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【音楽×珈琲 鑑賞録】8月14日~カール・オルフ カルミナ・ブラーナ

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【140日】
8月14日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
カール・オルフ /
カルミナ・ブラーナ
です。

カール・オルフ
Carl Orff
1895年7月10日 - 1982年3月29日
ドイツの作曲家

今回とりあげるカルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)は、ドイツ南部にあるベネディクトボイエルン修道院で発見された詩歌集で、112枚の羊皮紙に古い歌が約300編記載されたもの。
これをドイツの作曲家カール・オルフが舞台形式のカンタータとして24篇選び、1836年に作曲。1837年にフランクフルト歌劇場で初演されたそうです。

この作品の特長として、導入部とエピローグで演奏される「おお、運命の女神よ(合唱)」(O Fortuna (Chorus))があります。
モーツァルトの「怒りの日」を彷彿とさせるような音楽で、打楽器の使用が目覚ましく、クラシカルでありながらロック・スピリットを想起する音楽です。
世界各国でさまざまにタイアップされているのも納得できます。
この部分だけでも素晴らしく価値のある音楽ですが、約1時間の演奏時間で展開される24篇の詩世界がどれも出色の聴きごたえがあります。
どの歌詞もストーリーがシニカルで、普遍的な世界観を見せ、歌詞もしっかり追っていたくなります。
音楽面では男声・女声合唱、ソプラノ・テノール・バリトンなどの独唱と展開は飽きなく、オーケストラ演奏も快活で見事な仕様です。

カルミナ・ブラーナは、1847年に編纂出版された詩集ですが、13世紀前半ころに寄せ集めた詩集が現代にも通じる普遍的内容だったというのは興味深いところです。
日本にも万葉集のような作品がありますが、こうした誰とも知らない詩歌のなかに人間の本質を突いたような優れた作品が眠っていたというのはロマンがあります。
世界を観察し、遺したい言葉を見つけ、それを記録しておくことは悪くないと思いました。
どこでいつ、どうなるかは分からない。
だからこそ、発見されたときのためにも、快いかたちで迎え入れてもらえるようにはしておきましょう。

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