役割もあるのです。

とくに音楽は多様な音色が渾然一体となって美を形成するダイバーシティの象徴のようなアートワーク。
(これも偏見かも)

ともかく、正義と倫理が偏った欲望に飲み込まれ、
幸福の均衡が崩れていくことが察知できるのなら、
きちんと声を上げなければなりません。

ベートーヴェンが見出した、不平等な関係に気づき、是正する行動。
わたしたちはこうした視点をも含めた学びを、
現実で発動していきたいものですね。

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