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【音楽×珈琲 鑑賞録】12月31日~リヒャルト・シュトラウス 家庭交響曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【1日】
12月31日のテーマは、【主題】

とりあげる作品は、
リヒャルト・シュトラウス /
家庭交響曲
です。

リヒャルト・ゲオルク・シュトラウス
Richard Georg Strauss
1864年6月11日 - 1949年9月8日
ドイツの後期ロマン派を代表する作曲家

『家庭交響曲』(Sinfonia Domestica、Symphonia Domestica)作品53は、1902年から1903年にかけて作曲され、1904年3月21日、カーネギー・ホールにて作曲者自身の指揮、ニューヨーク交響楽団により行われた標題交響曲です。
演奏時間は約43分で、切れ目のない4部構成。
シュトラウス自身の家庭の様子を曲にしたとも言われています。

家庭の様子を音楽でいかに表現するか。
作品からは、この難題にR.シュトラウスならではの解答で応えています。

この作品ではどこか軽やかでうららかな印象を持つ音響があります。
滑稽を彷彿させるような音響も度々聴こえたり、穏やかでたゆたうような音響や混乱やドタバタ的な音響も挟み、「家庭」というテーマさながら、喜怒哀楽が折り混ざった味わい深い音像が聴けます。

R.シュトラウス自身は時代に応じて音楽性を転じながらも、古くさいなどと野次されましたが、常に自分だからこそ作れる音楽を発表してきました。
批評家はキャリアが長く、通底した同じテーマで堂々巡りしている作曲家を揶揄することがしばしばありますが、マンネリと言われようと、聴き及ぶすべての音楽は生まれるべくして生まれ、残るべくして残ります。
現在、何十年も前の作曲家の名前と音楽をいつでも傾聴できる時瀬においては、とにかく意味を見つけ、音楽に包含する覚悟を決めて作られたものが時代の風雪に耐えることを教えてくれます。

本年はたくさんのクラシック音楽を聴き、感慨を深めてきましたが、最後に思うのは、自分自身が「かけがえのないもの」だと心及び、それに対して真摯に行動し、何年経とうが残したいと覚悟を決めた作品が素晴らしいものだと思い至っています。
それは誰のためとか特定できませんが、
自分自身にとってはかけがえがないと断言できる清らかさです。

それをこの大晦日に考え、この意図を汲んだ作品づくりに勤しむことを新年からは取り組みたいと思っています。

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