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【音楽×珈琲 鑑賞録】4月24日~ニコロ・パガニーニ 『無窮動』

音楽観を鍛える鑑賞録。
4月24日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
ニコロ・パガニーニ /
『無窮動』

です。

ニコロ・パガニーニ
Niccolò Paganini
1782年10月27日 - 1840年5月27日
イタリアのヴァイオリニスト、ヴィオリスト、ギタリストであり、作曲家。

「悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト」という最強の異名をもつパガニーニ。
以前、ベルリオーズへの2万フランの投資という件で登場し記事にしていましたが、今回は自身の作品『無窮動(常動曲)』(moto perpetuo)について記事にします。

「無窮動」とは、常に一定した音符の流れが特徴的で、通常は急速なテンポによる楽曲ないしは楽章を指します。文字通りには「永久機関」を指すとのこと。
この様式は、多くの著名音楽家が作品を残していますが、
ヴァイオリンでの無窮動といえば、パガニーニの作品です。
上記の動画を観てわかる通り、即興的に弾いているようにみえて、すべて音符が割り振られています。それを同じ速度で弾き続ける超難度の楽曲。
自分もギターで無窮動トレーニングをやることがありますが、いつまでたっても弾きこなすには至りません。

パガニーニの生涯は非常に興味深く、そこから紐解くこともしたいところですが、それはいつか来る作品で考えたいところで、今回はこの技術力の高さに舌を巻くことを記述しておきます。

イメージとしては、ギターでいえばイングヴェイ・マルムスティーンの登場と同じくらいの衝撃であったろうと思うわけで、比類なき高次元のテクニックが突然現れたわけです。
この時代のヴァイオリニストも、悪魔に魂を売り渡したように練習をして腕を磨いたプレイヤーはたくさんいたと思います。
そういった人々を押し退けて、圧倒的認知度でパガニーニは名を歴史に刻みました。
その要因は、本性から起因されるセルフ・ブランディングの構築と戦略。そして、自身の技術力と聴衆が沸くような楽曲があったからこそでしょう。
メロディアスな楽曲で聴かせることに執着せず、この「無窮動」のような、ただただ技術を知らしめる音楽を表現してバズらせた。
木靴に弦を張って楽器として演奏したり、弾いている最中にヴァイオリンの弦が切れていき、最後にはG弦しか残っていなかったのに、それ一本で曲を弾ききったと言う逸話もあるそうです。
近年のロック・ミュージシャンがやっていそうなパフォーマンスをこの時代にやっていたことが凄い。
それだけ発想力が豊かであり、自身の音楽に自信を持っていて、かつそれを示せる技量も兼ね備えていたことが窺い知れます。

現代にも通じる、音楽家が持ち合わせたいエンターティナーとビジネスパーソンとしての力量。
パガニーニから学び受けることは多大なものがあると、今回いろいろ調べていて考えさせられました。

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