【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 2月4日~カミーユ・サン=サーンス 『動物の謝肉祭』
音楽観を鍛える鑑賞録。
2月4日 本日のテーマは、
【謎】
とりあげる作品は、
カミーユ・サン=サーンス /
『動物の謝肉祭』
です。
いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。
カミーユ・サン=サーンス。
フランス生まれの早熟の天才。この楽曲は1886年に作られた全14の組曲です。
なかでも、第13曲「白鳥」は幼少期から必ず聴くであろう曲です。
サン=サーンスの他の楽曲はこの参考書籍では、かなり後半に出てくるようなので、サン=サーンスの凄さを語るのはここしかない。
ざっくり解説すると、
"2歳でピアノ、3歳で作曲、16歳で交響曲、パリ音楽院首席卒業、技巧派の青年期。幅広いジャンルに精通するピアノ教師時代。フランス音楽界の振興に努めたが、歯に衣着せぬ物言いで異端児扱い。晩年には評価をえて86歳で国葬。"
という感じで波瀾万丈な人生のうえで、この組曲は異端児期。
ワーグナーへの言及によるドイツからのバッシング、自身が設立の発起人となった国民音楽教会での辞任があった年の曲です。
音楽と人格は関係ないといった具合に、いや作風はウィットに富みながら、大作を作りあげました。
サン=サーンスの天才ぶりな凄さを学んでも再現性がなさすぎなので、この音楽を聴きながら考えていたことは、
「この音楽の魅力を伝えるにはどう語ればよいか?」ということでした。
『動物の謝肉祭』(Le carnaval des animaux)は、それぞれの楽曲が動物を想起させる仕様になっていて、幼少期に聴くにも楽しめるものです。
わたし個人としても、なぜか「白鳥」のピアノを小学校の時期に弾いていた記憶があります。
とはいえ、クラシックにはまったく関心が生まれなかったし、この曲が組曲のひとつで、サン=サーンスという作曲家の名前さえ知りませんでした。
サン=サーンスは、言ってることとやってることのクセが強いわけで、この組曲はとくにパロディと皮肉がありながらも、幻想的で実験的。そして美しく華麗でもあります。
まぁ、このような魅力の伝え方をさんざ考えてみたわけですが、ついぞ言葉が見つからなかった。「とにかく聴いてみて!」では深く掘ろうとは思えないですよねぇ。
いずれにせよ、早熟であろうがなかろうが、しっかり地道に学び深め、挑むべきときに挑み、作品を築き上げていって、流行に左右されず、積み上げた美学に基づいた生き方で、息の長い人生を歩む。
早熟の天才が歩んだ道としては、ロールモデルになるくらい素晴らしい生涯であったように思います。天才という言葉に惑わされず、サン=サーンスの人生は学び得られるものがたくさんあるので、ぜひ参考にしていきましょう!
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