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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月31日~バルトーク・ベーラ 中国の不思議な役人

音楽観を鍛える鑑賞録。
1月31日 本日のテーマは、
【ジャンル】
とりあげる作品は、
バルトーク・ベーラ /
中国の不思議な役人

です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。

バルトーク。1881年にハンガリーに生まれ、民族音楽研究のためアメリカに移住し1945年64歳で亡くなる。
この楽曲は、ハンガリー時代の1925年に作曲。
パントマイムのために作られた舞台音楽で、『中国の不思議な役人(ドイツ語:Der wunderbare Mandarin、ハンガリー語:A csodálatos mandarin、英語:The Miraculous Mandarin)』は、バレエ音楽として用いられることも多いそうです。

この楽曲を聴いた印象としては、非常に難解というもの。
どこかオリエンタルな感じを出しながら、ミステリの雰囲気が強く、緊張感がほとばしる。
途中、なんとなくですが"RPGゲーム:ドラゴンクエスト"の雰囲気があるなぁと思わされる部分もあり、スペクタクル感を大いに楽しむことができました。

参考書籍の解説に、
「変拍子が多く、テンポの変化が多彩なため、いまでもこの曲は指揮科のレッスンでよく使われています。」
とあり、今回は特に指揮者の所作に注目してみました。
素人目線ですが、この楽曲での指揮は、演奏への示唆を強く出している気がしました。他の交響曲に比べてより指示が明確で、アクションが大きい。
そのためか熱のこもった演奏が醸されて、楽団の個性がよりはっきり浮かびあがってくる。指揮者によってかなり印象の違う演奏を楽しめるものだろうなと思います。

バルトークは、この楽曲を「音楽を伴うパントマイム」だと強調していたそうですが、交響曲では指揮者がパントマイマーとして、作品を統べる。
まさに黙劇の役者として、背中越しの演技から発されるものを読み解きたくなるものでした。

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