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【音楽×珈琲 鑑賞録】11月20日~フランソワ=ジョセフ・ゴセック ガヴォット

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【42日】
11月20日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
フランソワ=ジョセフ・ゴセック /
ガヴォット

です。

フランソワ=ジョゼフ・ゴセック
François-Joseph Gossec
1734年1月17日 - 1829年2月16日
フランスで活躍したベルギー出身の作曲家、指揮者

ゴセックは「フランス交響曲の父」と愛称があるくらい30曲もの交響曲を書き、さまざまなジャンルにまたがる音楽を手がけた作曲家でした。
95歳というこの時代としては大いに長生きをされた人物で、バロック音楽からロマン派まで、音楽の激動の時代を体験した稀有な人でもあります。

「ガヴォット」(Gavotte)ニ長調は、1786年に作曲した小曲で日本ではゴセックの作品のなかで最も聴き馴染みのある楽曲です。
「ガヴォット」という名称は、フランスの地方のフォークダンスと、それに由来する古典舞曲を表すものとして、多くの作曲家が取り組んでいます。
ミドルテンポの舞曲で、4分の4拍子か2分の2拍子で記譜されています。
リズムに特徴があり、小節の半ばかアウフタクト(弱起、弱拍部分)で旋律が始まるものですが、ゴセックのガヴォットは小説半ばの強拍部分から始まっています。

元々は、歌劇『ロジーヌ』(Rosine, ou L'épouse abandonnée)の中の曲を、ドイツのヴァイオリニスト、ウィリー・ブルメスターがピアノ伴奏つきのバイオリン独奏曲に編曲したものが広まり、現在にも引き継がれています。

冒頭から一発で耳馴染める可愛らしい旋律で、あっというまに口ずさめるものですが、よくよく傾聴するとスタッカートやしゃくりのニュアンスなど演奏家によって千差万別の技巧とセンスが問われる作品だと感じられます。
中間部の優雅な調べも、時代と弾く人の表現、考え方によって音響も違ってくるので、聴き比べすると面白い作品です。

シンプルだからこそ時代を超えて愛好され、それでいて奥が深い。
改めて古典の面白さ、クラシックの懐の深さが窺い知れる楽曲でした。

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