見出し画像

【音楽×珈琲 鑑賞録】9月20日~セルゲイ・ラフマニノフ 『交響曲』第2番

音楽観を鍛える鑑賞録。 
エンディングまであと【103日】
9月20日のテーマは、【作曲・演奏】

とりあげる作品は、 
セルゲイ・ラフマニノフ /
『交響曲』第2番

です。

セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ
Серге́й Васи́льевич Рахма́нинов
Sergei Vasil'evich Rachmaninov
1873年4月1日 - 1943年3月28日
ロシア帝国出身の作曲家、ピアニスト、指揮者

今回とりあげるラフマニノフの『交響曲』第2番ホ短調作品27 (Симфония № 2 ми минор, op. 27)は、1906年10月から1907年4月にかけて作曲され、1908年1月26日に、ペテルブルクのマリインスキー劇場にてラフマニノフ自身の指揮で初演されました。

この作品はラフマニノフが音楽家として芽がなかなか出なかった苦境からようやく這い出て、作曲家としても私生活においても順調になった時期に手がけられました。
指揮者としても注目を集められていた頃でしたが、ラフマニノフは作曲家としての地位を確立すべくドリスデンに移り、作曲に力を入れ、作り上げた本作が大成功を収めました。これでラフマニノフの作曲家としての地位も確立することになります。

この作品の特徴には、「旋律の絶えざる美しい流れ」の強調という説明があるように、大らかなメロディが波打つように盛り上がったりひいていったりする印象を覚えます。

今作は4楽章構成で全編通しで約60分の演奏時間。
特に有名な第3楽章はシネマティックで甘美、感動的な旋律とオーケストレーションの厚みがとても聴き心地よく、人気なのも頷けます。
この第3楽章単体でも演奏される機会があり、ラフマニノフ作品といえばこの第3楽章をあげる人も多いそうですが、全編通して聴いてみると、やはり第4楽章、終演に向けて盛り上がっていく高揚感、カタルシスを覚えるかのようなE Majorの終止音まで聴き及ぶことで達成感に浸ることができます。
交響曲の醍醐味ともいえる、そこそこに長い時間の視聴を経てこそ味わえるものがあり、さらにこの作品を作ったラフマニノフの人生や演奏者の尽力など、さまざまな観点を知った上で思考しながら聴けば、自分の人生とも交錯し、感動もひとしおです。

ここまで、そこそこにクラシック音楽を聴いてきましたが、教養としてドヤれるとかそういった自己顕示欲は超えて、「音って大事だな」、と純粋に思えるようになってきました。
「音価」というと「音の長さ」を表す言葉になってしまいますが、音自体に価値をもたらすのは、その音にかけた時間の量と質に比例する気がしています。
今作のラフマニノフ作品から聞こえてきた音は、そうした積算が現れているように思えました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?