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【音楽×珈琲 鑑賞録】7月24日~ジャック・イベール フルート協奏曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【161日】
7月24日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
ジャック・イベール /
フルート協奏曲

です。

ジャック・フランソワ・アントワーヌ・イベール
Jacques François Antoine Ibert
1890年8月15日 - 1962年2月5日パリ生まれのフランスの作曲家

今回とりあげるイベールのフルート協奏曲(Concerto pour flûte et orchestre)
1932年から1933年にかけて手がけられました。
6月10日に記事にした交響組曲「寄港地」とともに、イベールの代表作であり、フルート協奏曲というジャンルにおいては、モーツァルトの第1番・第2番と並ぶほどの傑作だと言われています。

楽曲分析してみます。
第1楽章 Allegro ソナタ形式、ヘ短調(F Minor)
階段を駆け上がったり下りたりするかのような奏法が聞き取れます。
展開部でティンパニの強打を合図に無窮動的動きをしながら突然的に集結。
第2楽章 Andante 三部形式、変ニ長調(D♭ Major)
フルートの優雅さとオーケストラの伸びのある演奏で聴かせます。
再現部においてフルートとヴァイオリンの二重奏が聴かれ、競演しているかのような楽しみかたもできる仕上がり。
最後はトニックで終わり、安定感のある聴き心地。
第3楽章 Allegro scherzando ロンド形式、ヘ長調(F Major)
イベールの特徴とも言えそうな、軽妙で跳ねた導入から始まります。
どこぞのRPG戦闘曲のような聴き心地を覚えながら、フルートが縦横無尽に吹きまくり、演奏者の力量を表すかのようなカデンツァが聴きごたえあります。
最終部になると、フルート独奏の緊張感を演出し引き込ませたあと、怒涛の展開で帰結します。最後はブラボーと言える終わりかた。

交響組曲「寄港地」でも思いましたが、吹奏楽器の扱いかたが巧みだと感じ入りました。そして、パリっ子の圧倒的エレガントで優雅な調べ。
異国情緒を巧妙に挿入するエスプリも利いていて、審美眼が卓越していることを窺い知れます。
音の配置と楽器の特性を活かした作品。
吹奏楽の真髄を学ぶとともに、アートワークに導入する際、音配置のレファレンスとなる作品になりました。

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