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【音楽×珈琲 鑑賞録】7月19日~エドヴァルド・グリーグ ピアノ協奏曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【166日】
7月19日のテーマは、【曲・演奏】

とりあげる作品は、
エドヴァルド・グリーグ /
ピアノ協奏曲

です。

エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ
Edvard Hagerup Grieg
1843年6月15日 - 1907年9月4日
ノルウェーの作曲家

今回とりあげるピアノ協奏曲イ短調作品16 (Piano Concerto in A minor, Op. 16)は、1868年作曲。グリーグにとって唯一の協奏曲でありながら、誰もが知る有名曲です。
前回記事にした劇音楽・組曲『ペール・ギュント』『朝』の旋律にも負けず劣らずの一聴しただけでメロディの美しさに聴き惚れる音楽。
冒頭の旋律は、ノルウェーのフィヨルドから降り注ぐ滝を模したものだと言われています。その急激に流れ落ちる様のような雰囲気を見事に表していて、描写とはこのような表現をいうのかもしれません。
第2楽章はアダージョで、穏やかな旋律が独特です。
第3楽章はアレグロ・モデラート、軽快な音像のなかに急展開をもたらすような仕掛けで、最後は壮大に盛り上がり、大いなるものを讃えるかのように力強く帰結します。
総じて、「畏怖」を彷彿させる音響が胸を打ちます。
言葉はなくとも、曲がもつバックグラウンドから想像が膨らみ、見えてくる印象的な景色を浮かび上がらせ、行ったこともない景色に想いを馳せられる。
そんな聴衆も参加型の音楽体験ができる稀有な作品です。

ノルウェーの民族音楽から着想を得て、国民楽派の作曲家として有名ですが、グリーグほど自国の自然を象徴する音楽を表出しながら、多くの人々を魅了できた作曲家は類を見ません。
アートワークを手がけるクリエイターはいずれも、歴史と環境、社会のなかで生きているわけで、各々の背景を投影した作品が表出しているはずです。
グリーグの作品にはそれがありありと浮かび上がる。その仕組みはどのようなものなのかを学び得たいところです。

自分なりに翻してみると、
いまここにある自分は世界の一部であることを自覚し、相応の振る舞いをする。そして、その先に在るものを受け入れていくだけ。
そうした事態に反駁せず、行き着く先が快いものであれば幸運というくらいに受け入れる感慨を持つ。
そうしたフラットでフリーな気持ちを表現していきたいですね。

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