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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月23日~ジャック・オッフェンバック オペレッタ『天国と地獄』より「序曲」

音楽観を鍛える鑑賞録。
1月23日 本日のテーマは、
【主題】
とりあげる作品は、
ジャック・オッフェンバック /
オペレッタ『天国と地獄』より「序曲」

です。

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オペレッタとは「小さなオペラ」、いわゆる軽妙で喜劇的な19世紀から始まったオペラの進化形です。
このオペレッタ『天国と地獄』は、その中でも群を抜いて知名度の高い楽曲です。たぶん日本でも第三部の部分を知らない人はいないでしょう。運動会といえば、これ以外ないと思えるくらいです。
しかしながら、この部分を「カンカン」や「ギャロップ」というダンスの伴奏であったことも、長大なオペレッタの一部であるということも、ジャック・オッフェンバックという作曲家の名前も、さらにはこの序曲自体がオッフェンバックが手がけたものとは言い切れないということも知らない。
「運動会の音楽といえば?」と問われれば、この音楽は思い浮かべられても、言葉は出てこない人はたくさんいることでしょう。
わたしもその一人でした。
今回の学びがなんの役に立つかもわかりませんが、薄皮一枚だったとしても確実に知識の層に厚みが生まれたことは確かです。

そして、このオペレッタは、「オルフェオとエウリデイーチェ」というオペラ・セリアの古典のパロディです。
これまたご存知の、"死んだ妻を探して地獄に赴き、妻を連れ戻す際に後ろを振り返ってはいけない、からの振り返っちゃったらギャー!"が元ネタです。
そのストーリーをパロディにして滑稽に改変し、当時のフランス社会が抱えていた偽善性や矛盾を風刺した作品とのこと。
なるほど、だからこの音楽がフレンチカンカン、ひいては運動会のドタバタ感につながるのかー。と思いながら、このオペレッタや社会現象を引き起こしたオッフェンバックは偉大な作曲家だと思いましたが、この序曲を手がけたカール・ビンダーはもっと評価されていいとも思いましたね。

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