見出し画像

【音楽×珈琲 鑑賞録】7月29日~オリヴィエ・メシアン トウランガリア交響曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【156日】
7月29日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
オリヴィエ・メシアン /
トウランガリア交響曲
です。

オリヴィエ=ウジェーヌ=プロスペール=シャルル・メシアン
Olivier-Eugène-Prosper-Charles Messiaen
1908年12月10日 - 1992年4月27日
フランス、アヴィニョン生まれの現代音楽の作曲家、オルガン奏者、ピアニスト、音楽教育者

今回とりあげるトゥーランガリラ交響曲(La Turangalîla-Symphonie)
オリヴィエ・メシアンの最初の大規模な管弦楽曲で、彼の代表作のみならず現代音楽の代表作と呼ばれているそうです。

この曲の題名「トゥーランガリラ Turangalîla」は、2つのサンスクリット(梵語)“Turaṅga”と“Līlā”に由来しており、これらの言葉は古代東洋言語の多くの例に漏れず、非常に幅広い意味を有し、“Turaṅga”は「時」「時間」「天候」「楽章」「リズム」など、“Līlā”には「遊戯」「競技」「作用」「演奏」あるいは「愛」「恋」「恋愛」などといった意味があるとしており、この二語からなる造語“Turaṅga-Līlā”には「愛の歌」や「喜びの聖歌」、「時間」、「運動」、「リズム」、「生命」、「死」などの意味がある。

とのことで、まさに現代音楽の極み。
不可思議で幻想的、すべてを内包するかのような意味合いを音楽に詰め込んだ作品ということでしょう。

聴けば、独創的な独奏ピアノ、そしてオンド・マルトノの響きが作品を特徴づけています。
今回とりあげるまでオンド・マルトノという楽器を知りませんでしたが、この機会にオンド・マルトノの奥深さを知ることで、メシアンの思惑も深まった気がします。

オンド・マルトノの詳細や音色は調べればすぐに出てきますが、もっとも興味をひかれたのはリボン奏法。
楽器としての規模のデカさ、奏法の特殊さ、ニュアンスの繊細さ、音としてまさに波動を感じさせる響き、表現の幅が豊富なのがとても魅力的でした。

フランスで生まれた楽器なのに、東洋的な響きがあり、マッシュアップされた楽器で音源としても欲しくなるものですが、いかんせん装置自体がアンティークのような趣きで扱いに神経を使いそうです。
ペットがいたらリボンを引きちぎられそうだし。
高価なものだろうと思いましたが、オーダーメイドのギターほどの価格という記事があったので、この装置でその程度ならスペースに余裕ある人なら導入するのも粋人。
この楽器を扱えるというだけで、選ばれし者になれるのではないでしょうか。

メシアンは、音と色の共感覚の持ち主だったとのことで、この音色に神秘的な波動を感じていたのではないでしょうか。繊細で美しくグラデーションのように景色が変わるかのような、まさに音色です。
わたしなどは、そういった感覚を持ち合わせていない者ですが、
美とはどういうものか、そういった感覚を培い育むことはできる気がしています。
この音楽と音色から窺い知れることを、自分なりに消化できるように努めていきたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?